再開と宴会
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よろしくお願いします。
静寂の中、純白の光が瞼を差し、眩しさから目をゆっくりと開けると、神々しいほど白く輝いて見える、白い空間が広がっていた。
この懐かしい光景は、すぐに記憶から蘇る。
視界の端に、微かに映る黄金に、視線を下げると、予想通りの相手が、そこにいた。
ただ、その相手は、両腕を前で組み、豊満な胸を押し上げ、赤くした顔を横に向けて、可愛らしい唇を尖らしていた。
「何を怒っているんだ?」
再開の言葉よりも先に、まず、そんな言葉が出てしまった。
だが、俺に声をかけられても、たまにチラッとこちらを見るだけで、中々口を開いてくれない彼女に、
どうしたものかと首を傾げていると、彼女は、小さいながらも、やっと口を利いてくれた。
「……お久しぶりです」
「久しぶり」
やっと口を利いてくれた彼女に、俺は思わず頬を緩めてしまう。
「それで、なんで怒ってるんだ?」
「………あれは、どういうことですか」
彼女は、赤い顔でこちらを見上げながら、右手で何かを差しているので、そちらに目を向けると……。
「あっ」
彼女の指差すところには、円形のスクリーンみたいな物があり、そこには、屋敷の寝室のベッドで寝ている俺が映っている。
だが、彼女の言いたいことはそうではなく。
「あー……、一応、二人は婚約していて、もう二人もする予定だから……」
浮気がバレた男のように、一緒にベッドで寝ている、裸の4人の女性の関係に対して、言い訳をする俺。
言い訳というのは、おかしい話なのだが、つい、そんな感じがしてしまう。
「こ、婚約、ですか!?」
俺の言葉に、彼女が目を大きく見開き、俺とスクリーンを交互に何度も見る。
「あ、あぁ……」
「そ、そうなんですか……、いえ、でも、結婚前にああいうのは、どうかと思います!というか、どう見ても子供が二人もいるじゃないですか!」
子供二人とは、フェルとフラウラの事だろう。まぁ、10歳と12歳だから子供なのだろうが、それを言うなら、日本基準なら、アリスとミラも子供なんだけど、余計な事を言うと、さらに酷くなりそうなので、
黙っておこう。
「まぁ、そうだけど……一応、来月には二人と結婚する予定だし」
「結婚!?」
俺が結婚という言葉を口にすると、今日一番の大きな声を上げる彼女に、思わず、一歩引いてしまう。
「そ、そんな……」
とりあえず、この話しを続けるのは拙いと思ったので、話を変えよう。
「それより、どうして今まで顔を見せなかったんだ?」
内心、手遅れになっていなかったことに、安堵しているのだが、ついつい攻める口調で言ってしまった。
それに対し、彼女は、気まずそうに、事情を話し始めた。
「そ、それはですね……。本当は私も、ちゃんと顔をみせたかったんですよ?ですが、あの時は本当に危険な状態だったので、力が戻るまで、ずっと眠っていたんです。そして、力が回復してきたのを感じ、
つい先程、目を覚ました所だったんです……」
別に、全然悪くないのだが、まるで怒られた子供のように、シュンとしている彼女の頭を優しく撫でる。
「そうか、まぁ、無事で良かった、フィリア」
頭を撫でながら、微笑む俺に、フィリアは、恥ずかしそうにしながらも、嬉しそうに満面の笑顔で答える。
「はい!」
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それからは、フィリアが眠っている間に起こった事を、俺が説明をしていたのだが、その間のフィリアは
、時に笑い、時に怒り、時に泣き、時に、喜び、時に、悲しんだりと、終始、忙しそうだったのだが、
俺的には、色んな彼女の表情が見れて、とても充実したのだ。
「そうですか、ツキヒトさんは、大変だったんですね」
「あぁ、まさか、こっちに来てから、半年も経たずに、世界最強と戦うなんて思ってもいなかったよ」
「ふふ、私もまさかそんな事になっているなんて、思いもしませんでした。ツキヒトさんは神の想像すらも簡単に超えてしまうんですね」
楽しそうに、している彼女を見ていると、あの死闘があって良かった。なんて、思ってしまう俺は、
ちょっと可怪しいのかもしれないな。
「ところで、ツキヒトさんは、その、本当にツキヒトさんですよね?」
「え?」
彼女の質問の意味が分からず、つい首を傾げてしまう。
「あ、いえ、最初にあった頃と少し感じが違うので」
「そりゃあ、半年の間に、あれだけあれば変わるだろう」
俺の答えに、「それもそうですね」と、言いつつも、フィリアは、少し納得がいかない、という顔をしている。
「あぁ、色々聞きたいことがあるんだが、まだまだ時間に余裕はあるのか?」
余裕とは、フィリアの回復した信仰の事についてである。
「いえ、こうして夢で会える位には回復しましたが、申し訳ありませんが、回復したと言っても、微々たる物なので、これ以上起きているは、少々厳しいんです……」
そう、申し訳なさそうに言うフィリアに、また会えなくなるのか、と、寂しさを感じる。
「あ、ツキヒトさんが今まで頑張ってくれたお陰で、ここまで回復できたので、別に他意がある訳じゃありませんから!」
微々たる物、という、言い方に、悪気を感じたのか、慌てて両手を振りながら、弁明を始める。
「分かってるよ。でも、とりあえず、今のままのやり方で、問題無いという事が分かっただけでも十分だ」
俺の言葉に、ホッと胸を撫で下ろすフィリアに、あぁ、一つだけ聞いておかないといけない事を思い出す。
「フィリア、一つだけ聞きたいんだが、本当に魔王はいないんだよな?」
俺の質問に、フィリアは目を閉じて、神経を研ぎ澄ませるように、佇む。
その姿は、まさに女神というにふさわしく、俺は思わず見惚れてしまう。
しばらくして、彼女が目を開ける。
「今、探してみましたが、いませんでした。現在のエオリアで、ツキヒトさん以上のステータスを持った人もいませんし、安心して下さい」
「そうか、ありがとう」
フィリアの答えに、感謝の言葉を述べつつ、頭を撫でる。
フィリアは、恥ずかしそうに顔を赤くして俯いてしまう。
どうも、子供達の頭を、何かとよく撫でるので、頭を撫でる癖がついてしまっているみたいだ。
「え、えっと、それでは、私はそろそろ、また休眠しますね」
フィリアが、勢い良く頭を上げるので、思わず手が頭から離してしまった。
フィリアの髪は、滑らかだから、ずっと撫でていたいのだが、名残惜しいが仕方ない。
「あぁ、次はいつ会える?」
「そうですね。現状のままなら、3ヶ月程で、今日と同じ時間位には回復すると思います」
次に会えるのは、3ヶ月後か……、なんか遠距離恋愛している恋人同士みたいだな。
「そうか、それじゃあ、もっと早く会えるように、頑張るよ」
「はい、ツキヒトさんに頼ってばかりで申し訳ありませんが、よろしくお願いします」
そう言って、頭を下げるフィリアに、「任せておけ」と、言うと、だんだん、俺の体が透け始める。
「………、じゃあ、また」
「……はい、また、会いましょう」
そうして、俺とフィリアの僅かばかりの逢瀬は終わった。
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翌朝、アリス達に、フィリアと会った事を話そうと思ったが、これもまた、浮気をしてしまった恋人の気分になってしまったが、信仰している神であり、目的でもあるフィリアが、存命であるという事は、話す必要があると判断し、皆に打ち明けることにした。
「そうですか、ご主人様の努力は無駄にならなくてよかったです。おめでとうございます」
「いいないいな~、私もフィリア様に会ってみたいな~」
「わ、私も、会ってみたかったです!」
「……?」
三人の反応に、それぞれ対応し、一人だけ首を傾げるフラウラには、とりあえず、頭を撫でておいた。
「ありがとう、会えるかどうかは、今度聞いといてみるよ」
それから、フィリアの信者である、エメラ達にも、伝えると、大人達は、良かったですね。と、言ってくれ、子供達は、ミラと同様に、自分達も会いたかった。と、言っていた。
正直な所、信仰心という物自体、ずっと無宗教である、俺にはよく理解できていないのだが、皆が信仰してくれている、ということは、フィリアと会ったことで証明されたので、良しとしよう。
ちなみに、俺は、一応はフィリア神を信仰している、という事になっているが、何度ステータスを確認しても、信仰欄は、空欄のままだ。
理由はいくつか思いつくが、やっぱり最大の理由は、あれだよな……。
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「それで、今日はこれから、学校の建設に行くのですよね?」
「あぁ、とりあえず、今日中に、俺の必要な範囲をあらかた済ませて、後は大工に任せることにしてる。
ちゃんと町にもお金を回さないといけないしな。」
別に学校自体は、俺一人で建築可能なのだが、それだと、町にお金が回らないので、領主として、町の大工達に依頼という形でやってもらっている。
だが、可能な限り早く完成させて、開校させたいので、時間短縮にと、俺が一番力が必要な所を魔法で終わらしてしまうのだ。
「それでは、それが終わり次第、明日のチラシ配りの為の、チラシの複製をお願いしますね」
「分かった。あぁ、それと、学校の月謝は結局どうするんだ?」
チラシは、来週からオープンする、道具店のチラシの事で、俺が、ウィザードとなった事で、チラシには、俺の名前を宣伝に使っている。
正直、恥ずかしいが、今更なので諦めるしかない。
「そうですね。やはり、現在の財政から言うと、町の人達には厳しいでしょうので、まずは無料で始めたほうが良いかと思います。とりあえずは、お試しという事で初め、結果が出始め、町の財政状況も良くなってから、月謝を受け取るのが一番かと」
ソニーの言うとおり、未だに、産業に対して、何も初めていてないので、町の財政は前と変わらないままなので、いくら安くすると言っても、町の大人達からしたら、学校の重要性を理解してないのが、大半であるため、中々月謝を出すといことは難しいだろう。
「まぁ、そうなるな」
「それと、領内の財政状況が緩和されたとしても、アキヤマ様の言う、義務教育という事をなされるのなら、幾ら子供とは言え、町の働き手が減るわけですので、月謝の大半は、こちらが負担という形が良いかと思います」
そう、俺は、ソニーと町長と神父には、子供は最低でも6年の義務教育を設けるべきだと提案したのだ。
俺の説明を受けた3人は、理解を示してはくれたが、やはり働き手の不足という事を危惧している為、
領内の財政の改善は早急にすべき課題でる。
だが、次々に起こる問題のせいで、中々初められずにいるのだ。
「まぁ、俺もそのつもりだ。適正な価格は、後々決めるとしようか。とりあえず、教科書と、紙に関しては、俺が近日中に作成用の魔道具を作るから、完成したら、町の人を雇用して、やって貰おう。そうすれば、多少は、町の財源も良くなるだろう。あとは、紙を作る木の伐採か……、そっちはどうなってる?」
「騎士団と、冒険者に依頼して、近隣の森林調査を行って貰いましたが、100m程までなら、大した魔物はいないとの事です。ですが、それ以上進むと、Bランク以上の魔物の目撃も会ったため、できれば、アキヤマ様に、早急に対処をお願いしたいのですが」
うちの騎士団は、元々この領にあった騎士団+王が用意した騎士団の混合であり、能力は王が用意した騎士団の方が高い、だからといって、流石はあの王が用意した騎士達なだけあって、傲慢な態度を取るような輩はおらず、皆、友好的で、元々のこの領の騎士団長は副団長に格下げしてしまったが、新たな騎士団の団長は、50を超え、幾つもの武勲を持つ有能な騎士であるため、文句等いえず、それどころか、厳しいながらも、部下思いの良い団長だと、騎士達にも人望が厚い人である。
俺も何度も話しをしたが、とても素晴らしい人で、あの人を見ていると、如何に自分に足りない物が多いかと気付かされてしまう。
あと、ガラドと面識が会ったらしく、偶に一緒に酒を飲んでいるらしい。
「王が用意した騎士団なら、対処できると思うが?」
俺の疑問に、ソニーが即座に答えを返す。
「可能かもしれませんが、最近の大陸の現状を考えますと、人数も少ない為、危険だと思います」
「ふむ」
うちの領の騎士団は、全部で100人と、数が少ない。
その内、40が王から用意された者で、町の警備や、街道の警備等にも人を必要とし、元々いる騎士達の訓練などもあるので、あまり魔物退治に人を避けない上、現在、大陸中での、高ランクの魔物の近辺出現や増加等の不安要素があるので、騎士達を派遣したくない。という、のが答えだ。
「とりえず、今日の建築の仕事が終わったら、森に行って見て来るよ。でも、後々に、あんまりしたくないけど、徴兵制度も考えたほうがいいかな?流石に、今のままの数だと、何かあったとき不安だし」
うちの領内は狭いとはいえ、それは今現在のことであり、本格的に開拓が始まれば、あっという間に倍以上の敷地になる。それと同時に、産業と流通も始める事を考えれば、兵はもっといたほうが良いだろう。
あと、魔人族の事も気がかりではある。
「徴兵制度は、あまり町民受けは良くありませんが、志願兵を募るか、何年か努めたら、それ相応の報酬を与えるとすれば、良いかもしれませんね」
ふむ、退職金制度という事か、確か日本の自衛隊でもそんなのがあったな。
「そうだな、最低でも2年努めたら、退職金として、一般的な平均収入よりも高い額を渡すか。それから、
1年増すごとに、上乗せしていけば、金を貯めて何かしたいというやつが集まってくるかもしれないな」
俺の考えに、ソニーは少し考えるが、肯定してくれた。
「そう、ですね。徴兵期間に、何もなければ、高額な退職金が貰えるなら、何か始めたい人など、確かに来ますし、最低でも2年、兵として働けば、辞めた後でも、そこで培った技術が役に立つ時が来るかもしれませんし、アキヤマ様が皆様にさせている、護身術とは、また違いますが、そういった意味では、有りですね」
それに、最近は特に、なにかと物騒ですしね。と、ソニーが言う。
大きな町では無いので、特に強盗や殺人といった事件等は無く、せいぜい殴り合いの喧嘩くらいだが、ソニーが物騒というのは、魔物の件である。
森に、伐採に言った際に、魔物に怪我をさせられる。といった事が、最近増えてきているので、騎士団や冒険者達にも、依頼して頼んでいるのだが、話を聞くに、やはり、去年より明らかに数が多いとのことだ。
はぁ……、本当に、面倒事ばかりで嫌になる。
「まぁ、とりあえず、行ってくるよ。あぁ、今の伐採予定地の地図を頂戴」
俺は、ソニーから、印をつけられた地図を貰い、建設現場へと向かう。
「んじゃ、行ってきます」
「「「行ってらっしゃいませ、ご主人様」」」
「いってらっしゃーい、気をつけてね~」
「行ってらっしゃいませ、アキヤマ様」
俺は、皆に背を向けながら手を振り、ゲートを潜る。
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「おはようございます」
ゲートを潜った先には、すでに大工達が来ており、俺は挨拶をする。
「おはようございます、領主様。今日もよろしくお願いします」
「はい、こちらこそよろしくお願いします。それで、俺は何をしたらいいですか?」
学校の大きさは3階建てに、将来的な事を考え、1階ごとに、とりあえず、10部屋ずつ用意する事になっている。基本的に、煉瓦積みとなっており、煉瓦の購入自体は、大半を領内で購入し、足りない分は王都で、俺が購入してきている。
それから数時間、途中で休憩と昼食を挟みながら、大体の俺の必要な事を終えたので、後は本業の人達に任せて、俺は地図を片手に、森へと向かう。
「う~ん、サニースやピソールでクエストで行った森より、明らかに数が多いな」
探知魔法で魔物の数を数えつつ、ゴブリンの数が増えている場所を見つけたので、先に潰しておくことにした。
「完全に、集落を作ろうしてたって感じだな……」
行った先は、サニースで見た、ゴブリンの集落に似た形の建設途中らしい感じであった。
早々に全てを潰すと、ゴブリン達を全滅させ、次に近くの魔物を適当に狩りつつ、森の奥へ奥へと進んで行く。
500m程先に進むと、マンティコアやソードタイガー等もいたので、サクサク倒し、素材を回収していく。
ピソールの時は、もっと奥にいたはずなのだが、本当に随分と浅いところにいるな。と、思いつつ、結局はそのまま海まで行ってしまった。
途中で、見たことのない、大蛇がいたので調べると、バジリスクという石化の魔眼を持つSランクの魔物がいたが、昔ならいざしらず、今の俺にそんな物が通じるわけもなく、サクサク倒す。これって、食べたら美味いんだろうか?あとで冒険者ギルドで聞いてみるか。
そして、せっかく海まで来たのだし、と思い、途中で狩った、ライオンみたいな魔物の髭を魔法で繋げて、糸と大きな釣り針をつけ、餌に、ライオンみたいな魔物(ラーガという名前らしい)の肉をつけて、海に放り込み、釣りをしてみる事にした。
そのまま、30分程、ぼーっと海を眺めていたら、気持ち悪くなってきたので、止めて帰ろうかと思った時、釣り竿に反応があった。
「きた!これはでかい!つーか釣り竿がやばい!」
餌に食いつかれた瞬間、すぐに釣り竿が悲鳴を上げたので、即座に魔法で糸から釣り針までも含めて強化する。
「うぐぐぐぐぐっ!」
今の俺の筋力は、素の状態でも1トン程の大岩でも持てるのだが、それでも今かかっている獲物に、力負けをしてしまっているため、せっかくの釣りと思って、なるべく魔法を使わないで釣り上げようと思っていたのだが、このまま負けるのも癪なので、魔力で一気にブーストをかけ、力一杯引き上げると、獲物が海から空へと放り出され、その姿に俺は思わず、
「ネッシーは実在したんだ!!」
と、叫んでしまった。
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それから俺は、すぐに釣り上げたネッシーをアイテムボックスに入れて、町に戻り、屋敷の皆も呼んで、
俺の釣果を見せてあげた。
「ほらほら!俺が釣り上げたんだ!このネッシー!凄いだろ!」
俺が自慢げに、ネッシーを見せると、全員、口をあんぐりと開けている。
「あー、大将。こりゃーネッシーっていうんじゃなくて、アクアドラゴンだ……」
「え?」
ガラドの言葉に、俺は何度もガラドとネッシーを交互にみる。
「だ、だって、全然ドラゴンぽくないぞ?牙はちゃんとあるけど、翼だってないし……」
俺の釣り上げたネッシーは、日本でもテレビ等でよく見た姿をしており、違いは、二本の大きな牙が生えているくらいだ。
「あー、確かに翼はないが、一応それでも、ドラゴンの種でな……」
「そ、そんな……ネッシーじゃないなんて……」
ガラドの言葉に、思わず膝と手を地面につけてしまう。
「つーか大将、一応これ、サイズ的には小さいが、SSランクの魔物だぞ」
「あぁ、そう……」
せっかくUMA発見と思ったのに……。
皆は、なんでSSランクのアクアドラゴンを倒したのに、凹んでいるのか、訳がわからないといった様子だ。
「まぁいいや、これって食えるのか?」
「ん、まぁ食えるが、かなりの高級食材だぞ?」
「別にそんなのどうでもいいよ。美味いなら皆で食べるか」
俺の言葉に、皆は驚愕していたが、俺が本気だと分かると、一気に宴の準備が始まった。
素材に関しては、一部残して、他の魔物達と一緒に売り払おうとしたが、この冒険者ギルドに、そんなSSのランクやSランクの魔物達の報酬を何匹も払う金がないので、俺が直接王都に持っていく事になった。
ちなみに、バジリスクの肉は、燻製にしたら美味いと、ガラドが言うので、エメラ達に準備させ、まずはこの全長20m、重さ5トン程ある、アクアドラゴンを俺がサクサクと解体していく。
内蔵に関しては、薬にはなるが、そのまま食べても人間には毒というので、売却することになった。
解体し終わると、肉だけで、3トン程あるので、さすがに領民や騎士団達全員でも食べきれないので、1トン分だけにし、焼く、煮る、蒸す、揚げるなど、様々な調理法で食べ、バジリスクの燻製も時魔法でちゃちゃっと完成させ、皆で食べ、酒を呑みと、今夜は大いに盛り上がった。
アクアドラゴンの肉は、鯨にでも似ているのかと思ったが、見た目からして既に、牛のような感じであった。
ヒレやロースの様な部分もあり、基本的にどこも美味しく、A5ランクの様な霜降りの部分なんかは、嫌な脂身を一切感じず、滑らかな舌触りと、口に入れた瞬間に溶け始める、甘みのある脂身に、皆が頬を緩める。
肉自体もさほど臭みは無く、まさに最高級食材と言われるに相応しい物であった。
バジリスクの燻製も、一般的なリンゴのチップを使っただけだが、もう臭いだけで絶対に美味いと確信させていた。
一口齧ると、口の中に旨味が広がり、唾液がどんどんでてきてしまう。
ちなみに、ラーガは普通に不味かった。というより、獣臭さが強すぎた。
これは調理が難しいので、そのうち、美味しく調理できるように頑張ってみよう。
そうして、宴会は夜遅くまで続き、明日に必要なチラシの複製をし忘れていた俺は、次の日に、ソニーに怒られるのであった。




