アリス
ガバガバ設定
行き当たりばったりなので設定が変わる可能性大
よろしくお願いします
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「うめぇ~」
翌朝、目が覚めると同時におっさんが朝食へと呼びに来た。
テーブルには、薄い肉とレタス・トマトを挟んだパンとコーンスープ・オレンジが置いてあった。
食べている最中に気づいたがどうやらここの食材は、俺の世界と同じものがあることに気づいた。
「今日もいい食べっぷりだね!」
ミーシュが厨房から顔を出す。
ここの飯がうまいからだよ。と言いつつミーシュを鑑定してみる。
ステータス
【 名 前 】 ミーシュ・モーリス
【 年 齢 】 42
【 種 族 】 人間
【 職 業 】 ガリルの妻
【 レベル 】 20
【 体 力 】 200
【 魔 力 】 10
【 攻撃力 】 180
【 防御力 】 60
【 俊敏性 】 40
【 魔 攻 】 10
【 魔 防 】 10
【 スキル 】 料理lv5 裁縫lv3 交渉lv3
レベル20だが、この程度のステータスなのか、俺は武術系のスキルで補正があるからこんなに差があるのか。
しかし、料理lv5か、通理で料理がうまいはずだ。
俺もlv5だからこの位できるだろうか。
「ご馳走様」
食事が終わると荷物を取りに部屋に戻り、荷物を持つと下に戻りカウンターに向かう。
カウンターには親父がいた。
「もう行くのか?」
「そのつもりなんだけど、昨日言ってた隣の街ってのはどう行けばいいんだ?」
昨日、奴隷がいると聞いて信仰復活に使えるのではと思い、奴隷のシステムの詳細を聞きに行こうと考えていた。
「昨日話した街ならサニースって名前だな。東ゲートからでて、街道を歩いていけばあるが、歩くなら6時間くらいかかるな」
6時間か、馬車とかないのかな?
「もうそろそろトトマのやつが行くから、馬車に乗せてもらえるように言ってやろうか?」
「じゃあお願いしようかな」
馬車か、馬車といえば異世界の醍醐味みたいなところもあるし、いつかは乗ってみようと思ってたんだよな。
ちなみにおっさんのステータスは
ステータス
【 名 前 】 ガリル・モーリス
【 年 齢 】 43
【 種 族 】 人間
【 職 業 】 宿屋の主人
【 レベル 】 45
【 体 力 】 450
【 魔 力 】 10
【 攻撃力 】 320
【 防御力 】 150
【 俊敏性 】 88
【 魔 攻 】 10
【 魔 防 】 10
【 スキル 】 剣術lv3 交渉lv3 近接格闘lv3 槍術lv2 料理lv1 罠発見lv1
親父地味に強いな。
このあと、俺は親父に連れられてトトマの所に行った。
途中、広場で昨日あった老人と老婆がいた。
そうだ、ついでに聞いてみるか。
「おや、昨日の人さね」
「ちゃんと宿屋に行けたようさね」
二人が俺に気づく。
「はい。昨日はどうもありがとうございました。
今日はこれから、サニースに行くつもりなんです。
ところで二人に聞きたいことがあるのですが、
女神フィリアを知っていますか?」
老人と老婆が目を瞑って思い出そうとする。
「おぉ!女神フィリア!思い出したさね」
「勇者様達に力を授けた女神さね」
「知ってるんですか!?」
まさか、こんな早くフィリアを知っている人がいて驚いた。
「曾爺さんが、そんな話をしてたさね」
「そういう女神がいたという話しか知らないさね」
この二人の曾爺さんというならかなり昔なんだろうな。
それでもフィリアのことを知っている人がいるとこうことは収穫だろう。
フィリアがこの村に行くように言ったのは、きっとこれが理由なんだと思った。
ちなみに親父は知らないみたいだ。
俺は二人に礼を言うとトトマの所に向かった。
俺達が着くと、丁度トトマが馬車に乗るところだった。
「おーい!トトマー!」
親父が手を振りながら叫ぶ。
トトマはこちらに目を向ける。
「ガリルか。商品の追加か?」
トトマと呼ばれた男は、親父並にガタイが良い。
ステータス
【 名 前 】 トトマ・ワンス
【 年 齢 】 44
【 種 族 】 人間
【 職 業 】 商人
【 レベル 】 56
【 体 力 】 650
【 魔 力 】 50
【 攻撃力 】 420
【 防御力 】 210
【 俊敏性 】 120
【 魔 攻 】 30
【 魔 防 】 25
【 スキル 】 剣術lv4 槍術lv2 水魔法 交渉lv5 罠発見lv1 生活魔法
このおっさんも強いな。
というか、3人とも年齢が近かったけど、幼馴染とかなのかな?
「それで、そいつは誰だ?」
トトマが俺に目を向けながらガリルに聞く。
「こいつは昨日うちに泊まった客だ。サニースに行きたいらしくてな。
お前の馬車に乗せて貰えないかと聞きに来たんだ」
「ほう。問題は起こさねえよな?」
トトマが俺に聞いてくる。
「あぁ、そいつは大丈夫だ。ミーシュが気に入ってるし、悪いやつじゃないだろう」
ミーシュに気に入られてたのか俺。
もしかして、子供にでも見られてたのだろうか。
「ならいいか、俺はトトマだ。商人をしている。この村で収穫した野菜を街に売りに行って、
買出しもしている。サニースへの料金は1000リアだ」
「あぁ、それでいい。俺はツキヒトだ。旅をしている」
俺は財布の小銭入れから、銀貨1枚を取り出し渡す。
「おや、珍しい財布だな。皮は何だ?どこで買った?」
トトマが銀貨を受け取りながら、聞いてくる。
「俺の村で作られた財布だな。素材は牛革だ」
俺の使っている財布は、牛革の黒の折りたたみだが、もしかしてこの世界にはこういう財布はないのだろうか?
失敗したな。
「おいトトマ。そろそろ出ないといけないんじゃないか?」
ガリルがトトマに言う。
「ん、そうだな。まぁ、話は行きながらでもいいか」
それから俺とトトマは馬車に乗って、サニースに向かった。
途中トトマから、服のことなど色々聞かれてごまかすのに大変だった。
街に着いたら服を買う必要があるな。
あと、思ったより揺れた。元々乗り物に弱い俺は、途中で2回ほど吐いた。
正直二度と乗りたくない。
酔わないようにする為の魔法でも考えるか。
街には入り口に着くと門番が立っていた。
トトスは商人用の通行証と思われるものを門番に見せていた。
「んっ?そいつは誰だ?」
門番が俺に目を向ける。
「こいつは、サニースに行きたいっていうから馬車に乗せてやったんだ」
「それでは、身分を証明するものを見せろ」
あっ、そういえばそんなの必要なんだよな。運転免許証じゃだめだろうな
「あ~、持ってないです」
ここは素直に言ってみよう。
「身分を証明するものがないなら入れることはできん」
げっ、まじかよ。
「あー、こいつは冒険者ギルドに入りにきたんだよ。
ギルドもない田舎から来たから身分を証明するような物を持ってないんだ」
トトマが助け舟を出してくれた。
俺はそれに便乗することにした。
「そうなんです。俺の村は、ノーストンよりもさらに田舎で、行商人に冒険者ギルドのことを聞いて、冒険者になろうと思ってここに着たんです」
苦しいか?
「……。ふむ、それならかまわん、身分証明証を持っていない者の通行税は1000リアだ」
少し迷ったみたいだが、OKを貰えた。
もしかして詐欺スキルのおかげだろうか?
俺は門番に銀貨を渡すと、門番から木の板の通行証を渡された。
「そいつを無くせば不法侵入者として罰せられるから無くすなよ」
「わかりました」
俺は絶対に無くさないように、鞄の中に入れるふりをして、アイテムボックスに入れた。
そして広場に着くとトトマと分かれた。
「んじゃ、俺は仕事があるからここまでだ。こんな街でも物取りもいるから大事な物は肌身離さず持っていろよ。
あと、冒険者ギルドはここを真っ直ぐ行ったあの建物だ。宿は冒険者ギルドに聞けばいい」
トトマが指を差す方向に学校の体育館くらいの大きさの建物があった。
「分かった、何から何までありがとう。本当に助かった」
俺はトトマと握手すると、さっそく冒険者ギルドに向かった。
「う~ん。当然あると思ってたけどやっぱり冒険者ギルドってあったんだな」
冒険者ギルドを前に、ちょっとした感動を覚える。
そして、意を決して冒険者ギルドへと入る。
「おぉ……」
思わず感歎の声を出す。
中は3分の2が食事などをする席があり、残りが受付と恐らくクエストが書かれた紙が
貼っている掲示板がある。
2階もあるが、ああいうのって大体高ランクじゃないと行けないんだよな。
席のほうを見ると飯を食べている者、昼間から酒を飲んでいる者がいる。
しかもその中には、頭から耳、そして尻の辺りから尻尾が生えたものがいる。
あれがきっと獣人なのだろう。
じっと見ていると、何人かが俺に気づいて俺のことを見てきた。
俺は慌てて視線を逸らし、受付へと向かう。
受付は、受注と買取・販売と書かれた席が3・2の合計5つあった。
冒険者の申し込みは受注だろうと考え、受注のほうの受付を見る。
3人とも女性で、皆甲乙つけがたい容姿だった。
俺は一番俺好み茶髪のロングの受付嬢のところに向かった。
「すみません、冒険者になりたいのですが」
「冒険者ギルドは初めてですか?」
受付嬢がニコリと笑顔で聞いてくる。
やばい、特別美人というわけではないが、やはり美人には違いないので、
思わずドキッとしてしまう。
「は、はい」
「それでは私、リリス・アルタが説明をさせて貰います。
冒険者にはランクがあり、EからAそしてAの上にSがあります。
初めて登録される方は、Eからのスタートになります。
ランクを上げるには、各ランクが受けられるクエストをこなすとポイントが与えられ、
ポイントが貯まるとランクを上げることができます。
各ランクが受けられるクエストは、クエスト用紙に書かれているのでそちらで確認してください。
ランクを上げる際、B・A・Sには、それぞれ昇格試験がありますのであしからず。
冒険者ギルドに加入しますと、冒険者ギルドでの素材やアイテムの売買ができます。
値段は大体市場の平均となっていますが、粗悪品や買い叩きはないので安心してください。
他に、冒険者ギルドと関係がある街への通行税は、登録された後に渡される、ギルドカードを
門番に見せますと、通常5割引きになります。
冒険者ギルドと提携している武器屋などもあり、そこでギルドカードを見せると最低でも1割引きにできます。
ギルドカードには、名前と現在のランクが書かれています。
あと、特殊な魔法が掛けられていて、今まで倒した魔物の数・クエストを受けてからの討伐数なのが、分かるようになっています。
なにぶん特殊な魔法が使われているので、紛失されますと再発行に1万リアに加え、ランクの降格もする場合があります。
次に罰則についてですが、一般人に危害を加える・街中での冒険者同士での暴力・クエストを受けての放置や妨害・他の冒険者のクエストの妨害・強制任務の不参加のうちどれかをしますと、基本は罰金ですが、最悪冒険者としての資格を剥奪、二度と冒険者になれなくなります。
あと、EランクはDランクに上がるまでに3ヶ月に1度でもクエストの成功させなければカード失効となります。
説明は以上です。何かご質問はあるでしょうか?」
リリスは時々俺の表情を見ながら、ゆっくりと説明してくれた。
話の内容は、たぶん理解できた。
ラノベとかでよくあるルールなので問題ないだろう。
「大丈夫、分かりました」
俺はリリスの顔を見て頷く。
「それではこちらが登録用紙になります。お名前・年齢・種族をお書きください。
登録料は5000リアです」
思ったより高いな。
まぁ、再発行に1万かかるカードが5000ってことはこれでも安くしているんだろう。
茶色がかった用紙に名前・年齢・種族を書いて受付嬢に渡す。
「お名前は、ツキヒト・アキヤマ様ですね。年齢は20歳、種族は人間でお間違いありませんね?」
「はい」
「それでは、登録をして参りますので少々お待ちください」
リリスが立ち上がり奥へと歩いていく。
俺は受付に寄りかかるようにして待つ。
5分ほどでリリスが戻ってきた。
「お待たせいたしました。こちらがツキヒト様のギルドカードとなります。
紛失なさらないようお気をつけください」
リリスからギルドカードを受け取る。
大きさは運転免許証ほどで、上のほうに名前と年齢・種族・ランクが書かれている。
下半分は空白だ。恐らくここに倒したモンスターが登録されるのだろう。
「ありがとう。ところで、宿を探しているんだけど、どこか安いところないかな?」
「安い宿ですね。それでしたら、冒険者ギルドと提携をしている『星見亭』『ノーラン』『ラーフ』があります。
料金は一泊750リア・800リア・700リアとなっています。食事は全て一食500リアとなっています。
私のお勧めは、『星見亭』ですね。こちらのシチューはとても美味しいですよ」
リリスが街全体が描かれた地図を出し、指を差しながら教えてくれる。
「それじゃあ、『星見亭』にします」
「わかりました。ギルドを出られて広場から右に進まれるとあります。
ギルド内でもお食事はできますので、よろしければ今度どうぞ」
そんな笑顔で言われたら、来ざるえないじゃないか。
「それじゃあ明日にでも利用してみますね」
リリスに礼と別れを言ったあと、星見亭へと向かう。
宿はすぐに見つかった。
「すみません、冒険者ギルドの紹介で来たんですが」
入る早々、カウンターの女の子に言う。
「あ、はい!お客さんですね!一泊750リア、食事は一食500リアです。
湯とカンテラは、50リアと100リアになります」
いかにも街娘といった感じの見た目だ。
髪は茶色で腰にまで届く長さ、顔はまだ幼い感じだ。
胸も多少はあるいう感じか、年齢は恐らく12くらいか?
ちょっと鑑定でみてみよう。
ステータス
【 名 前 】 ミミ・アルタ
【 年 齢 】 12
【 種 族 】 人間
【 職 業 】 宿屋の娘
おぉ、やっぱ12か、ってあれ?アルタ?
たしかリリスの苗字もアルタだった気が?
「えっと、もしかして冒険者ギルドにお姉さんが勤めていたりしない?」
「はい!リリスって受付嬢がお姉ちゃんですけど、よくわかりましたね!?」
ミミが口に手を当て、驚く
やっぱり姉妹か。っつーことはここはリリスの実家か。
商売上手だなあの子。
「えっと、顔とか雰囲気がなんとなく似てるかな?」
「へー、顔は少し似ていると言われますが、私のほうがずっと騒がしいって周りに
よく言われますよ!」
うん、まぁ俺も鑑定使わないとわからなかったな。
「そうなんだ。とりあえず、宿は3泊で食事は朝と晩だけでお願い。
あ、3泊目はの食事は朝だけでいいよ」
「はい。3泊とえっと、朝晩の食事で……4750リアになります!」
「あいよ」
俺は財布からお金を出し、ミミに渡す。
「それではお部屋にご案内しますね。あ、申し遅れました、私はミミって言います!」
「俺はツキヒトだ。よろしくミミちゃん」
挨拶するとミミが俺の荷物を持とうとする。
こんな小さな女の子に荷物を持たすのもどうかと思ったが、これも仕事だと言うので、
仕方なしに渡す。
「部屋はこの、204号室です。食事は夜は7時、朝も7時です。
食事の時間になったら呼びに来ますね」
「分かった。ありがとう」
部屋から出ていこうとするミミに、銅貨を1枚渡す。
チップがいるかどうか分からないが、かわいい女の子だとお小遣い感覚で
渡そうと思ってしまった。
「ありがとうございます!」
ミミは銅貨を受け取ると嬉しそうに戻っていった。
「うーん、結構お金使っちゃったなー」
フィリアから貰ったお金は、二日で13750リアも使ってしまった。
必要なことにしか使ってないから仕方ないが、奴隷も買いたいし、お金を貯めないと。
「とりあえず奴隷の値段でも調べに行くか」
スマートフォンで時間を確認したが、アイテムボックス内では、時間が止まっていることに気づき、
カウンターに置いてあった時計を見たら、まだ13時だったので時間を合わせておく。
ちなみにスマートフォンなどの鞄の中身は、アイテムボックスに入れているので、充電はそうそう切れないのだが、時間が止まると困るのでポケットに入れておく。
一応最大4回フル充電できる充電器もあるので、当分切れることもないだろう。
剣以外は全てアイテムボックスに入れているが、鞄を持っているのは、アイテムボックスのカモフラージュの為だ。
1階に降り、カウンターにいたミミに出かけると一言告げると奴隷商に向かった。
実はリリスに宿の場所を教えてもらった時に、地図に武器屋なども描かれていて、その中に奴隷商もあったのだ。
位置はその時覚えた。
奴隷商に向かう途中、露天で串焼きを2本購入。
1本100リアで肉は兎だ。
兎肉は一度食べたことがあるが、正直この兎肉はその時食べたのより美味しくはないが、
不味くもない。
少し街外れのところに行くと、奴隷商があった。
大きさは冒険者ギルドくらいだろうか。
ちなみに、ここに来るまでに適当に鑑定していたら、人間・獣人・ホビットの奴隷を見かけた。
建設系の工事などしているのが大体奴隷だった。
特にひどい扱いは受けてなさそうなイメージだったが、よく見ると背中にミミズばれのような痕があるのに気づいた。
「さて、とりあえずは情報だな。まぁ買う金なんてないしな」
扉を開け、奴隷商へと入る。
中に入ると10畳程度の部屋にカウンターがあり、そこに小太りの男がいた。
ステータス
【 名 前 】 ピーン・コール
【 年 齢 】 38
【 種 族 】 人間
【 職 業 】 奴隷商人
【 レベル 】 3
【 体 力 】 70
【 魔 力 】 50
【 攻撃力 】 40
【 防御力 】 15
【 俊敏性 】 20
【 魔 攻 】 25
【 魔 防 】 20
【 スキル 】 奴隷魔法 交渉lv3
よえぇ……。つか奴隷魔法ってやっぱ奴隷にする為の魔法かな?
奴隷魔法を鑑定する。
奴隷魔法
あらゆる生物を奴隷にする魔法
自分よりも強い者を奴隷にするには、相手の承諾が必要
奴隷になった者は、所有者に逆らうことはできない。
「おや、お客さんですか?今日はどんな奴隷をお求めでしょう?」
ピーンがカウンター越しに話しかけてくる。
「今日は、説明と値段を聞きに来ただけだが、構わないか?」
「えぇえぇ、もちろんです。では、何から説明しましょうか?」
ふむ、意外と良い対応だな。
「とりあえず奴隷についてと奴隷を扱う際の注意点を教えてくれ。
あぁ、奴隷自体についての意味は分かっている」
「わかりました。まず、奴隷は国に認められています。
奴隷魔法以外での奴隷は認められません。
奴隷魔法を使われた奴隷は、胸に奴隷紋が刻まれます。
こちらは魔法で見えているだけなので、解除すれば消えます。
奴隷魔法で奴隷となった奴隷は、所有者には絶対に逆らうことはできません。
どんな嫌なことでも、身体が勝手に動きます。強い魔法抵抗力と意思を持つ者なら、
多少は反抗できますが、身体に激痛が走るのでやはり無理ですね。
奴隷は所有者の道具なので、最悪殺しても罰せられることはありません。
奴隷の場合は、死んだのではなく、壊れたという扱いになりますからね。
奴隷を解放する場合は、奴隷商にて行います。
たまに、奴隷と結婚しようとする人もいるのですが、奴隷のままだと結婚できないので、
解放する人や、十分役目を果たしたので解放する人もいます。
奴隷についてはこの位ですね。
次は注意事項です。
奴隷は所有者の財産に当たるものですので、ご自分以外の奴隷に怪我をさせますと、所有者の方に罰金等を払わなくてはいけません。
こちらの方は、所有者との話し合いで決まりますが、それでも無理な場合は、国を交えての話し合いになります。
そうなると、最悪二度と奴隷を買えないどころか、大変大きな罰を与えられる可能性もあります。
なので迂闊に街中で奴隷を殴る等をしないことをお薦めします。
奴隷を使っての犯罪も所有者の罰となりますので、お気を付け下さい。
説明は以上です。もし何か疑問があればいつでもお聞き下さい」
大体は予想通り。
だけど奴隷を利用して相手を貶める方法があるなら、気をつけなくちゃいけないな。
「分かった、そうさせてもらう。次は奴隷の値段だな」
「分かりました。値段の方は、実際に商品を見ながら説明したほうが納得しやすいと思いますので、
ささっ、こちらにどうぞ」
ピーンがカウンターから出ると隣のドアを開け俺に入る用に薦める。
聞きにきたといったのに、うまくいけば買うと思っているのだろうか。
そんな金ないっつーの、まぁどんなのか位見ておくか。
俺は言われるままにドアの向こう進む。
そこには5つのドアがあった。
「一番右の部屋から左へと順番に質と値段が上がって行きます。
まずは一番右から行きましょう」
ビーンの後についていく。
「では、こちらが1000から5000になります」
部屋の中は薄暗く、部屋の真ん中程に鉄格子が横の端から端まであり、まるで檻のようだった。
糞尿のような臭いもあり、正直今すぐ出ていきたい。
「おい!お前たち!立って一列に並べ!」
のそのそと横になっていた者達が鉄格子の前に立つ
全員で5人、もはや服としての機能を一切果たしていないというボロボロの布を纏っていた。
歳は皆若そうだ。一人を鑑定してみると8歳だった。
内訳は、♀の獣人が二人、人間の女の子一人、ホビットの女の子一人だ。
「ではまず右から順番に説明します」
と、ピーンが説明順番に説明していったが、正直頭に入ってこない。
かわいければロリでも全然いけると自負していたが、こんな状況の女の子の裸を見ても
全然興奮できなかった。
やばい、本気で帰りたくなってきた。
俺はとりあえずピーンの話に適当に頷いていたが、ピーンは俺がこの部屋にはたいして興味がないと感じると次の部屋に行きましょうと言う。
「こちらは、2万から5万になります」
次の部屋は、鉄格子も無く部屋も明るく皆椅子に座っていた。
恐らくさっきの部屋は売れたらいいレベルの物だったのだろう。
ここからが、本当の商品としての場所なのだと思った。
「ほら、お前たち一人ずつ挨拶しろ」
俺の前に立った女性達は、右から順に名前と年齢と特技を説明していく。
容姿は、皆どこにでもいるようなのばかりだった。
服はバスタオル位の大きさの布を頭から被り横を端に付けられた紐で結んでいる。
その為、横から見ると横乳が見える。やばい、勃ちそうだ。
年齢も15から28だ。
「彼女達は全て非処女なので、この値段となっております」
なるほど、通りで安いと思った。
非処女は相当美少女でない限りいりません。
童貞なので初めては処女がいいんです。
「う~ん、非処女はいいかなぁ~」
「そうですか。それでは次に参りましょう。次は全員処女ですよ」
こちらは5万から20万になります。
次の部屋に入り、また女性達が横に並び自分の説明を始める。
今度は一人そこそこかわいい少女がいた。
年齢は12歳だ。だが、特別かわいいというわけではないな。
気持ち的には最初の部屋の子供達とこの子を買って養ってあげたいという気持ちがあるが、
養うには甲斐性が必要だ。
それがない今の俺には無理だし、俺にはやらないといけないことがあるので、今は諦めよう。
「というか、全て女だが男はいないのか?」
てっきり男もいると思っていたがいないのだろうか?
「男ですか?てっきり、奉仕用の奴隷を求めているのかと思ったのですが違ったのですか?」
なるほど、そういうことか。
「いや、今回は奴隷全ての値段を知りたかったのだから男も含めて良かったんだ」
「そうですか。1階は全て女なので、見終わりましたら2階の方にも行きましょう」
そして次の部屋に入る。
こちらの部屋は少々豪華な感じがする。
身にまとっている布の素材は先程までの物より高価な感じがする。
「こちらは20万から50万になっております」
ピーンが言うよりも先に、俺たちが入ってくると同時に全員横に並んでいた。
数は7人。
容姿は全員非常に良い。
最低が学年に一人いるレベルの容姿で最高が、日本基準だが、アイドルや女優などといったレベルだ。
中には非処女もいます。と、ピーンが付け加える。
どうやら、一番容姿が良い順から4人非処女だそうだ。
それでも一番容姿が良い者は最大の50万だった。
ちなみに一番安いのは、非処女の学年に一人レベルの子だ。
「ふむ、大体値段は分かった。では次に行こう」
このままここにいたら買いたくなるからね。
金がないから買えないけど。
「分かりました。では次は2階行きましょう」
「ん?まだもう一部屋あるぞ?」
順番的に最後がものすごい美女がいるのだろう。
買えはしないが、目の保養に見てみたい。
「あ~、本来あそこは一番高額商品を置いとく場所なのですが、
今は事情があって、わけあり商品を入れているんです……」
「ふむ?まぁいきなり噛み付いたりしないだろう?構わんから見せてくれ」
わけありと聞くと興味が沸くのは俺だけだろうか。
ピーンは、しぶしぶといった感じで次の部屋に向かう。
部屋の中はまさに豪華といった感じだった。
天井には小さなシャンデリアな様な照明があり、敷かれている絨毯も真っ赤に金色の刺繍が施されていた。
ソファもすごく高そうだ。
そして、そのソファには、一人の傷だらけの女が座っていた。
「……っ」
その女を見て俺は思わず息を飲んだ。
「あの商品はとある貴族の娘でして、歳は15、容姿も非常に素晴らしく、髪は金糸の様な綺麗さに腰にまで届く長さ。
女で特に手入れもせず、あの長さの髪をあの美しさで維持できる人はそういません。
体型も見ての通り胸も大きく腰は細く、腕も足も程良い肉付きで性格も良く教養も申し分なく、さらに処女!
商品としてこの上ない状態だったのですが、
没落し借金の肩として奴隷に落とされた際に、奴隷オークションに出品される予定だったのですが、
オークションの行われる街に移動する際に、馬車が魔物に襲われその際に大怪我を負い、
あのような容姿になってしまったのです……」
女の顔は額の右上から顎へ、左目の上から頬へ、引っかかれたような傷があり、
腕にも足にも噛まれた様な傷跡があった。
「本当なら、オークションで1000万以上で売れるだけの容姿だったのですが、
今では誰も買い手がおらず、回り回ってうちにきたのです」
「ん?お前がこの女を買い取ったのか?」
「いえ、うちの一族は皆奴隷商でして、どこも売れないので順番に店を回っているんです」
なるほど、違う場所にいけば売れるかもしれないと思ってか。
「はぁ、顔だけの傷なら袋でも被せて身体だけ使うこともできるのですが、
身体のほうもあの通りなので、誰も買わないんですよ」
ふむ、たしかにあの身体ならそれでも全然いけるだろうが。
「ちなみに値段は?」
「5万リアです」
「ふむ、思いの他高いな?」
「傷だらけとはいえ、身体付きはいいので……」
ふむ、これはいけるか?
「だが、それでも誰も買うことなくこの店まで来たんだろう?
今まで一体何件回ってきたんだ?」
「10件です……」
「10件も回って誰も買わないのなら、捨て値で売るくらいの気持ちでいかないと
売れないと思うぞ?それに、ああいういわくつきってのは持っているだけで、
どんどん運が悪くなっていくもんだ。
なんか心当たりあるんじゃないか?」
ピーンが考えるように顎に手を当てる
「はっ!そういえば、こいつを引き取ってから一番安い商品が二人ほど急死しました!
それに最近店の売上も悪いです!」
「もしや他の客にもこいつを見せたんじゃないのか?」
「えぇ、お客様みたいな好奇心をお持ちの方も少なからずおられますので……」
「たぶんそれが原因だな」
「えっ!?」
ピーンが驚く。
「よく考えろ。お前が客ならこんな商品扱っている店で商品を買いたいと思うか?
俺なら買いたいと思わないぞ?なぜなら、こんな商品を扱うならもしかして他の商品も
何かあるじゃないか?と勘ぐるからだ」
ピーンがはっとした表情になる。
「恐らく今までこいつを見た客は、他の客にもこのことを話しているはずだ。
だから最近売上が悪いんじゃないか?」
「そ、そうかもしれません……」
ピーンが顔を青くする。
この調子なら行けるかもしれん。
「だからこいつはさっさと捨て値でもいいから処分したほうがいいと思うぞ」
「そ、そうですね……。ですが、例え捨て値でも買う人がいるかどうか……」
「俺が買ってやる」
「えっ!?」
ピーンが驚きながら俺の顔を見る。
「な、なぜですか?」
「こいつの境遇が面白いからだ」
「境遇……、ですか?」
訝しながら俺のことを見るピーン。
「あぁ、こいつの境遇は面白い。きっとこいつは、容姿や性格、教養などからそれはもう、
大切に育てられたのだろう?
それが家が没落し、奴隷として売られようとしたら魔物に襲われひどい容姿になり、
そして誰にも買われることもなく、周りから煙たがられる存在になった。
これが面白くなくてどうする!」
俺は興奮した様にピーンに語る。
ピーンはそんな俺に狂気でも感じているようだ
もちろんこれは、この女を買うための演技だ。
「そ、そうですか……、では、3、2万リアでどうでしょうか?」
一気に減ったな。
だがまだ高い、俺の所持金は20478リアだ。
ギリギリだがそれじゃあ駄目だ。
「高い」
「そ、そうでしょうか?5万が2万なのですが?」
「何を言う。元々5万で誰も買わなかったものだぞ?
5万何なんて値は無かったもの同然だ。
第一、2万でもお前はこいつが欲しいと思うか?
こんな厄災を振りまくやつを!」
最低でも1万5千にしたいな。
「そ、そうですね……。正直、このままこいつを置いていたら、
店が潰れてしまう気がしてきました……」
ピーンが額に汗を垂らしながら考える。
そして、意を決した様に顔をあげる。
「では、5千でどうでしょうか!」
「買った!」
予定よりも1万も安くなった。
どんだけ疫病神に思ったんだよ。
「では、お客様の気が変らないうちに終わらせてしまいましょう!」
逆にお前の気が変らないかと心配だぞ俺は。
俺はすぐ様、金を出すとピーンに渡す。
「おい!立て!」
ピーンが女に怒鳴る。
というか、今まで全部話を聞いていたはずなのに微動だにしなかったなこの女。
女が立つとピーンは、女の胸元にある奴隷紋に指を当て、指に魔力を集めている。
すると、奴隷紋が光りだす。
「ささ、お客様。所有者を上書きしますので、こちらに指を当てて下さい」
俺は言われるままに、女の胸元に指を当てると、指から魔力が吸われるのを感じる。
量的には極小だろう。数値的にいうならおよそ5くらいか。
この世界の人間は今まで鑑定した結果、最低でも魔力が10あるので、
だれでもできるのだろう。
胸元の奴隷紋が一際輝くと、光が収まる。
「これで無事上書きは終わりました。
これで、こいつはお客様の奴隷です」
「そうか。悪いが安いのでいいから、靴と服をくれ。
さすがにこのままでは連れていけん」
「分かりました。服も靴もこちらでの販売も行っていますので、
すぐにお持ちします」
ピーンが部屋に置いてあるベルを鳴らすと、すぐに若い女がやってきた。
「おい!今すぐ服と靴を持って来い!一番安いのだ!」
ピーンが若い女にいうと若い女はすぐさま部屋を出ていく。
「あ、服と靴は合わせて3000リアになります」
俺はピーンに金を渡す。
合計8000リアか、これでも予定より7000安いしいいか。
若い女が戻ってくると、すぐに服と靴を履かせる。
服はドイツの民族衣装みたいなやつだ。
胸が大きいので、凄いことになっている。
スカートはほ足首くらいまでの長さだ。
「ではいくぞ」
女は傷のせいで目が見えないので、若い女に連れられて、俺に付いて来る。
そのまま、ピーンに見送られ俺達は奴隷商を後にした。
さすがにこのままだと駄目だと思い、俺は上着を女の頭に被せ
顔を隠すようにした。
身体の方は服で隠れているので問題ない。
俺は女の手をとり、そのまま街の外へと向かった。
「止まれ!身分証をだせ!」
門番に止められ、作ったばかりのギルドカードを見せる。
「よし、出ていいぞ!通行証は持っているな?
入る際は、ギルドカードと通行証の両方の提示が必要だ。
そちらの女もだせ」
「あぁ、こいつは俺の奴隷なんだ。さっき買ったばっかりでな」
なるほどっと門番が言う。
「奴隷にも通行税はかかる。支払いはもちろん所有者のお前だ。
料金は奴隷一人につき200リアだ」
随分安いなと思ったが、あくまで物扱いだからだろうな。
俺はまた街に戻ってくるので、先に金を払い、奴隷持ち用の赤い通行証を貰う。
しばらく街道を歩き途中で街道から離れる。
ちなみに、定期的に街道やその周りを騎士団や冒険者達が見て回り、
魔物を狩るので、森やダンジョンにでもいかない限りそうそう魔物はでないらしい。
ある程度離れて魔物をいないのを確認したら俺は立ち止まる。
スマートフォンを取り出し時間を確認する。
丁度3時になったところだ。
2時間も奴隷商に居なかったのか。
それにしても、うまいこと買えてよかった。
結構適当なこと言ってたつもりなんだが、詐欺スキルのおかげだろうか?
「座っていいよ」
俺は女に座る様にいう。
女は素直に地面に座る。
下にハンカチでも引いてやれば良かっただろうかと思ったが、浄化があるからいいかと
考える。
俺も地面に座り、改めて女を見て、鑑定をする。
ステータス
【 名 前 】 アリス
【 年 齢 】 15
【 種 族 】 人間
【 職 業 】 ツキヒト・アキヤマの奴隷
【 レベル 】 1
【 体 力 】 60
【 魔 力 】 150
【 攻撃力 】 30
【 防御力 】 20
【 俊敏性 】 30
【 魔 攻 】 120
【 魔 防 】 100
【 スキル 】 火魔法 水魔法 風魔法 回復魔法 探知魔法 魅了- アイテムボックス
実は正直、最初買うかどうか悩んだが、ステータスを見て買うことを決意した。
恐らくこの女の子は魔法の才能があるのだろう。
しかも貴重なアイテムボックス持ちだ。
きっと育てればすごいことになる。
魔法やアイテムボックスが使えることを知られていなかったのは、
恐らく彼女と彼女のご両親が必死に隠したのだろう。
隠した理由はいくつか想像はできる。
「君の名前はアリス。火魔法、水魔法、風魔法、回復魔法。
それに、アイテムボックスも使えるね?」
ひたすら無表情を貫いてきたアリスが、初めて驚いた様な表情をした。
「俺が君を買った理由はそれもあるが、正直そんなことはついでだ。
君にはやってほしいことがある」
アリスが無表情でこちらに顔を向ける。
「俺は今から君のその怪我を治す。正直一度で全て治せるか分からないが、
ちゃんと全部治すことを約束する。だから、その怪我が全部治せた際には、
俺の話を聞き、信じて俺の言うことをして欲しい。
なんだったら解放だってしてあげる」
アリスは俺の顔をじっと見えない目で見つめる。
「……、無理です……。あなたの言った通り私は回復魔法が使えます。
つまり回復魔法の事には詳しいんです。回復魔法は万能ではありません。
はるか昔、神々の居た時代では、欠損した部位すらも治す回復魔法があったみたいですが、
今では、せいぜい骨折を直したり、大きな傷を塞ぐくらいしかできません。
しかも、それができるのは、聖女様や教会の枢機卿様やほどの修練を詰んだ方しかできません。
そんな方でも、私の様に時間の立ったこの傷を治すことなんてできません!」
そうか、昔は欠損した部位だってちゃんと治せたのか。
ならいけるだろう。
「だから……、変な期待なんてさせないで下さい……」
アリスが俯く
きっと目に傷を負ってなければ、涙を流していただろう。
「じゃあ、俺がその傷を治すことができたら俺を手伝ってくれるかい?」
アリスは返事をしないまま俯いている。
「沈黙は肯定だと取るよ」
正直できるかはわからない。
だが、できると確信はある。
俺の持つ未来視は直感と勘のスキルの上位互換だ。
つまり、俺ができると感じたら、それは高確率でできるということだ。
もちろん失敗する可能性だってある。
だが、どうせデメリットなんてたいしてないしな。
だけどやるからには成功させる。
「……ふぅ」
俺は大きく息を吐くと目を閉じ、集中する。
身体に流れる魔力を感じ、その感覚を外へと伸ばす。
大気には魔力が満ちている。
今から俺が使う魔法は間違いなく俺の魔力では絶対に足りない
なら、外から持って来ればいい
フィリアは言っていた
魔法は身体に流れる魔力を使うか、大気に溢れる魔力を使うかと
大事なのはイメージ
俺は既に魔法が使える
つまりやり方は間違っていなく、それは自信に繋がる
自信があればイメージした魔法の成功率を上げる
だからひたすらイメージする
大気の魔力が俺に入ってくるのを感じる
俺はアリスの額に手を当てる
アリスの傷は時間が立ってしまっている
俺にはこの傷を治すイメージができない
怪我を仕立てとか欠損なら細胞を集めるイメージでできるかもしれない。
だが、こんな傷跡を治すイメージができない。
なので、怪我をする前の状態に戻すイメージをする。
時間逆行の魔法
アイテムボックスは空間魔法だ。
しかも、アイテムボックスの中では時間が止まる。
つまり時魔法でもある。
だから絶対に成功する。
ひたすらイメージ
傷をビデオを巻き戻す様にイメージ
俺の持つ魔力は一瞬で無くなった
そして、大気から俺の中に入る魔力も入る傍から無くなっていく
俺はどんどん魔力を俺の中に入れる
身体が熱くなる、まだ全然成長していない俺にはこれだけの魔力を容れる器がないのだろう。
熱で頭がクラクラしてくる。
それでも俺は、ひたすらイメージする。
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「んぁ……?」
何か柔らかい物に頭を乗せているようだ。
とても気持ちよく、いつまでも寝ていたい気分だ
寝ていたい?
「はっ!?」
俺は、カッと目を開け慌てて身体を起こす
「きゃっ!」
と、かわいい声が聞こえた。
俺はそちらに目を向けると、女神かと見間違う美少女がそこにいた。
髪は金糸の様に美しく。卵型のスッキリとした輪郭、瞳は青、大きすぎず小さすぎない
目や鼻そして、リップでも引いているかの様な薄ピンクの綺麗な唇、
全てがまさに完璧という様に顔に整っていた。
「き、君は?」
答えは分かっているが、聞かずにはいられなかった。
「私は……私は、アリス。ご主人様に買われた奴隷。
散々、私を苦しめ絶望させた傷を治してくれた神の様なお方です」
俺は呆然としかできない。
「傷を治して下さり……、心から感謝します……」
そういとアリスは、泣き始めた。
30分程でアリスは泣き止んだ。
俺は持っていたハンカチ(浄化済み)を渡し、それで涙を拭いていた。
「えっと、もう大丈夫かな?」
「はい。お見苦しい物を見せてしまい、申し訳ありません」
アリスは深々といった感じで頭を下げる。
「いや、別に構わないよ。それより確認したいことあるからちょっとまって」
俺は、スマートフォンを取り出すとカメラを起動した
「ちょっとこっちに顔を向けて」
アリスがスマートフォンに顔を向ける。
画面越しでもやばいくらいの美少女だ。
俺はドキドキしつつシャッターを押す。
「きゃっ!」
アリスはフラッシュに驚きの声を上げる。
「あぁ、ごめん。えっと、とりあえず君の顔はこれであってるかな?」
俺は撮った画像をアリスに見せる。
「な、なんですかこれは?」
「これは、えーっと空間を切り取る魔法のアイテム?かな?
とりあえず、切り取ったからって顔が無くなったりしてないから安心して」
「は、はい」
アリスはまだ、納得していないのか、驚きが収まってないのか分からないが、
画像をじっくり見る。
「これは、私ですか?」
「あれ?もしかして、治すの失敗した!?」
やばい、成功したと思ったがもしかして全然違う顔になってしまったとか?
「あ、いえ!間違いなく私で。鏡で見るのと違ってこの中の私は止まっているので
驚いたのです!」
あぁ、なんだびっくりした。
「んじゃ、治療は成功かな?」
「はい。身体の傷の方も全て無くなっていました」
「そっか、よかった」
本当に成功して良かった。
あそこで失敗したら格好悪すぎる。
「この度は奴隷である私の為に本当にありがとうござした。
私はこれから私の持てる全てをつぎ込み、ご主人様の為に働かせて頂きます」
アリスは座ったまま、頭を地面につけ、所謂土下座で俺に感謝の言葉を述べる。
恐らく俺が座ったままなので、俺より頭を上にしないためだろう。
「あー、いいからいいから。えっと、とりあえず暗くなってきたし街に戻ろう。
いくらの辺が安全だからって、夜には魔物が出るかもしれないから」
そういえば俺、この世界に来てから一度も魔物と会ってないな。
俺は立ち上がり、アリスに手を差し伸べる。
アリスは躊躇した後に、意を決したように手を取る。
俺はそのままアリスを立ち上がらせ浄化の魔法をかける。
アリスはいきなり現れた光に驚く。
「あ、あの。今のは一体?」
「今のは浄化の魔法。服汚れちゃったから綺麗にしたんだよ」
「そ、そんなことができるのですか!?」
「え、むしろ皆できないの?」
あれ、この程度誰でもできると思ったんだが違ったのか?
「すみません。私は魔法は使えはしますが、回復魔法以外あまり才能が無いので詳しく無いのです……」
アリスが申し訳なさそうに言う。
「あー、気にしなくていいから。ともかく一旦街に戻ろう。
あと、悪いけど街に着きそうになったらまたこれ頭にかぶっといてくれる?
門番にばれると面倒かもしれないから」
俺は来るときにアリス頭に被せていた上着を渡す。
「分かりました」
アリスが上着を受け取るのを確認すると、街へと戻ろうと歩き出すと、
身体がふらつく。
恐らく、無茶な魔法の使い方をしたせいだろうか、身体が思うように動かない。
「あれ?」
ふらつく俺をアリスがすぐに支える。
「大丈夫ですか、ご主人様?」
アリスが俺のそばにくると、女の子独特の香りがして、
思わず硬直する。
「っ!だ、大丈夫。えっと、身体が思うように動かないから……
良かったらこのまま支えてくれないかな?」
「何を言っているのですかご主人様。私は、ご主人様の奴隷です。
ご主人様の為ならいくらでも杖代わりになりましょう」
おぅ、なんかすごいことになったな。
俺はそのまま、アリスに支えられながら街へと戻った。
とりあえず女の子を出すところまで行きました
次からはもっとゆっくりペースになると思います