マンティコア戦①
ガバガバ設定
行き当たりばったりなので設定が変わる可能性大
誤字脱字報告
よろしくお願いします。
南の森に着いた俺達は、各自最後の装備チェックを開始し、
一通り終わるとグランドがそれぞれの役割を確認する。
「まずはミールが先行し、索敵をする。マンティコアを発見したら、俺、アレッド、ルーツ、ミール、ユリーカ、ツキヒトの順で進むが、ツキヒトはいいか?」
「はい」
「マンティコアは可能な限り1匹ずつ引き寄せ、撃破するが事前の情報だと十中八九集団で行動しているだろう。
なので、今回は無詠唱で魔法を使える、ルーツとツキヒトが要となる。二人は動き回るマンティコアに魔法を当てる事はできるか?」
「できる」
「はい、追跡する攻撃魔法もあるので問題ないです」
「なに!?そんなことも出来るのか!?」
「え、えぇ」
「……、良ければ今度教えてくれないか?」
「あ、いいですよ」
「恩にきる」
ホーミングが出来ると知って、ルーツが食い付いてくる。
「もういいか?」
「あぁ、済まない」
「よし、それではツキヒト。先程の言葉からすると、相手を追跡する攻撃魔法が使えるということだが、威力はどの程度だ?」
「えーっと、一角タマス程度なら一発で倒せます。ただ、あまり早い速度での追跡にすると、曲がったりするのが難しく、木々や地面等に当たって威力が減衰したり、最悪こちらに来る場合もあります」
「一角タマスを一撃か……それならマンティコアも一撃でいけるかもしれんな。ただ、こちらにも被害が来る可能性があるとなると使いづらいな」
「あ、その程度の威力なら俺の障壁で防げるので問題ありませんよ」
「……、なるほど。確かにこれは規格外だな」
「そう言っただろう?」
「え?」
なんか勝手に納得されたんですけど?
「一応言っておくがツキヒト、一角タマスを一撃で倒せる魔法使い等そうはいなし、そんな攻撃を防げる者もそういない。私はできるがな」
「へぇー」
「常識知らずな所も本当のようね」
おう、なんか酷い事言われてるぜ。
でも、なんかこのやりとり懐かしいな。
「話を戻すぞ。二人が一撃でマンティコアが倒せる事は分かった。だが、数は最低でも15を超える。
最悪その全てがこちらに来た場合、魔法を使っている二人を俺達が守らなければならない。
ユリーカは最低でも自分と二人を障壁で守れ。魔力がきつければ気にせず魔力ポーションを飲め」
「分かったわ」
魔力ポーションとは、魔力を回復するポーションで、通常の回復ポーションの10倍の値段をする。
錬金術を覚えている俺も材料さえあれば作れる。
「俺とアレッドはお前達を守りつつ、隙を見つけて攻撃をする。ミールは遠くの敵を牽制し、近づけないようにしろ」
『わかった』
「ルーツ、ツキヒト、最初に言ったがお前達はこの戦いの要だ。お前達の事は俺達が絶対に守りきる。だからお前達は安心して攻撃しろ」
「あぁ」
「はい!」
グランドが立ち上がると、続けて全員が立ちあがる。
「それではお前達、いくぞ!」
『オー!』
やばい、なんかこの如何にも冒険者っぽいやりとりに感激してしまう。
いつもは俺が仕切っていたし、ガラドには色々教えて貰ったが、各自が強すぎるから一緒に戦うって事、今までなかったんだよなー。
------------------------------------------------------------------------------------------
森に入ると皆言葉数が少なくなり、ピリピリとした雰囲気で進む。
本来なら、こんな森の入り口から警戒心を高くして進む事はないのだが、
今回はかなり浅い所にマンティコアがいるという事なので、最初から警戒心全開だ。
30分程進んだ所で、俺の前を歩いていたユリーカが止まる。
どうやら先行して進んでいたミールがマンティコアを発見したみたいだ。
ミールがこちらに戻ってくると、回りを警戒しつつ、皆が集まる。
「マンティコアを見つけたわ。数は見える位置で3、音から察するに少し離れた所にも何匹かいるよ」
「ふむ、3匹か。一匹づつ引き寄せれるか?」
「無理。近すぎる」
「なら、離れたマンティコアが集まる前に3匹を一気に片付けるか」
「あの、探知魔法は使わないんですか?」
俺達魔法使いがいるのに何故目視と聴覚のみの索敵なのか分からず、質問する。
「マンティコアは魔力に敏感でな、探知魔法を使うと一発で場所がばれてしまうんだ」
「へぇー、じゃあ魔力探索で調べましょうか?」
「……、魔力探索とは何だ?」
「えっと、大気中に魔力って漂ってますよね?それを伝って周りを探知する物なんですけど、これは魔力を一切使わずに出来る物なので見つからないと思います」
『……』
おっと、予想通り皆黙ってしまったな。
ガラドにもこれを教えた時、黙ってしまって、最終的には「まぁ大将だしな……」と言われてしまった。
「……、それはどの程度の精確差だ?」
「これは探知魔法と違って精確に形は分かりませんし、範囲を任意の方向、最大120度くらいでしょうか、距離はやる限りずっとですね。ですけど、魔力はちゃんと感じ取れるので、魔力の大きさと数はちゃんと分かります」
「そうか。一応確認しとくが、本当に一切魔力を使わないんだな?」
「はい」
ただ魔力を伝っていくだけだから魔力を使う理由が一切無い。
そもそも大気の魔力は一つであり、星を一周するように魔力吸収をして、エアスポットでも作らない限り世界中に繋がっている。
ちなみにこれはエメラもまだ使えない。
「分かった。ではツキヒトの魔力探索で数と場所を確認した後一番数が少ない場所に移動し、ミールに目視でもう一度確認して貰う。
「分かった」
「分かりました」
魔力探索では形が分からない以上、どちらを向いているか等も分からないので目視の確認は必要だ。
「それではやります」
俺は目を閉じ、集中して大気中の魔力を探る。
ミールが探っていた方向、約100m先に3つの魔力がある。
これがマンティコアの魔力だろう。
その30m先に2匹、左に2匹、右に2匹、50m先、左前方に5匹、前方に3匹、右前方に3匹に全て同じ魔力を見つける。
他に魔力は感じないので、マンティコアのみだろう。
「数は全部で20匹、場所はこうです」
俺は地面に大まかな場所と数を描いていく。
「20匹か、多いな……」
「そうだな。これは連戦だときついな」
「そうだね。私も矢の数には限りがあるし……」
「20匹を相手にするには、私の魔力では難しいな」
「私も連戦だと魔力が絶対足りないわ」
マンティコアの強さが分からないが、Aランクパーティーの人達が言うなら、20匹は相当きついみたいだ。
「あの、矢と回復ポーション、魔力ポーションなら俺在庫ありますよ」
『え?』
俺はアイテムボックスから自作の矢とポーション類を出す。
『おぉ……!』
矢は鏃が鉄の物が1000本、ポーション類は、低級、中級、上級が各100本づつある。
「これ、全部俺の自作なんですけど、矢に関しては俺、素人なんで出来が分からないんですが」
「じ、自作?上級のポーションも作れるのか?」
「す、すごい……」
「これだけでちょっとした一財産よ……」
「錬金術まで出来るとは……さすがだな」
「お前、本当に何でもできるな」
あぁ、そういえばポーションは上級なら結構な額になるんだっけ?
使わないから気にしてなかったわ。
練習で幾つか作った後、魔法で増やしたから元手も全然掛かってないし。
「矢の出来もかなりいいよ。店で売っているのよりいい出来だし」
ミールが矢を手に取り、出来を見る。
「本当ですか?」
「うん、ツキヒト君さえよければ今度売ってくれない?」
「構いませんよ」
「では使ったアイテムの分は報酬に上乗せすることでいいか?」
「私は異論ないわ」
「私もー」
「俺も無い」
「俺も」
「俺もそれでいいです」
グランドの提案に皆賛成する。
「ではユリーカ、矢は幾つか背負ってミールに渡してやれ。
持てない分はアイテムボックに入れておけ」
「分かったわ」
「あれ?ユリーカさんもアイテムボックス使えるんですね」
「えぇ、あなた程は入らないけど、それでもこれくらいなら問題ないわ」
ちなみに、ステータスを確認した時点でアイテムボックス持ちなことは知っていたが、
何も反応が無いと返って怪しいので、ずっとこのタイミングを待っていた。
一通りアイテムを渡し、数をちゃんとメモすると、その間に右側の2匹からまずは倒す事に決まった。
少し遠回りしながら右側に回り、もう一度魔力探索と目視での確認をした後、最後の休憩をする。
「どうだ?」
「数と場所は先ほどから殆ど移動してません」
「奥の3匹は南の方を向いているよ。今がチャンスだと思う」
「分かった。それでは可能な限り近づき、ルーツとツキヒトが攻撃、近寄ってきた所を俺とアレッドが守り、ミールが牽制、ユリーカは障壁だ」
最後の確認を済ませると、ゆっくりと近づき、魔法の射程距離に入った。
(いつでもいけるぞ)
(俺もです)
マンティコアとの距離が30m程になり、必殺の距離になる。
定期的に振り返るグランドにハンドサインでいけることを伝えると、
グランドがハンドサインをする。
(よし、全員準備はいいか?)
グランドの問いに全員が頷く。
(では、いくぞ)
開始の合図に俺とルーツは狙いを定め魔力を練る。
俺の魔力放出量だと、マンティコアを一撃で仕留めるには2秒程魔力を練らなければいけない。
一応無茶をすれば瞬時に一撃で倒すだけの魔力を放出する事は可能だが、一度試した時は腕が焼けるような痛みに襲われ、大きな火傷を負った。
なのでそれ以来使うことは無い。
「っ!くるぞ!」
俺達の魔力に気づき、マンティコアがこちらに向かってくる事をグランドが可能な限り小さな声で叫び、俺達に知らせる。
その瞬間、2匹のマンティコアの首が風の刃に切り落とされ、胴体と一緒に落ちる。
「……、もう終わったの?」
矢を番えていたミールは、呆気に取られたまま弓を下ろす。
「今の落下音で他のマンティコアに気づかれたかも知れない、ミールとツキヒトは索敵を頼む。
他のマンティコアが近づいてこないのなら、このまま素材を回収しに行く」
グランドの指示に俺とミールは索敵をしながら進み、他のマンティコアが近づかないのを確認して、倒したマンティコアの場所に行き、すぐにアイテムボックスに入れる。
「近くの3匹の動きが少しおかしい。2匹がいなくなった事に気づいたのかも」
「……、他のやつらはどうだ?」
「魔力の位置は先程から殆ど変わりません」
「よし、このまま外側に回りつつ3匹を仕留める」
グランドの指示通り外側から回り込み、3匹を目視する。
「3匹同時にいけるか?」
「難しいな、3匹とも距離がそこそこ離れてる上、動き回っている」
「俺もですね。ホーミングするにしても、先程の魔力の反応速度を見るに、すぐに気づかれて回避行動を取られている間に他のやつらを呼ばれるかも知れませんし」
「ふむ……」
「ここで3匹を倒したとしても、残りの15匹が来たらきついぜ?」
「来るにしても多少時間差はあるからその間に数を減らす?」
「ルーツとツキヒト君の魔法なら一撃で倒せるし、いけるんじゃない?」
「いや、先ほどのは相手がこちらに気づいていなかったからいけただけで、こちらに気づいた状態でなら難しい」
「そうですね。一撃で倒せるといっても、首等に上手いこと当たればの話しですし、手足一本で終わる場合もあります」
全員で悩んでいると、マンティコアを見張っていたミールが声を上げる。
「あっ!奥の3匹が離れて行く!今がチャンスかも!」
俺も魔力探索をすると、確かに奥の3匹が離れていくのを感じる。
「……。よし、前方の3匹を倒す。全員行くぞ」
全員が頷くと、各自持ち場に戻り、俺とルーツが先程と同じくマンティコアに狙いを定め魔法を放つ。
「グルガァー!」
「っち!」
「気づかれたぞ!全員戦闘態勢!」
ルーツと俺が放った風の刃は見事2匹の首を落としたが、残りの一匹に放ったホーミングの風の刃は、マンティコアの後ろ足を切り落としたが、再度向かう風の刃は、木々にぶつかり、威力を減衰させ、マンティコアの放つ魔力の込めた声にかき消される。
事前に未来視で行動を予測し、魔法を放ったのだが、ホーミングの方は一瞬発動が遅れてしまったせいで、未来が変わってしまった。
たいした強さではない魔物ならこんな事はないのだが、魔力に敏感なマンティコアにはその一瞬で気づかれてしまった。
怒ったマンティコアは、大きな叫び声を上げながら、ルーツの放った風の刃に首を落とされる。
「すみません!」
「気にするな、2匹倒した時点でどちらにしろ叫ばれている」
「ミールどうだ」
「奥の3匹が叫びながらこっちに向かってくるよ!」
ミールが慌てて伝える。
「全員後方に下がれ。森に隠れてやり過ごす」
俺達は後方に走り出し、途中で俺が土魔法で大きめの穴を開け、全員がそれに潜り込むと空気穴だけ空けて、穴を塞ぐ。
『……』
全員が黙り込み、しばらくしてマンティコアが近くに下りる音が聞こえる。
「グルガァー!!」
3匹が大声で叫び、10分程するとさらに奥へと飛んで行く。
「ふぅ、もう大丈夫です」
俺の言葉に、全員が外へと出る。
「あー、びっくりした」
「穴を開け、中に隠れるとはいいアイデアだ」
「あいつらは鳴き声で敵の位置を調べるんだけど、地面の中にいた私達には気づかなかったみたいね」
「それで、どうする?」
「他のマンティコアは多少近づいてますけど、まだこちらには来てませんね」
「それでは我々を追跡していたやつらを先に始末しよう」
俺達は先ほど追跡してきたマンティコア達を追いかけ、見つけると同時に即時に3匹を仕留める。
「今度はうまくいきました」
「……凄い」
「結構離れてたし、他の奴らは気づいていないよ」
「よし、それでは回収に行くぞ」
「あいよ」
今度は未来視通りの結果になった。
ホーミングを使わずにも2匹倒す事は可能なのだが、
未来視+魔力に敏感な2匹を同時に倒すのは難しく、中々タイミングが噛み合わないので、ホーミングの方が倒せる確立が高い。
「残り12匹か」
「あっ!拙い、全部こっちに向かってます!」
「何!?」
「どうするの!?また穴に隠れる!?」
「けど、今回も隠れきれるとはわかんねーぜ!?」
「1匹早いのがいるぞ!」
「くそ!全員戦闘態勢!覚悟を決めろ!迎え撃つぞ!」
『オー!』
次々へと現れるマンティコアに俺達は迎え撃つ覚悟を決める。
無駄に続きます




