カジノと奴隷商の真実
活動報告に友人が描いてくれたフェルを貼っています。
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よろしくお願いします。
多くのシャンデリアによって照らされるホールに、光を反射させるように備え付けられた鏡。
窓は一切無く、月明かりも星の光も差す事が無いこの部屋は、まるで日中かの様な明るさだった。
ホールからは、カラカラと回るルーレットの音に、シュッ、シュッと配られるカードの音、コロコロとダイスの転がる音、そして、チップのガチャガチャとした音に加え、ホールの隅で弾く楽曲団の音楽。
ホールは様々な音に包まれていた。
ルーレットを回るボールが止まる音がするたびに上がる声、カードが捲られるたびに起こる歓声、ダイスが転がり終わる度に上がる驚きの声。
カジノを楽しむ人達の声がこの場の雰囲気を知らせている。
だが、その音も声も、4人がホールに入ってから徐々に小さくなり、最後には静まり返ってしまった。
なぜなら、4人のうちの3人が、絶世の美女達なのだから。
一人は綺羅びやかな金髪に、複雑な形をした銀細工に幾つものサファイアを付けたバレッタを付けており、赤い薔薇色の足首まであるドレスは、肩と背中だけではなく胸までも大胆に露出しており、今にもこぼれんばかりだ。腰には、ドレスより少し薔薇を模した物を幾つも着けたベルトを巻いている。両腕にはドレスと同じ色のロンググローブを着けて、ヒールもドレスと合わせた色だ。
そして、薄いピンクのストールを背中を通して両腕にかけており、胸元には、大粒の真珠のネックレスが着けられている。
その姿は、まるで赤の女神といったところだろうか。
対して、青く長い髪を金色の丸い枠の中に宝石で花を模した紐髪を縛って三つ編みにし、肩を通して前に流している。そして、海色のスリットの入ったマーメイドドレスは背中を大胆に晒しており、少なからず、胸元も晒している。海色のロンググローブとヒールに、薄い青のストールは肩にかけている。
胸元には、月を模した金に色鮮やかなラピスラズリが付けられている。
その姿は、青の女神と言っても差し支えないだろう。
そして残るは、美しく輝く白銀の髪をハーフアップにまとめ、鳥の翼を模した銀のバレッタで止めており、毛先にはゆるいパーマがかかっている。ドレスは白のネックラインが大きくカットされた首筋、胸や背中などを多く露出し、丈は膝程になっている。ストールは、真っ白なうさぎの毛を使った物になっており、ヒールは白く、足首には銀細工のアンクレットが付けれている。
その姿は例えるなら、白銀の妖精だ。
男性のみならず女性まで、釘付けにする3人に、本来なら客人に見惚れ、ディーラーとしての仕事を止めてしまう等あってはならない事だが、今はそれを注意する者は誰もいない。
なぜなら、注意する者すらも見惚れてしまっているのだから。
「な、なんか静かになっちゃったよ?」
「お前たちのせいだな」
先程まで、あれほど賑わっていたのが、打って変わって一切の音すらも聞こえぬほどの静寂になってしまったのは、間違いなく、この美少女達が原因だろう。
「わ、私達の?」
戸惑うミラに、俺は呆れた様に正直に話す。
「だって、今のお前達はここの誰よりも美しいからな」
恐らくだが、今ここにいる男性は間違いなくそう思っているだろう。
女性まではどうだか分からないが、反応を見る限り、確実に美しいとは思っているだろう。
「え、そ、っそうかな?」
顔を赤くして慌てながらも上目遣いでこちらを見るミラに、同じようにアリスとミラがこちらを見てくる。
「あぁ、本当だとも」
俺の言葉に、ミラは顔を赤くしつつも「そっか」と満面の笑みを浮かべた。
アリスとフェルも気恥ずかしそうにもじもじしている。
「さて、ウェイターさん。チップにはどこで替えるのかな?」
俺の言葉に、体をビクッと震わせ、慌てて仕事に戻るウェイター。
「あ、あちらになります!」
それを切っ掛けに、ホールはまた様々な音に包まれ始めた。
「それじゃあフェルは遊べないのか?」
俺がお金をチップに交換し終わると、このカジノのオーナーがやってきて、挨拶を人通りすませると、未成年は遊べないと言われてしまった。
この大陸は15歳から成人だから、それだとミラも遊べないはずだが、正確な年齢なんて分からないだろうし、大丈夫だろうが、フェルは明らかに子供なので、完全にアウトだ。
「私はツキヒト様と一緒にいるだけで楽しいから大丈夫です!」
俺達の話を聞いていたフェルが、こんな健気な事をいうので、思わず抱きしめてしまった。
「あぁ、それじゃあ俺が勝てるように応援してくれるか?」
「はい!任せて下さい!」
元気よく、返事を返すフェルに、思わずにっこり。
「アリスとミラはどうする?」
側で待っていた二人にも自由に遊んで言いとは事前に言っているのだが……。
「私はご主人様と一緒をさせてもらいます」
「私はてきとーに遊んでこようかな」
ふむ、やはりそうなったか。
ミラは一人にしておくとナンパがあったりしそうで怖いんだがなぁ。
「アキヤマ様、安心して下さい。当従業員が目を光らせておきますので」
俺の心配を汲み取ったのか、オーナーが頼もしいことを言う。
「そうですか?それじゃあお願いします」
それから俺はチップを入れたカップを持ってまずはルーレットに向かった。
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「すごいです!ツキヒト様!チップがもうこんなに一杯です!」
「さすがはご主人様です」
俺の所持しているチップは、当初の300倍程になっていた。
チップは一枚が銀貨1枚分なので、最初に交換したのは100枚分であり、今では30000枚近く担っている。
もちろん、チップにも種類があり、銀貨1枚が緑 金貨1枚が赤 金貨10枚が金となっており、
カップには金のチップの山盛りが2つと、赤と銀が合わせるとカップが10個を超るので、
俺の後ろには車輪のついた小さな箱にチップを入れたものが積まれている。
「はははは!フェルとアリスの応援のおかげさ!オーナー!ここにいる皆に極上のワインを入れてやってくれ!金はこのチップから取っていってくれ!」
大げさに笑いながらそういうと、俺の周りに集まっていたギャラリーから歓喜の声がホールを満たす。
まぁ、何で俺がこんなに勝つかというと、未来視を使っているからだ。はっきりいってズルだな。
ドラゴン戦で随分と未来視を使ったおかげで、未来視のレベルは6にまで到達していた。
なので、今では最大で1分先まで未来を見ることができるので、ルーレットで負ける事はまずない。
だけど、不審に思われないように、ちょくちょくわざと負けてはいる。
ちなみに、あらゆる可能性が見えると昔フィリアに言われたのだが、今のところまだできていないので、レベルが足りないか、使いこなせていないのどちらかだろう。
「さて、次はカードでもやってみるか。アリスもカードなら勝てるかもしれないぞ」
「頑張ります……」
「あ、アリスさん!ファイトです!」
アリスも一緒にルーレットをやっていたのだが、赤か黒の二択ばかり選んでいるのに、何故か外しまくり、確率的に10分の3程度しか当てれていなかった。
これはアリスには賭け事はさせないほうが良いかもしれないなぁ~。
「うぉおおおおおおおおおおおお、ねーちゃんがまた当てやがった!」
「うっひょおおおおお!乗っかって大正解だぜ!」
「いやいや、たまたまだってー!」
席を立つと、ダイスのゲームをやっている方から歓声が聞こえてきた。
どうやら、ミラも勝っているみたいだ。
今度俺もあのゲームやってみよっと。
「さて、次は俺が一番好きなブラックジャックだな」
ブラックジャックの席は満席だったのだが、俺達が行くと、席を譲って貰えたので、感謝の言葉を言っておく。
「よし、それじゃあいってみますか!」
「今度こそ勝ちます」
「二人とも頑張ってください!」
ディーラーの女性がカードを配ると、今度は未来視無しの真剣勝負で行くことにした。
そして、結果から言えば、大勝だった。
カウンティングすらもしていないのに、この勝ち方は異常だな。
やっぱり幸運+の効果だろうか?
あまりの大勝っぷりにディーラーは心が折れかけているし、オーナーは顔を青くしていたので、
そろそろ引き上げようかと思い、一応最後に大負けしとこうと、ポーカーに行き、大量のチップを賭け、未来視を使ってわざと負けておいた。
「う~ん、運も尽きたみたいだし、そろそろ戻るとするか」
「そうですね……」
「あ、アリス様……」
結局アリスはあれからもほとんど勝つことができず、大敗だった。
「ミラはどうなってるんだろう?」
まだ、ダイスの方にいるのだろうかとミラの方を見ると、あちらもこちらに気づいたらしく、
台車を引きながらこちらに向かってきた。
「ほら、凄いでしょツキヒト君!私、ギャンブルの才能があるかもしれない!」
ちゃんと数えてないが、見る限り、箱2つ分に金と赤のチップが大量に入っており、
下手をしたら俺より多いかもしれない。
「ほー、でもあんまりのめり込まないようにな。ギャンブルってのは偶にやるから面白いんだから」
「分かってるよー!ガラドみたいにはなりたくないしね!」
おぉっと、それを言っちゃガラドが可愛そうだからヤメテあげて!
「それじゃあ、交換して戻るとするか」
「はい」
「はーい」
「分かりました!」
交換所にチップを持っていくと、お姉さんが顔を引きつらせていたが、オーナーが諦めた様に顔を振っていたので、ちゃんと全部換金してくるそうだ。
そういえばと、カジノならゲームでおなじみの景品交換があるかと聞いてみたら、絵画やワイン、魔道具等があるらしく、絵画には興味ないからいらないけど、ワインなら大人組は喜びそうだし、珍しい魔道具とかもあるなら交換してもいいと思い、一通り見せてもらったら、アイテムボックスより容量は少ないが、同じ効果のあるカバンがあったので、それを5個交換し、後は物を冷やす魔道具や物を浮かせる事ができる魔道具等を交換していたら勝った額の半分以上を使ってしまった。
ちなみに現金で言うと、俺が5千万でミラが3500万勝ちだった。
部屋に戻った俺達は、勝利の祝杯を上げてから、軽く風呂をすませると、早々に就寝することにした。
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それから6日後に、最初の着陸する街にたどり着いた。
街の名前は『ヤーゴ』といい、特にこれといった名産は無かったが、地元料理の大熊の
大葉の香草焼きは上手いこと獣臭さを消しており、非常に美味しかった。
それから、一通り街を見て回り、お土産を買うと、アリス達を先に飛空艇に返し、俺は一人奴隷商に向かった。
「これはこれは、よく来られました。私はこの奴隷商のオーナーのブルダイと申します。
本日はどのような奴隷をご所望でしょうか?」
今回来た奴隷商は、ガリガリの60歳くらいのじじいだった。
「とりあえず、全部見せてくれ」
「畏まりました。では男の方から参りましょう」
それから順番に見ていったのだが、この街もピソールと同じシステムみたいだ。
サニースでもそうだったし、もしかしてシステム自体が決まっているのだろうか?
「はい、そうですよ。奴隷商も国で認められていますが、10年ほど前からあれこれと色々とやり方を指導されて困ってるんですよねー」
「ほー、どう困ってるんだ?」
ブルダイは、昔を思い出すように語りだす。
「昔は奴隷の扱いはもっと自由で、わざわざ国に申請を出さなくても奴隷の売り買いもできましたし、買うのも売りに来るの者も多かったですね。扱に関しても、食事も毎日与える必要もありませんでした。暴力が振るうのも好きなお客様もいるので、試しに殴らせて反応を見てから買うか決めるなんて事もありましたなー。やはり、試してからでないと買ってから思ってたのと違ういわれる方も当初は多くて困ったものでしたよ」
なんだろう、今非常にこの男を殺したくなってきた。
だが、今は国の指導を守っているみたいだし、我慢我慢。
とりあえず、最初の一番安いのから順に見ていくのだが、安いところはいつもの様に、薄暗くて汚い部屋だ。これでちゃんと国の指示通りなんだろうか?
その後も全部見て回り、一番安い奴隷達7人と飲食店経験と商人経験がある女一人と男二人に加え、
没落貴族の目麗しい女を二人と、よく働きそうな町娘一人(口減らし)、元冒険者C級冒険者(足に怪我を負い装備の返済が出来なかった為)と一番高額な部屋にいたこちらも元貴族の美少女と美女の姉妹を購入した。
「こんなに買っていただけるとは、ありがとうございます!」
「いや、こちらとしても必要だったのでな」
一通りの作業を終わらせると、俺はふと思った疑問をブルダイに尋ねる。
「そういえば、街には奴隷商は一つしか無いのか?」
サニースにもピソールにも奴隷商は一つしか見たことが無いので不思議だったのだ。
「そうですね、法律で街に奴隷商は一つまでと決まってしまったんですよ。
昔はもっとあったんですがね」
「それじゃあ昔やってた奴隷商達はどうしたんだ?」
俺の問にブルダイは、俺の耳元に顔を近づけると、
「モグリでやっていますよ。大体深夜に街のどこかで行われていますよ」
その言葉を聞いて俺はゾッとした。
まだ、あの街には悲惨な子供達がいるかもしれないという事にだ。
「……そうか。この街にも?」
「えぇ、ありますとも。私達は皆繋がっていますので、売れない奴隷は街の中の別の奴隷商へと回しているんですよ。他の街の奴隷商まで連れて行くのには費用がかかりますからね。」
ブルダイの言葉には思わず納得してしまった、売れないものをいつまでも置いといても仕方ないので、違う場所に置けば売れるかもしれないという考えなんだろう。
これは普通の商売でも行われている事だ。
「そうか、助かった。それじゃあ俺はもう行く」
「そうですか、本日はどうもありがとうございました」
奴隷達にマントとサンダルを履かせると、いつも通りの命令をし、奴隷商からでて、誰もいない路地に向かうと、ゲートを開いて屋敷に繋げる。
「ほら、入れ」
さっきの話を聞いたせいか、若干苛ついた声をだしてしまい、奴隷達が怖がってしまった。
「すまん、とりあえず入ってくれ。そしたら事情を話す」
奴隷達が諦めた様にゲートに入っていき、最後に俺も入ると、既に、エメラとガラドが俺達の前にいたので、そのまま事情を説明して、面倒と教育をする様に頼んでおいた。
「ガラド、ちょっといいか?」
エメラが奴隷達に説明している間にガラドを呼ぶ。
「どうした大将?珍しく苛ついてるみたいだな」
不思議がるガラドに、俺は先程の奴隷商の話をする。
俺の話を聞き終えると、ガラドは小さく「そうか……」とだけ答えた。
「俺としてはその子達も引き取りたいんだが、ガラドは場所の方調べて貰っておいていいか?」
「あぁ、構わねぇえよ」
ガラドの協力を得ると俺はまだ奴隷達に説明中だったエメラを呼び出す。
「なんでしょうか?ご主事様?」
「今からお前を奴隷から開放する」
そういうやいなや、俺はエメラの奴隷紋に触れ、奴隷紋を解除する。
「っえ?」
突然のことで困惑するエメラ。
「エメラ、今から重要な事を言うからしっかり覚えろよ」
「は、はい!」
条件反射で姿勢を正して返事をするエメラに、俺は先程の話をもう一度聞かせると
「ガラドが他の奴隷商を見つけた場合、最低でも子供だけでも買ってきてほしいんだが、
奴隷のままだと奴隷を購入できないから、お前を奴隷から開放した。金はまた増えたからこれを使って買え。後は部屋はどうだ?足りそうか?」
俺が、口早に言いいつつ、大量の金貨が入った袋を渡しすので、エメラは若干混乱しつつも、
「部屋の方は、大人の方も二人部屋にすれば後、60人、いや、今日来た方の分を考えると、44人ならいけます」
「そうか、後、最低でも3箇所奴隷商に行くが、子供以外はなるべく買わないようにしておく、
それと、もし部屋が足りないようなら、適当に家を借りても構わん。判断はお前に任せる」
結構な無茶振りをしているが、エメラならなんとかできるだろう。
「ガラドも他の奴らと協力してエメラを手伝ってやってくれ。あと、跳ねっ返りがいたら実力でわからせてやれ」
「あいよ。任された」
素直に言うことを聞くガラドに、俺は安心して、飛空艇に戻る事ができた。
「後、何かあったりしたか?」
「あったぞ」
俺の問に、ガラドが真面目な口調でこちらを見ながら言うので、何事かと身構えてしまう。
「がき共が、大将がいなくてずっと寂しそうにしてるんだよ。一応言われたとおり、勉強したり、
礼儀作法とかも、まぁ色々頑張っているんだが、よく、ご主人様早く帰ってこないかなーなんていってるぞ」
「お、おう……」
ガラドの言葉に、思わず、子供が寝てから帰ってくる父親の気持ちとはこういう物なんだろうか?
と思ってしまた。
「まぁ、ミリスは早く庭園を見せてやりたいと言ってたし、次に来る時は明るいうちに来て一緒に見てやてくれ」
ガラドが肩をすくめながら、なんだか、母親っぽい事を言っている。
「分かったよ。来週は昼過ぎに一度皆に顔を見せにくるよ。まぁ、夜には、また奴隷商行ってから
戻ってくるから、よろしくな」
アイテムボックスから、ヤーゴの地酒を取り出し、ガラドに渡してからゲートを飛空艇の自室に開けて戻る。
「おう、任された」
ガラドは、ワインを方に、ニカッと笑って俺を見送った。
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「おかえりなさいませ、ご主人様」
「おかえりなさいませ、ツキヒト様」
「おかえりー」
三者三様の出迎えの挨拶に「ただいま」と、だけ返すと。
丁度全員ソファーに座ってお茶を飲んでいたので、先程の奴隷商での事を話すと、ミラが突如立ち上がり、今の話に酷い憤りを感じていた。
「そんな!奴隷の扱いには、お父さんが長い時間をかけてやっと今の状況までにできたのに、
勝手に奴隷の売買をしている所があるなんて!重罪だよ!」
ミラの剣幕に俺達は呆然としてしまう。
「お、落ち着けって、とりあえず、ピソールに関してはガラドに調べさせてるし、
こういっては何だが、恐らく国も黙認している所があると思うぞ」
「そんなのありえないよ!」
興奮したミラをなんとか落ち着かせる事に少々時間を有したが、むくれたままソファーに座る
ミラに説明をした。
「俺はどういった経緯で今の奴隷に対する法律ができたのかは知らないが、元々、奴隷の数が少ない事に疑問に思ってたんだ。単純に奴隷に出す必要が少ない程、この国の法律がしっかりしているのかと思っていたが、税金代わりや、口減らしに売られる子もいるので、もしかしたらもっと居るんじゃないのかと?と、思っていたわけだ。でも、今までは単純に他の人が買っているんだろうと思っていたんだが、今日の話を聞いて、思わず納得してしまったんだよ」
始めに奴隷を買った時に受けた説明に、奴隷は物扱いで、死んでも物が壊れた扱いになる。
だから、奴隷と昔から関わっている人達からしたら、奴隷に対する思考が、俺とひどくずれている事に。
奴隷は消耗品であり、俺の世界でいけば機械みたいな物なんだろう。
だが、機械と違って奴隷は人間であり、毎日必ず食事をさせる必要があるようになれば、当然費用が
嵩んでくる。商売をしている以上、売れるか分からない奴隷にはそこまで費用をかけるつもりはないので、その為、最低値の部屋の子供達は、あまり数も多く置いて置きたくないので、別の売れそうな場所に移して勝手に売買する。
例外は、労働以外の使用方法のある可愛い少女や少年だろう。彼女達は、ちゃんとした食事等を与えられている。
地球も大概に人の命が軽いと思っていたが、この世界は更に人の命が軽い。
とりあえず、現国王は良き方向に持っていこうとしているみたいなので、王都に着いたら、色々話をしてみるのもいいかもしれないな……。
そして、この時の俺は、現在の王宮がある者の手によって、傀儡と化している事を知らなかったのである。
活動報告に友人が描いてくれたフェルを貼っています。
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