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フィリアの信仰  作者: 緑茶おいしい
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よろしくお願いします。

「ということで、現状どうすればいいかさっぱり分からない。

だが、俺の直感では今すぐ逃げるべきと言っている」


テーブルをはさみ、前のソファーに座っている3人に、謁見の間で見たことを説明し終えると、俺は3人の反応を見る。


「せ、洗脳って……本当、なの?」


顔を青くしたミラが、なんとか声を振り絞る。


「あぁ、間違いない。これはフィリアに貰った能力で見た物だから間違いは無い」


「そ、そんな……、でも、それならあれは……」

「ミラ?」


ミラは俯くと、こちらの声が聴こえない程に考え込み始めた。


「ご主人様、王を洗脳しているのは、アルフレッドで間違いないのですか?」

「確証はないが、精神魔法という物を持っていたから、あの場で考えられるのはそれだけだと思う」


アリスが真っ直ぐにこちらを見、俺の答え聞くと、少々逡巡すると、意を決っし、口を開いた。


「今から3年前、私は、公爵家の娘、アリス・クリューソス・ノーザリンド・フォン・ヒューレーでした。そして、私の両親は、現国王の命によって、処刑されました」


アリスは衝撃的な事実を告白した。


「しょ、処刑?何でそんな……しかも、現国王によって?」


アリスの言った事は一応は予測はしていた事ではあった。

ただ、国王の命によって、という事は、アリスと王との関係の話を聞いた後では、非常に混乱してしまう。


「はい。罪状は、国庫金の横領に加え、他国に本国の情報の漏洩の罪でした。

ですが、父はそのような事は決してしていません。父は……無罪の罪で処刑されたのです……」


アリスは、俯き、絞り出すように続ける。


「当家は、代々王国の懐刀と言われる程、王国との繋がりが強く、王国の為、国民の為に務めを果たしていました。そして、王家と当家は、家族ぐるみの付き合いもあり、お互いの子は自分の子だと言う様な関係でもありました。

ですので、父も、王子様と王女様を我が子の様に、国王も、私の事を我が子の様に可愛がってくれました。

ですが、3年前に突如、父が王国を裏切っていると言われ、あるはずの無い証拠が次々と上がり、

気づいた時には当家は取り潰され、両親は処刑され、私だけは、国庫金横領の補填の為にと、奴隷としてオークションに売られる事になりました。

そして、オークションが近日開かれるという隣の街に連れて行かれる最中に、私の乗る場所が魔物に襲われ、ご主人様に買われるまで、奴隷商を転々としていました。

……、私は、ずっとあの優しかった王が、何故家族とまで呼んでいた両親を処刑したのかと、ずっと考えていました。……ですが、ご主人様のお陰で、やっと真実が分かりました」


アリスは、ゆっくりと顔を上げると、潤んだ目でこちらを見つめる。


「有難う、御座います……」


それは、一体何に対しての感謝の言葉なのだろうか。

だが、これでアリスが奴隷として売られる事になった経緯は分かった。

でも、まだ謎は残っている。


「……、アリス。今日、王を見たが、操られている感じはあったか?」


アリスは、少し考え込むと


「そうですね……、私は生まれてから屋敷の外を殆ど出る事が無かったので、

当家に着た時の父親としての王の側面しかしりませんので、王としての責務を果たしている姿を見たのは今日が初めてなのです」


やっぱりアリスは箱入り娘だったのか。

でも、これだとあんまり参考にはならないな。


「そういえば、我が子の様にっていってたのに、アリスを見ても特に反応が無かったな」


両親を処刑にした上、奴隷として売り飛ばそうとした負い目なのだろうか、それか、もう関係無いと

考えているのか。

それとも、仕事と私情は挟まないタイプなのか。

恐らくだが、最後の考えではないのかと俺は思った。


アルフレッドにばかり気を取られていたが、よくよく思い出すと、王もなんとなく嫌な感じがしたんだよな。


「そうですね。それについては私も少々驚きましたが、今日はご主人様の為の謁見でしたので、

明日にでも挨拶をしてみようと思います」

「じゃあ、その際に、何か変な所がないとか探ってみて」

「分かりました」


ふむ、本当ならミラにも聞きたいのだが、未だに俯いているし、王女だと明かしてもいないから聞きづらい。

どうしよう、もう俺から言っちゃおうか?


そんな事を考えていると、部屋にノックの音が響いた。

一応、部屋全体に防音に魔法をかけているから、こちら側の話は聞こえてないはずだが、

一瞬ドキッとしてしまう。

何故かと言うと、この部屋を訪ねてきたのが


「すみません、アルフレッドです。少し宜しいですか?」


アルフレッドだったからだ。

フェルに扉を開けさすと、アルフレッドが室内に入ってくる。

俺はすぐ様立ち上がるり、アルフレッドに挨拶をする。


「これは、アルフレッド様。先程は禄に挨拶もできずに申し訳ありません」

「いえいえ、先程のは、ツキヒト卿の為の場でしたので、仕方ありませんよ。

それと、私にそんなに畏まった言葉遣い等は不要です。

あまり堅苦しいのでは好きではないので」


そういいながらアルフレッドは右手を差し出してくる。

一瞬躊躇するが、俺も右手に軽く魔力を集中させながら、何か異変を感じた瞬間に行動出来るようにしてから右手を差し出し、握手を交わす。一応、自分のステータスも見ておく。


「そうですか?実は畏まった言葉遣いは慣れてないので、助かります」


アルフレッドはにこやかに笑いながら、俺は若干硬い笑顔で返す。

それからお互いに手を離す。

魔力にもステータスにも以上を感じ無いので、本当にただの握手だったのだろう。


「それで、今回はどういったご用件で?」


洗脳しに来たのではないかと内心びびりながら質問をすると、予想だにしない答えが帰ってきた。

アルフレッドは、アリスに顔を向けると、


「えぇ、実は、そこの彼女。アリスに挨拶をしに来たんですよ」


と、にこやかにそう答えたのだ。


「お久しぶりです、先生」

「えぇ、久しぶりです。アリス。あなたが魔物に襲われ、酷い怪我を負ったと聞いて心配していましたが、どうやら彼が治したようですね。今のあなたは昔の、いや昔以上に綺麗になりましたね」


立ち上がり、アルフレッドに礼をするアリスに対し、アルフレッドは優しい口調で話す。


「え、アリスとアルフレッド様はお知り合いなんですか?」


なんだそれ、聞いてないぞ。


「はい。私が10歳の時に、王の護衛として来らた際にアルフレッド様と初めてお会いになりました」

「懐かしいですね。王の護衛と行った先に、あなたがいて、王とあなたのご両親から魔法の手ほどきをしてくれと言われたのですよね」

「はい。ですが、私はあまり魔法が得意では無かった上、先生は多忙でしたので、あまり教えを受けられませんでしたね」


なんだろう、若干アリスの言葉にトゲトゲしさを感じる気がする。

王を洗脳していると知ったからだろうか?


「そうですね。私としてもじっくり時間をかけて教えたかったのですが、なにぶん王宮魔術師となればする事が多く、あまり時間が取れなく、申し訳なく思っていていました。

ですが、今のあなたは昔より、遥かに魔法が使えるようになったみたいですね」


実際にアリスの魔法を見たわけでも無い上、鑑定スキルを持ってないのにそんな事は言えるのは、

やはり、世界最強の魔法使いだからなのだろうか?

それとも、俺と同じように、人の魔力を感じる事ができるのか……。


「はい。ご主人様に御教授頂いた賜物です」


アリスがこちらを向くと、アルフレッドもこちらを向く。


「やはりですか。私の代わりに、アリスを育てて頂き、感謝します。

そして、アリスの怪我も直して頂いた事に深く感謝を」


深々と礼をするアルフレッドの行動と言葉に違和感を感じる。

だが、それが何か分からない。


「いえ、当然の事をしたまでですよ」


とりあえずてきとーに返しておく。


「……、あなたは聞いていた通りの方なのですね」

「聞いていた通りとは?」


目を軽く細め、こちらを見るアルフレッド。


「あなたは多くの子供の奴隷達を買い集め、温かい食事に綺麗な服、綺麗な寝床に勉学等と、

様々な奉仕的行動をしていると聞いています。

そんな話を聞いて、私はあなたがとても優しいお方だと想像していたのですよ」

「そ、それはどうも……」


なんだろう、王達を操っているんだから少なからず悪いやつなのだろうが、

こんな事を言われると、むず痒くなってしまう。


「それに、素晴らしい回復魔法に加え、神大の魔法。転移魔法を使える魔法使い……。

良ければ御教授して貰いたいですね」


……、にこやかだが、目が完全に笑ってない。

というか、やっぱり転移魔法の事は知られているか。

それにしても、こいつは一体何がしたいんだ?

精神魔法があるから、てっきり俺達を操りに来たとばかり思っていたのだが……。


「ははは、まさかもうそこまで知られているとは。

ですが、こう言ってはなんですが、これは私が長年の研鑽を積んでついにできた魔法であるので、

おいそれとは教えたく無いと思ってしまうのですよ」

「そうですか。そうですね、例え世の為になるとはいえ、時間と研鑽を積んだ魔法は

おいそれと教えたく無い物ですよね。私にもそういった魔法もありますし。

それに、転移魔法が世にでると、便利な事もあれば、悪事に繋がる事も多いので、それが懸命だと思います」


笑顔で拒否する俺に、それが当然だと、アルフレッドが引き下がる。


「それで、話は変わりますが、よければ今晩、一緒に食事をしませんか?

色々とお話を聞きたい事もありますし」

「お誘いは嬉しいのですが、屋敷の様子が心配なので、一度帰ろうと思いまして。

食事も向うで取るので、申し訳ありません」


これは本当だ。元々帰るつもりは無かったのだが、状況が変わった。

最悪の事を想定して、エメラ達に伝えておかなければ。


「そうですか。それは残念です。ですが、転移魔法とは本当に便利な物なのですね。

私も頑張って覚えたいと思います」

「えぇ、是非とも頑張ってください。ですが、あまり簡単に覚えられては私の立つ瀬が無くなるので、ゆっくりでお願いしますね」


軽い冗談を交わし、これを切っ掛けに、アルフレッドが王の元へ戻ると言うので、

話を打ち切る。


「それでは、今晩はいつお戻りになられるか分からないそうなので、与えられた領地に関する資料等はこちらの部屋に運ばせておきますね。それでは、皆さん失礼します」


アルフレッドが部屋から退出し、バタン、と扉が閉まり、魔力探索でアルフレッドが遠ざかるのを確認してから、ポスンッと腰椅子に座る。


「つ、疲れた……」


精神魔法にひたすら警戒した上でアルフレッドの来た意図や王を洗脳した意図をなんとか探れないかと四苦八苦していたせいで、ただただひたすらに疲れた。


「お疲れ様です、ご主人様」


アリスがいつの間にか紅茶を入れて、前に置いてくれる。

ちなみに、フェルは完全に緊張で置物状態になっていた。


「ありがとう、……ふぅ。っていうことで、一旦屋敷に戻ろうと思うんだけど、ミラも戻るよな?」


アルフレッドが来てから、実はミラはアルフレッドをひたすら無表情で見ていたのである。


「うん」

「………、大丈夫か?」


ミラがこんな状態になるのは珍しいな。

やっぱり、色々と考えているんだろうな。


とりあえず、この紅茶を飲み終わったら屋敷に戻るとするか。



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「ただいまー」


屋敷に戻る予定は無かったので、皆驚いていたが、近くにいたエメラダに言って、

大人組を書斎にすぐに集めるように指示をだして、俺達は書斎に向かった。


「全員揃ったか」

「はい」


大人組、総勢17人が入ると、流石に皆で仕事が出来るようにと選んだ書斎が狭く感じる。


「さて、まずは現在の状況を教えてもらえるか?」


俺はエメラに目をやると、エメラが手にした書類を見ながら答えていく。


「正規の奴隷として買った子供達は、多少の争い、いわゆる子供のケンカ等や、悪戯等ありますが

、しっかり勉強も行ない、初期組の子供達も後期組の子達へと優しく教えているので、勉学の方には問題ありません。礼儀作法の方もですが、元貴族のエメラダさんと私が教えており、意欲もあるので

今の所問題はありません」


「最後につれてきた子達は?」


「貴族のディーナさんが少々問題を起こしていますが、それ以外は特に問題を起こす子はおりません。ただ、家族の心配をしている子達は多いですが……」


「ふむ、まぁ予想通りか」


ディーナは絶対に喚くだろうと思っていたが、少々程度ですんでいるならまぁいいだろう。


「マークはどうだ?」


今度はマークに目をやると、マークも手に持った資料をこちらに渡してから、説明に入る。


「現在特許の取れている商品に関しては、各千個づつ発注しており、店舗の方も内装の方も出来上がりましたので、商品ができ次第いつでも販売が可能です。

他にご主人様に頼まれております特許に関しては、審査待ちとなっております。

後は、飲食店の方に関しては、ユーラを筆頭に、エメラ様・アムさんと、マリーさんやヴィーナさん達と言った方々に意見を貰い、内装を少々いじらせて貰いませた。商品に関しては、8割方決まっており、あとは取引先をどこにするか等やご主人様の許可させ頂ければ、店舗で実際に調理等を行ってみて調整をしていきたいと思っています」


マークに渡された資料は俺の指示通りの簿記のやり方でやっているので、非常に見やすい。

もちろん、未だに決まってないことがあるので、空白の所があるが、まぁこのままで問題ないだろう。


「分かった。店舗の方は実際に使っても構わない。取引先に関しては、安いだけではなく

ちゃんとした質の物を用意できる所にしろ。それと、チラシの原案は出来たか?」

「はい、既に」


マークが用意したチラシの原案を見るが、色ペンを渡していたのでカラフルな仕上がりになっている。

謳い文句も「冒険者ギルド長も認めた多彩な料理の店!」なんてあるが、いつの間にギルド長に食べさせたんだよ、っと聞いたら、ルーツ経由らしい。


「そういえば、店名が未だに決まってないな」

「はい、できればすぐに決めて頂きたいのですが……」


店を開くことばかりで、肝心の名前をすっかり忘れてたわ。

さて、どうしたものか……。


「うーん、飲食店は「月光亭」道具屋は「月の明かり」にしといて」


名前の由来はたんに月光という言葉が好きだからだ。


「なるほど、両方ご主人様の月という字をいれているのですね。とても素晴らしいです」


なんか勝手にアリスが勘違いしてるが、まぁいい。


「では、そのように入れさせて貰います」

「あぁ、頼む。そういえば、エメラ。あれから奴隷商に行ったか?」


そういえば、エメラには奴隷を買ってもらおう為に奴隷から開放したのだが……。


「あ、あのですね……、申し訳ないのですが、まだ行けておりません」

「そうか、まぁそちらはまだいい。さて、次はこちらの報告だが。」


俺は席から立ち上がると、一拍をおいて、


「災害級のレッドドラゴンを倒した報酬として10億リアと竜紋章の勲章に加え、1代限りだが、

公爵の爵位を貰った」


「「「おおおおおおおおおお」」」


俺の言葉に、一同が歓声を上げる。


「「「おめでとうございます!ご主人様!」」」


皆から賛辞の言葉を受けると。


「ありがとう」


と笑顔で、返す。


「これで大将も貴族様かー。全然みえねーよなー」


ガハハと笑いながら率直な感想を言うガラドにアリスが叱る。


「失礼ですよガラド。ご主人様は貴族なんかに収まる器ではありません」


なんか、論点ずれてません?


「まぁ、そういうとこで一応領地も貰った。まだ名前だけしか知らないんだけどな」


なんて名前だっけな?


「ガラヴィーゼ領ですね。南西の辺境にある領地です」


アリス俺の代わりに答えてくれるので助かる。


「そりゃまた随分な所を貰ったな」

「うーん、まだ見てないから何ともいえないけど、俺としては逆に色々やりたい放題できるから

ありがたいんだよね」


俺の答えに、「そりゃちがいねぇえや」とガラドが笑う。


さてさて、そろそろ本題に入るとするか。


「まぁ、実は今回帰ってきた理由はこれだけじゃないんだよ」


俺の言葉に皆が不思議そうにする。


「あ、あの?何かあったんですか?」


軽く手を上げて、エメラが聞いてくる。

随分と感が鋭いことだ。


「あぁ、ぶっちゃけかなりやばい。最悪の場合は俺は死ぬから、その時の為に、お前達に色々と引き継ぎや俺の資産を渡したりと後期組に俺の正体を教える事にした」


「「「………」」」


俺の言葉に全員が絶句する。

一体今までの話のどこでそうなるのだろうと考えているのだろう。


アリスも俺の言うことを予想していたのだろう、暗い顔をして俯いている。


「……あー、なんかやらかしたのか?大将」


皆の代表をするかの用に、ガラドが聞いてくる。


「別に俺は何もしちゃいない。していたのは、世界最強の魔法使い、アルフレッド・ウィザードだ」


「「「………」」」


またもや皆、言葉が無くなる。

まぁ説明し易いからいいけど。


「実はな、国王と王子、宰相がアルフレッドによって魔法で洗脳されていたんだ。

だけど、理由が不明でな。国自体はまともに機能していると思うんだが、アリスの実家の件では

かなり不自然な事があったので、何か理由があるとしか思えないんだ」


「洗脳ってまじか?大将でもなんとかできないのか?アリスの姉御の実家の件も気になるんだが」


続けざまに質問してくるガラドに俺は一づつ答える。


「洗脳は本当だ。ちゃんと確認した。なんとかできるかどうかは不明だ。人を洗脳する魔法は今の俺は使えないからな。洗脳されている相手を直接触れて調べれればなんとかなるかもしれないが、相手は国王に王子、そして宰相だ。近くに兵士達もいるし、アルフレッドだって居る。下手な行動はできない。アリスの実家の件は……」


チラリとアリスに視線をやると、アリスが頷くので皆に説明をした。


「なるほど、あのヒューレー家のご令嬢か……。通りでそこらの貴族よりずっと品がいいはずだ」


納得した様子のガラドに対して、他のやつらは、アリスを見て、あわわわと言っている。

女性組なんて皆涙目になっている。


「皆さん。私はもう貴族ではありません。ご主人様の奴隷です。なので、今まで通り接してくれると嬉しいです」


アリスの言葉に、エメラがなんとか「わわわ、わかりました……」と答え、

他の物は首を立てに振る。


「それで、最悪死ぬってのは、アルフレッドとやりあうつもりなのか?」


当然の疑問をガラドが述べる。


「あぁ、最悪な。そもそも本当にアルフレッドが洗脳しているか分からないし、しているとしても

その理由が分からないので、まだなんとも言えないが、俺の勘は間違いなくあいつがやっていると言っている。だから最悪、あいつとやりあう事になる」


そう、最悪な未来だけいつも見せてくる未来視を持つ俺の勘が最悪な結果になると言っているんだ。

そして、俺より遥かに技量も能力も装備もあるあいつと戦えば、勝てる可能性は3割以下だろか。

あいつの知らない魔法に体術等があるので、一応可能性はあるが、純粋な能力じゃ向うが圧倒的に上だしな………。

だから、俺が死んだ時の為に、フィリアの信仰を少しでも回復させて置かないといけない。

なので、人身売買から救った組以外には俺がフィリアの使徒であり、フィリアの信仰を集める事の説明をしなくてはいけない。


「そうか……。大将でもきついのか?」

「実戦経験数が違いすぎる。あと能力も魔法関係は俺より圧倒的に上だし、装備に関しても

世界樹の杖とかフェンリルのローブとかいう卑怯な物を付けてるから、かなりどころか、めちゃくちゃきつい」


俺の答えに、ガラドが納得したという顔をする。


「あぁ、戦闘経験についてはそりゃもう人にも魔物に対してもあっちが上だろうな。

その上、神器まで持ってるとなっちゃ、流石に大将でもきついか……」


あー、これから負けイベントやるみたいな感じになってきた。

負けたら死ぬんだろうなぁ~、嫌だなー。

ドラゴンの時は途中からアドレナリンでまくって興奮状態になってたから良かったけど、

今回はどうなることやら……。


「まぁ、そういうことで、とりあえずエメラに奴隷魔法を後で教えるとして、フィリアの事に関しては今晩の夕食の後に言うからよろしく」


「えっ!?」

「あぁ、分かった」


話についていけたのはガラドとエメラくらいだろう。

そもそも、他のやつらはフィリアの事は食事の際に俺やアリス達と既に話している者達が上げる祈りの言葉で聞いた位だから、未だに理解してないだろしな。


説明したら皆驚くだろうな~と思いながら、奴隷魔法を教える為にエメラを残して、皆は書斎を出て行く。


アリスは当然の様に残っているが、ミラはあれからずっと黙りっぱなしで、皆と一緒に書斎をでていった。

いつもあれだけ騒がしいのが静になると、心配になってくるな……。


はぁ……、一体どうなってしまうんだ、俺の異世界生活……。


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