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フィリアの信仰  作者: 緑茶おいしい
2/63

ノーストン村

ストック終了

まさかいきなりブックマークと評価がもらえるなんて驚きです

どうもありがとうございます。

時間とやる気があるときの投稿なので思い出した時に読む位の気軽さでどうぞ

3/7編集しました。

柔らかな草の香りと瞼の上から光を感じ目を開ける。


「……楽しい異世界生活だと思ったけど、なんか一気に重くなったな……。」


身体を起こし隣を見ると、袋とゲームに出てきそうな剣があった。

袋の中を見ると、お金らしき硬貨と緑の液体が入った瓶がいくつか入っていた。


「34528リアと回復薬(小)とショートソードか。」


鑑定した結果、袋の中身はやはりお金と回復アイテムだった。

硬貨をさらに鑑定してみる。


鉄銭→1リア

鉄貨→10リア

銅貨→100リア

銀貨→1000リア

金貨→10000リア

白金貨→1000000リア

黒貨→10000000リア


袋の中に金貨以上のものは入っていなかったが、硬貨を詳しく鑑定するだけで他の硬貨の詳細も出てきた。

回復薬も鑑定してみる。


回復薬(小)

飲むと体力を25回復する

傷が治る

リーリア草を錬金術で錬金したもの


リーリア草

傷が治ると治りが早くなる

使用方法:煎じて傷口に塗る

回復薬(小)の材料


「ふむ。瓶は回復薬と。でも錬金術を使えないと回復薬は作れないのか。

お金はやっぱり硬貨システム。この硬貨の男は誰だろな?」


アロン

女神に選ばれた人間の勇者


どうやらフィリアが選んだ勇者みたいだ。


「ん~、鉄・銅・銀貨と全部同じ男だな。もしかして、他の硬貨も全部そうなのかな?

でもそれだと他の勇者は一体……。」


そこで、ぐぅ~とお腹が鳴った。


「腹減った……先に村を目指すか……つか、風呂入りたい、歯磨きたい……。」


昨日さんざん歩いたせいで汗をかき気持ちが悪いし、口の中も気持ち悪い。


「あっ!魔法だ!」


俺は勢い良く立ち上がる。

散々読んだラノベでは、浄化とか洗浄とか身体を綺麗にしたりする魔法を使っていたのを思い出す。


「とりあえず先に魔法が使えるかだけ試してみるか。」


目を閉じ、魔力の流れを感じる。

魔力の流れを感じたら、次は目を開け、右手を目の前に上げ人差し指を立てる。

先ほどと同じく、蝋燭の火をイメージする。

指先に魔力が集まりのを感じると『ボッ』と音を立て小さな火が出る。


「……できたあああああああああああああ!」


初めて魔法を使うことができ、うれしさのあまり大声で叫ぶ。


「よし!よし!これならいけるぞ!」


指に魔力を集めるのを止めると火が消える。

そして今度は自分の身体がお風呂に入った後と、歯を磨いたイメージをする。

目を閉じ、下から上へと綺麗になるイメージをしながら魔力を流す。

足から淡いが上へと移動し、頭の上まで行くと光が消える。


自分の身体を触ってみる。

土やホコリ・汗のべとつきが無くなっている。

口の中も舌で触ってみると歯もツルツル・口の中の気持ち悪さも無くなっていた。


「よし、できた!これでいくら汚れても大丈夫だ!んじゃ次はっと。」


袋を持ち上げると、アイテムボックスと頭の中で唱えると小さく空間が歪む。

そこに袋を当てると歪みの中に袋が入ってく。


「とりあえず入れることはできたか、えっと、中身はどうやって調べるんだろ。」


アイテムボックスの中身と考えると、頭の中にアイテムボックスの中身が文字として現れる。

次にちゃんと取り出せることを確認すると、もう一度アイテムボックスに袋を入れる。


「……剣か。」


ショートソードを手に取り、鞘から抜き、じっくり見る。


「こんなのが必要な世界なんだよな……。」


軽く振ると思ったよりちゃんと振れるのに驚きつつスキルの効果だな。と納得する。


「んじゃそろそろ行きますか。」


鞄を肩に掛け、剣を持つと、フィリアの言われたとおりに、右に向かって歩き出す。

しばらく歩くと街道を見つけ左に向かって歩く。


途中、魔物が出てきたらどうしようとビクビクしながら歩いていると、

どがつく田舎をイメージするような村が見えてくる。


「家があるってことは人がいるんだろうけど、間違いなく田舎だな。」


本来なら、衛兵がたっていそうな村の入り口には誰もおらず、

木製のゲートには、この世界の言葉で「ノーストン」と書かれている。


「入っていいんだよな?」


少し躊躇したが、勇気をだして村に入る。

少し歩くと広場があり、そこには老婆と老人がいた。


「あの~すみませーん!」


声を掛けつつ老婆と老人の下に行く。

老婆と老人は俺の姿に驚きつつ笑顔で迎える。


「おぉ、おぉ、こんな辺鄙な村にお客さんかいな。」

「こんな村になんかようかいな、お兄さん。」


ちゃんと言葉が通じることを確認しつつ、この村のことを聞く。


「俺はツキヒトと言います。今、世界を旅をしているところで、この村を見かけたので

寄らせてもらいました。」


あらかじめ用意してい台詞を言う。


「おや、旅人さんかいな。見てのとおりこの村はな~んもない村さね。」

「そうさそうさ、特に見ていくもんなんてないさね。」


やはりこの村は何もないみたいだな。

まぁ、初めての村だし十分満足だ。


「そうなんですか。もしかして、宿がなかったりしますか?」

「宿ならあるさね。」

「そこの道を行けば、この村唯一の宿がすぐあるさね。」


老人が宿のほうを指差す

というか、この二人なんか仲良い感じがするな、夫婦なのか?


「どうもありがとうございます。それじゃあ、行ってみますね。」


老婆と老人に礼を言うと宿屋に向かう。


少し歩くと少々ぼろい二階建ての木造の建物がある。

入り口の上にある木の板には、宿屋 モーリスと書かれている。

扉を開け、中に入るとカウンーの向こうにガタイのいい40くらいのおっさんがいた。


「おや、見かけん顔だな?もしかして客か?」


俺を見た親父が聞いてくる。

下手にでるのは良くないかもと思い、口調を変える。


「あぁ、旅の途中でこの村に寄らせて貰った。宿はここしかないと聞い来たんだが。」

「そうだ、この村では宿屋はここだけだ。それにしても珍しい服だな、どこ出身だ?」


やっぱりか……

テンプレの東出身設定で通すことにしよう


「東の方からだよ」

「東?……ふむ、まぁいいか」


親父は俺の事を訝しむ目で一通り見ると


「まぁいいか。んで、何泊の予定だ?

一泊1000リア、飯は一食500リア、湯は桶一杯50リア、カンテラ100リア、料金は先払いだ。」


相場が分からないから、高いのか安いのか分からないので、その値段で了承するか。


「とりあえず一泊で、飯は夜と朝の分を頼む。」


湯もカンテラも魔法で何とかなるし、必要ないだろう。

アイテムボックスから袋を取り出し、そこから銀貨2枚をカウンターに置く。


「お?アイテムボックスが使えるのか。アイテムボックス持ちが旅とは珍しいな。」


しまった。やっぱりアイテムボックス持ちって珍しいのか。

あらかじめ少しだけお金を取り出しておくべきだった。


「アイテムボックス持ちって、そんなに珍しいのか?」


一応情報だけは得ておくか。


「なんだ兄ちゃん、アイテムボックス持ちは、魔法使いの中でも1000人に1人くらいしかいない、

なんて常識だぞ?」

「そうだったのか。俺はここよりもさらに田舎にいたから、この世界の常識に疎いんだ。」

「……兄ちゃん。俺だったから良かったが、迂闊に自分が田舎から来たとか常識に疎いとか相手に教えると、簡単に騙されて、身包み剥がれたあとに奴隷として売られちまうぞ……。」


親父が、呆れたように言う。

たしかに親父の言うとおりだ、迂闊すぎるだろ俺。

ていうか、奴隷がいるのかこの世界。


「あー、助言ありがとう。ついでに奴隷のことを教えてくれるとさらに助かる。」

「……はぁ。うちを利用してくれる客だ。教えてやるよ。」


親父が溜め息をつく。


「奴隷自体の意味は分かるよな?」


俺は頷く。


「うちの村じゃ奴隷なんて必要ないからいないが、隣の街には、奴隷が普通にいるな。

あと、奴隷を扱っている店、奴隷商もある。扱っている種族は、基本的人間、獣人、ホビットだな。

他のエルフ・ドワーフ・竜人は、王都くらいのでかいところなら扱ってるみたいだ。

あとは自分で行って確かめてみな。」

「あぁ、そうする。ありがとう。」


奴隷か。もしかして美少女奴隷をゲットするチャンスか?

でもそんな金ないしな。

とりあえず明日隣町に行ってみるか。


「質問はもういいか?」

「あぁ。」

「んじゃこれが部屋の鍵だ。部屋は2階にある真ん中の部屋の202だ。」


親父から部屋の鍵を受け取り、部屋に向かう。

202と書かれた扉の鍵を開け、部屋に入り扉を閉める。


「……ふぅ。」


自分以外誰も居ない空間だと思うと、大きな息が溜息がでた。。


「疲れた……。やっとゆっくりできる。」


昨日は周りを警戒しながらの野宿な上、フィリアとの出会い。村についてからも、

襲われたらりしないかと警戒もしていたので、とてつもない疲労を感じていた。


「腹減った……喉か乾いた……何より眠い……」


鞄と剣を床に置き、木製の簡素なベッドに腰を掛けると、

小さな水の玉を作り、口に放り込む。


「うまい」


良い感じに冷えた水が、身体全体に染み渡るのを感じる。

そして、ベッドに横になると一気に眠気が襲い、そのまま夢の世界へと落ちる。


「んっ……」


ドンドンとドアを叩く音に目が覚める。


「お客さん!飯ができたぞ!」


親父の声だ。

俺は身体を起こすと、いかにも寝てたという声で言う。


「わかった、すぐに行く」


寝ぼけ眼で窓を見ると、外は暗くなっていた。

1階に下りると、入り口の右側に食堂があり、食堂に向かう。


食堂に入ると、おいしそうな匂いが鼻腔を擽り、ぐぅ~とお腹が鳴るのを聞きながら

急速にお腹がすいてくるのを感じる。


「あんたが客かい!ずいぶん腹すかせてるみたいだね!私の料理は美味しいから堪能するといいさね!」


テーブルの横には、恰幅のいい女性がいた。


「私はこの宿の主人の妻、ミーシュだよ!私の料理は、この村一番だからね!あんたは運がいいよ!」


えらく元気のいいおばさんだなと思いつつ、テーブルに並ばれた料理は、どれも美味しそうで、

口から涎が出てくる。


「本当にどれも美味しそうだ。昨日からろくに何も食べてないから、すごく腹が減っていたんだ」

「なんだいあんた!そんな腹がすいてんなら腹いっぱい食べな!お変わりしていいよ!」


まじか、ミーシュが今の俺には女神に見える。


「おい!何勝手なこと言ってんだ!そんな金もらってないぞ!」


食堂の入り口から親父が顔を覗かせて言う。


「うるさい!あんたは黙ってな!腹減ったやつに腹いっぱい食わせて何が悪いんだ!」


どう考えてもお代わりの代金は、貰わないと駄目なんだろうが、もう俺は料理に目が行って

、親父達の会話が入ってこない。


「うまい!こんなうまい飯始めてだ!」


俺は椅子に座ると、手前にあるスープをスプーンで飲む。

空腹というスパイスのおかげか、それともミーシュの料理が本当に美味しいのか分からないが、

俺はあっという間にテーブルに合った料理を全て平らげてしまった。


「いい食いっぷりだね!今お代わり持ってくるからちょっと待ってな!」


結局俺は、3人前ほどの料理を食べてしまった。


「ふぅ~食った食った。最高の飯だったよ」

「あははは!村一番の料理上手の私が作ったんだから当たり前だよ!あんたもいい食いっぷりだたよ!昔の旦那の食いっぷりには負けるがね!」


ミーシュは豪快に笑う。

俺はもう一度うまかった。とミーシュに伝えると部屋に戻った。


部屋に戻るとベッドに腰を掛ける。

光の玉をイメージし、光の玉ができたら、今度は持続するイメージを追加し、魔力を込め天井近くに浮かばせる。

光の玉は照明とし、部屋を明るく照らす。

ちゃんとできたことにホッとする。


「ふぅ。本当にうまかったなあの料理。なんて料理だったんだろうって、そうか、鑑定で調べたら良かったのか。

つか、親父達も鑑定で調べれるの忘れてた。一応どんな風にステータスが見れるのか試したいし、明日やってみるか」


そして、アイテムボックスから袋を出すと、一枚の硬貨を取り出す。

ベッドに横になると硬貨を目の前に持ち上げ、見つめる。

硬貨には女性が描かれていた。


「自分が作った世界で、自分を信仰していた人達に忘れられるって、どんな気持ちなんだろうな……」


年代を感じる硬貨を鑑定する。


銀貨

女神フィリア

エオリアの創造主


別に、フィリアの言ったことを全て信じたわけではない。

もしかしたら、フィリアが悪い神で、俺を騙しているというパターンも考えていた。

でも、あの涙はきっと嘘じゃないと俺の勘が言っていた。


「まぁ、この世界に連れて来たことには間違いなく感謝しているし、そのときはそのときだな」


硬貨をアイテムボックスに入れると同時に、光が消える。


「むっ。思ってたより随分と持続時間が短いな。イメージミスか魔力の問題……。

まぁ、今日はこのまま寝るとするか」


そして俺は、異世界生活二日目を終えた。

説明回も今回か次でたぶん終わります

そろそろかわいい女の子もだしたいです

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