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フィリアの信仰  作者: 緑茶おいしい
43/63

アルフレッド戦(後編)

今回は短いです。


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ぐだぐだ

行き当たりばったりなので設定が変わる可能性大

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よろしくお願いします。

階段を駆け上がりつつ、俺は状況を整理する。


あいつが俺の事を異世界人だと知っているということ、ひとまず置いておこう。

それよりも、俺の避ける位置がばれるのは何故だろうか?

やはり経験の差のせいだろう。

そして、世界樹の杖のせいで、ただでさえ俺より強い魔法攻撃力がさらに強化されているので、

油断すれば、障壁を突破されてしまうし、喰らえば必殺と言える。

防御に関しても、障壁もそうだが、あのフェンリルのローブが魔法攻撃を減衰させているせいで、

生半可な魔法ではダメージがあまり通らない。


だが、火薬を使った爆発の際は、多少なりとダメージが入ったのを見ると、魔法で作った炎より、実際の炎の方が効果があるということだろうか?

だとすると、アリス達に作らせたあれは、案外役に立つかもしれないな……。


空間切断に関しては、初めて人に使ったから効かなかった理由が良くわからないが、恐らくあいつ自身に纏っていた魔法障壁のせいだろうか?


状況を纏めている最中に、最上階の5階まである階段を駆け上がり終わったので、今度は廊下を走る。


魔石を固めた玉は後3つ、一つで俺の魔力量の3分の1程度の回復力しかないので、アルフレッドの障壁とあのローブを超える魔法を撃てる回数はそう多く無いだろう。

そもそも、障壁に込める魔力次第で障壁がより強固になるのだから、こんな計算はあまり当てにならないだろう。


「っと!」


廊下を走っていると、真下から巨大な炎が床を突き破って来たのだが、ぎりぎり躱す事ができた。


俺は即座に近くの部屋に入り、アイテムボックスからアリス達に作らせていた物を部屋にいくつも投げ落としていく。


「一体いつまで追いかけっこをするつもりですか?あまり逃げてばかりだと、王都を爆発しますよ?」


5階まで浮遊魔法で上がってきたアルフレッドが、廊下に降りると、探知魔法で俺の位置を探る。


「そこですか……」


扉を開け放たれた部屋の中に俺がいるのを確認すると、炎の槍を作り、撃ち出す。


障壁を張るか、回避するか、それとも瞬間移動で、背後に来るかと予想し、全てにウィンドカッターを発動させる準備をしていると、俺が真っ直ぐに踏み込んでくるのを察知し、即座に腹部に障壁を厚めに張ると、予想通り腹部に強力な蹴りが放たれた。


衝撃を完全に殺す事ができず、アルフレッドはそのまま向かいの部屋の扉をぶち抜きつつ、膝をつくように着地する。


「そんなのは、私には効きませんよ」


悠然と立つアルフレッドに、俺は口の端を吊り上げる。


「じゃあこれはどうだ?」


空間魔法でアルフレッドのいる部屋を覆うと、炎を部屋の中へと転移させる。


その瞬間、大量の火薬と油で溢れた部屋の中で大爆発が起こる。


「ぐあああああああああああああ!」


アルフレッドの悲鳴を聞き、やはり魔法以外の攻撃は素の防御力が低いアルフレッドには有効だと判断する。


室内は煙で溢れて中が見えないが、どうせ、あいつのことだから空間魔法もなんとかして出てくると予想し、魔力を大量に溜め、アルフレッドが空間魔法を大量の魔力で無理やり突破するのと同時に、その間に増幅させ続けたレーザーを放つ。


「ぎゃああああああああああああ!」

「ぐあああああああああああああ!」


前者は、レーザーによって、腕が消し飛んだための叫びであり、後者は空間魔法が破られた為に、バックドラフト現象が起き、真向かいの室内にいた部屋にまで炎がきたので、炎を浴び、そのせいでの叫びだ。


攻撃の為に魔力を回していたので、障壁は殆ど張っていなかったに等しい状態だったため、

火と氷の耐性をエンチャントしたインナーを付けてなければ、もっとひどい怪我を負っていただろう。


「ぐうぅぅぅ」


俺は痛みから唸り声を上げながら、なんとか魔法で回復する。


対するアルフレッドは、左手の二の腕から下が無くなっている。

身体も随分と汚れており、顔には大きな火傷を負っている。

だが、それも回復魔法ですぐに治っていくが、欠損した左腕だけは血が止まるだけで、それより先が生えてくることは無い。


「きさまあああああああああああ!」


アルフレッドが殺意に満ちた声を上げ、俺を睨みつける。

そんな俺は、今のでレーザーで仕留めたかったのに、腕一本しか奪えなかった事に厳しい表情をする。

いや、人間を殺すという事を躊躇ったせいでの結果だ。


どうやら俺にはまだ、人を殺すという覚悟ができていないみたいだ。


「死ね死ね死ね死ね死ねえええええええええええええ」


怒り狂ったアルフレッドが、辺り一面に魔法を放ち続ける。

もう、アルフレッドの顔には、余裕も笑みも一切無く、ただ俺を殺す事だけを目的として、動いている様に見える。


「やばい、完全にぶち切れてる!」


俺は崩れ行く屋敷から、アリス達が心配なので、ゲートを開いて、アリス達の前へと出る。


「ご主人様!」

「ツキヒト君!一体何があったの!?」


幸い、落ちてくる瓦礫は全てアルフレッドが用意した障壁が弾いているため、二人に被害は無いが、

あいつの全力の魔法が当たれば障壁を貫いて二人が死ぬかもしれない。


「アルフレッドがブチ切れてやばい!ここから逃げるぞ!」


俺がアリス達を連れて逃げようと手を伸ばすと、間に巨大な光の柱が落ちる。


「アリスに触るなああああああああああああああ!」


光の柱が消える同時に、アルフレッドが魔法を放ちながらこちらに向かって翔んでくる。


「くそ!とりあえず離れないと!」


今放たれている魔力での魔法では、アリス達を守っている障壁を破りかねない。

だからといって下手に障壁から出ると、崩れる落ちる瓦礫からは、アリス達自身の障壁で守れるかもしれないが、俺達の魔法だと、簡単に貫いてしまう。


「アリス、ミラ!そこから絶対に動くな!動くとかえって危険だ!」


俺はアルフレッドと交戦しながら、怒鳴るように二人に言う。


「分かりました!」

「分かった!」


二人の返事が聞きつつ、俺はアイテムボックスから瞬時に、アリス達に用意させていた道具その2である、大量のナイフを取り出し、辺り一面にばらまく。


「これでも喰らえ!」


そして、柄に取り付けられた魔石に反応して、ナイフがひとりでにアルフレッドに襲いかかる。


「こんなもの効くか!」


ナイフは全てアルフレッドの障壁に弾かれるが、それでも幾度となくアルフレッドに襲いかかる。


「うっとおしい!」


アルフレッドが大量のナイフを全て燃やし尽くすように、辺り一面を業火で覆い、次々にナイフが溶けて落ちていく。


だが、これでいい。

少しでも多くアルフレッドに魔力を使わせる事が、俺の勝利の鍵になる。

だから、そのためには、こちらは魔力を使わずに攻撃をし続ける。


業火が収まると、アルフレッドがこちらを睨みつける。


「こんな物で私が倒せると思っているのか!」


右手に持つ杖から巨大な白炎の槍が俺に向かって撃ち出される。


「思うわけねーだろ!」


俺はそれを瞬間移動で回避すると同時に、またナイフを取り出し、アルフレッドに向けて放とうとしたが、瞬間移動した瞬間に、ウィンドカッターで右足を切り落とされてしまう。


「ぐぎゃあああああああ!」


怒り狂って判断力が鈍っていると油断していたせいで、攻撃を食らってしまった俺の浅はかさを呪いつつ、取り出したナイフをアルフレッドに向けて放つ。


しかし、それも殺意で満ちた顔であるが、冷静にアルフレッドはナイフを炎をで溶かす。

だが、ナイフが炎に触れた瞬間、爆発し、小さな刃がアルフレッドを襲う。


当然、障壁によって守られているアルフレッドには、ダメージは無いが、視界と次に何か来るのではないかと言う疑心のおかげで、足を治す時間ができた。


「はぁ……はぁ……」


世界最強の魔法使いとの戦い、指が粉砕し、左腕が焼失し、右足が切断され、幾度の苦痛と緊張で、

俺の精神は限界へと近づいて来ていた……。


アイテムボックスから、最後の魔石取り出すと、魔力を回復する。

魔力回復ポーションで魔力を回復したいが、下手にポーションを飲むと、激しく動き回る中で、途中で吐く事を恐れ、飲むことができない。


「…………。」


煙が風によって流され、アルフレッドと視線がぶつかる。


アルフレッドの顔は能面の様に無表情になっており、ローブも服も黒く汚れている。


「……、驚いたよ」


突然、アルフレッドがポツリと言葉を零す。


「え?」


訳が分からない俺は、ついそんな風に聞き返してしまう。


「驚いたと言ったんだ。君の事は聞いていた。だが、神器を二つも持つ私をここまで追い詰める事ができるとは、思ってもいなかった。10年前の私ならいざしらず、災害級のドラゴンを倒し、それからも幾度の戦いと経験を積んだ私を相手に、君はここまで追い詰めたんだ。

だから、君の強さに素直に賞賛しよう」


「………」


アルフレッドが一体何を考えているのかがさっぱり分からない。

こいつは一体何をいいたいんだ?


「お前は一体何が言いたいんだ?」


俺の問に、アルフレッドは短く答える。


「もう、終わりにする」


あまりにも短すぎ、そして、脈絡のない言葉に頭が混乱する。


「終わりにするって……何がだよ……」


アルフレッドに聞くと同時に、大地が脈打つのを感じた。


「ま……、まさか……」


王都にいくつも張り巡らされた魔法陣が起動し始めたのを感じる。


「そう、王都を爆発させる。止める方法は、私を殺すしかない」

「そ、そんなことをしたら、お前どころか、お前が欲するアリスまで死ぬぞ!」


俺の怒りを、何も感じない機械のように、アルフレッドは淡々と話していく。


「あの場所だけは大丈夫な様に魔法陣は張り巡らしている。万が一の時のためにも、神代言語を使ってまで、防御魔法陣を張ったんだ。それに、君が持ってきたドラゴンの魔石もあるから、傷一つ負うことは無いだろう」


アリス達が、無事という事に、少しだけホッとするが、逆に言えば、アリス達以外は危険だと言うことだ。


「と、止めないと……!」


今までの戦いの中で、アルフレッドを即座に殺す事なんて出来ないことは分かっている。

だから、時魔法を使って魔法陣を消し去る事を考える。


この魔法陣は、下手にいじれば、即座に起動して爆発する作りだということは、鑑定で分かっている。

だから、王都に来て、魔法陣の存在を知った時にすぐに消すことはしなかった。

時魔法を使えば、消す事はできるだろうが、アルフレッドとの戦闘前に魔力を消費するのを嫌ったせいで、こんな状況になってしまった。


いや、そもそも時魔法は多大な魔力を使う。

王都全ての魔法陣を消し去るには、俺の全魔力を使ってでもいけるか微妙な所だ。

仮に、全て消し去ったところで、魔石とポーションで回復してから戦いに挑んでいたら、途中で魔力切れで死んでいただろう。


どちらにせよ、俺が死ぬか、王都が壊滅するかの結果だったのかも知れない……。

なんにせよ、今更何を言っても仕方がない。


俺の残った魔力はおよそ3分の1程度。

マナ吸収で大気中のマナを使えば、なんとかなるかもしれない。

そうと決まれば……!


「悪いが、それはさせない」


俺が何をするのか悟ったのか、アルフレッドがそいういうやいなや、大気中のマナを吸収し始める。


「っな!」


慌てて、俺も大気中のマナを吸収し始めるが、二人して吸収を始めたら、あっという間に王都周辺の魔力を吸い尽くしてしまった。


しかし、それでも俺の魔力は全開にはならなかった。


「巨大な上、数が多いせいで、爆発までもう少し時間がある。さぁ、最後の時まで楽しもうじゃないか」


アルフレッドは手を広げ、笑みを浮かべる。


「………」


アルフレッドの言うとおり、爆発まではまだ少し時間がある。

鑑定で調べると2分程度だろうか。

本当に少ししか時間が無い……。


考えている時間も惜しい、俺は最初から全力で行く!


「はああああああ!」


俺は全力で駆けると、アルフレッドの目の前で、真後ろへと転移し、襲い来る魔法を交わし、何度もそれを繰り返す。


狙うは一撃必殺。


アルフレッドの障壁を貫くには全力の魔力を込めての一撃しか無い。

だが、当然アルフレッドは、それを警戒し、俺に攻撃をさせない様に動き回りつつ、魔法で応戦する。


刻一刻と時間が過ぎ去って行くなか、焦りがどんどんと積もっていく。


「………、たった一撃なのにっ!」


もう既に十分な魔力は溜まった。

使う方法は物理的に殴る事を選んだ。

魔法を使って外せば終わってしまう、だが、物理的なら、当てて、魔力を放出するまでは、魔力は無くならない。


時間はあと一分を切っている。


走る、駆ける、転がる、様々な方法で魔法を避けてゆく、俺と違って、魔法を連発しているアルフレッドは、そろそろ魔力が尽きる頃だ。


そして、爆発まで30秒を切ったころ、最後のチャンスが訪れる。


「はあああああああ!」


今までの戦闘で既にボロボロになっていた屋敷が、今のアルフレッドの魔法のせいで瓦礫が俺とアルフレッドの間に落ちてくる。


瓦礫が俺達の視界を塞いだ瞬間、瓦礫の右から駆け抜け、腰に差していたショートソードをアルフレッドに投げつける。アルフレッドの視線がこちらを向き、ショートソードを魔法で弾くのを確認した瞬間、即座にアルフレッドの左側へと移動し、脇腹に拳を叩きつけようとした瞬間、アルフレッドの半身を焼く位置での炎柱が現れた。


しかし、俺はそれを読んでいた!

柱が現れる瞬間に、逆側に転移する。

アルフレッドの後方には炎柱が上がっているのを見て、俺が背後に転移すると読んだのだと確信し、拳を叩きつけようとしたその瞬間、背後から衝撃が走る。だが、もう止まらない、俺はそのまま、俺を見て目を見開くアルフレッドの顔に、全力の魔力を込めた拳を叩き込む!


アルフレッドの首からは、ゴキッっと嫌な音を立て、幾つもの瓦礫を粉砕して、ついには止まる。


それを確認すると、俺は口から、大量の血を吐いた。


「ゴフッ!」


右拳は砕けてしまったので、左手を背中に回すと、どうやら背中に穴が開いてるようだ……、急激に身体から力が抜け、俺は膝を付く。

それから、自身を鑑定すると、背中から心臓が潰れている事を確認する。恐らく、意趣返しだろう。

最後にアルフレッドは、爆発魔法を俺の背後に放ったのだ。


それが分かると同時に、俺は倒れ、更に吐血をし、朦朧とする意識の中、王都に張られた魔法陣が止まっているのを確認した後、怪我を治そうと思うが魔力が欠片も残っていないことに気づき、最後の言葉を零し、


「わるい、な……フィリ、ア……たすけ…ら、れ……」


そうして、俺は死んだ。










少しづつ増えていくブクマに嬉しがってます。

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