担当・アヴァロン・相談
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よろしくお願いします。
3/10編集しました。
翌日は約束通りミラとアリスと共にクエストに向い、次の翌日は宣言通りエメラを連れての狩りに行った。
ミラは水魔法を順調に極め初めており、アリスも苦手な攻撃魔法も最初とは比べられないほど強くなっていた。
そして一番驚いたのはエメラだ。
デスベアーを見て気絶をしたり、怖くて攻撃できないと言っていたエメラだが、俺がソーラービームを使い、エメラにもやるように言うと、ふえぇぇぇん、と泣きそうになりながらも見事成功させてしまった。
確かに理屈は教えはしたが、一発で成功させるとは思ってなかったので凄く驚いた。
そこで調子に乗って他にも色々と教え、時間が掛かる物もあったが全て成功させてしまった。
さすがにいずれは教えるとしても、ゲートをすぐに覚えられては俺の凄さが半減してしまう気がしたので教えずにおいた。
それにしてもエメラに魔法の才能があったとは……。
これなら俺がこの街を出て行った後も安心だな。
とりえあえずこの3日で貯金は3000万リアを超えたので、そろそろ次の段階に移るとするか。
「それじゃあ第一回大人会議を始めます」
昼食の後、俺が与えたボールで子供達を外で遊ばしている間に、大人達はリビングに集まり
今後の話をする為の会議をしていた。
「それで何をするの、ツキヒト君?」
「今度の事での話し合いだな。つっても、俺の独断で全部決めるので会議とは名ばかりだがな」
「それって意味あるのか?」
「一応お前らの意見もちゃんと聞くので多少は意味はある」
「私達奴隷は、ご主人様のご命令ならどのようなご命令でも遂行します」
「まぁ、まずは俺の考えている事を言っていくぞ」
俺は皆の顔を見渡した後に言葉を続ける。
「最初は学校を作りちび達に教養を与える。
次に地域貢献等をして信頼度を得る。
次に商売を始める。
商売に人手が必要なので、新しい奴隷を買い、教育をする。
商売が順調そうなら、俺とアリス、ミラ、フェルはこの街を出て次の街に向かう。
以上」
俺の考えを聞き、ミラとエメラは驚いた顔をしている。
「商売をするのツキヒト君!?何屋さん!?」
「商売をするんですか!?それってもしかして私がやる事になるんですか!?」
「業種は飲食と道具屋かな?責任者自体は俺になるが、街を出た後はエメラにやってもらう」
「そ、そんなぁあ!」
エメラは絶望顔で悲鳴を上げるが、アリスが許さない。
「エメラ、ご主人様から責任ある仕事を与えられたのですから、もっと誇りなさい」
「そ、そうですけど、私には無理ですよー!」
「ちゃんと俺もちょくちょく帰ってサポートするし、ガラドとか他の奴らにも手伝わせるから安心しろ」
「うぅ……」
諦めた顔で俯くエメラだが、こいつが結構有能なのはここ数日で分かっている。
無理だ出来ないなんていいながら、しっかりと言われた事をこなしていくし、仕事も早い、
アリスの評価も凄く高い。
後は本人が自信をつけるだけだ。
「飲食に関しては俺には覚えがあるから、他の物よりはやりやすいからだな。
といっても、この街でどんな物があり、どんな物が人気とかが分からないから、
しばらく俺は街で食事をして調査することにする」
立地、メニュー、価格、客層等色々調べないといけないしな。
「あ!私も行きたい!家での御飯も美味しいけど、やっぱり街でいろんな御飯も食べてみたい!」
「ご主人様が行かれるなら私も行きます」
ミラが椅子から立ち上がり、はい!はい!という感じで手を上げる。
「んじゃ、アリスとミラも参加な。朝はここで済ますが、昼と晩は外食な。
エメラも連れて行きたいがガラドだけ置いてちび達と御飯を食べさすのもあれだし、
二人と交代ででいいか?」
「いいよー!皆との食事も好きだし!」
「分かりました」
「わ、分かりました」
3人の了解を得たので、明日から実行するとしよう。
「んじゃ、明日から行くとして、ガラド、この街のお勧めの食事処ってあるか?」
「ん、そうだなー。俺は酒の飲める店しか行かないが、それでもいいとなると、
銀の杯、アメリア食堂、ミンク亭、ゴランだな。
銀の杯は牛のモツの煮込みが絶品でな、エールを飲みながら食うと最高なんだよ!
アメリア食堂は、アメリア大陸で100店舗以上出してる店だな。
土地によっての名産物を使った料理が合って、外れはあんまりないな。
ここだと、他とは違った育て方をしているピソール牛ってのがいるんだが、
こいつの肉と筋を煮込んだシチューが絶品だ。
銀の杯でのモツもこの牛だな。
ミンク亭は羊肉が売りだな。
羊肉を細く切って焼いたものをレタスに包んで食うんだが、
レタスのシャキシャキ感と濃い味の肉が最高だ。
ゴランは、なんといっても一角兎の丸焼きだな。
なんでも、一角兎を一匹丸々焼く為の特注のオーブンがあるんだとさ。
んで、味なんだが、あれこそ職人技といった見事な火の通りでな、
俺らなんかが焼く肉とは違って、すげージューシーなんだよ。
いやー、この町に来たら必ず一度は仲間達とクエスト終わりにエールを飲みながら食っていたな。
あぁ、だけど丸焼きは内臓は取ってあるが、それでもかなりの量だから、3人じゃ食べきれないと思うぜ。
他にも色々あるが、簡単に言えばこんなもんだな」
なるほど、ブランド牛があるのか。
ていうか全国展開してる店があることに驚きだわ。
ちょっと、というかかなりこの世界馬鹿にしてました。
「ふむ、んじゃ丸焼きはそのうち皆で食べに行くか。
ところでガラド以外は酒飲めるのか?」
ていうか、この世界って何歳から飲酒OKなんだろう?
「申し訳ありません、私は飲めません」
「私はもお酒嫌いー!苦いよ!」
「わ、私は一応飲めます……」
ふむ、アリスとミラはそうだろうと思っていたが、エメラは飲めるのか。
「ふむ、ちなみに飲酒って何歳からいいんだ?」
「12歳からです」
「成人は?」
「15歳です」
成人は予想通りだが、飲酒は12とは随分早いな。
まぁ、異世界だしこんなもんか。
「んー、まぁ別に酒が飲めなくても美味しい物は美味しいし、明日早速聞いた店のどれかに行くか」
「あ、大将!出来れば銀の杯に行くなら俺も連れてってくれ!久しぶりにあそこの料理が食いてえんだ!」
「酒を飲みながら、だろ」
連れて行く事自体は問題ないが、まずはアリスとミラを連れて行かないと行けないし、その後だな。
「あとは買い物する時に出来るだけ食材や道具の価格をメモしといてくれ」
『分かりました』
「んじゃ次は授業での教科とその担当決めだ。
まず、算数、理科、家庭科、図工、道徳、は俺が教える。
国語はエメラ、社会はアリス、体育はガラドな」
「あれ!?私は!?」
「え、ミラもやるの?」
「皆やってるのに私だけやらないのは寂しいよ!私も皆に何か教えたい!」
うーん、ミラも一応王女だし教養はあるのだろうけど、すごく心配だ……。
「じゃあ図工で」
「やったー!で、図工って何をすればいいの?」
「……、芸術みたいなものだな。表現や感性を使って作る喜びを味わったり、造形とかの
基礎知識なんかを覚える授業かな?」
「んー?好きなように作ったり描かせたりするってこと?」
「まぁ、そんな感じ。とりあえずテーマを決めてそれに沿ってやらしたらいいんじゃないか?
でも、質問されたら答えれる様に知識を蓄えないと駄目だぞ」
「分かった!私これでも絵は自信あるから任せて!」
む?もしかして、芸術関係でも英才教育を受けてたりするのか?
ミラにノートとペンを渡し、絵を描いて貰ったが、ささっと描いたくせに凄く上手い森と湖を描いた。
「もしかして音楽とかもできたりするのか?」
「うん!ピアノも笛もバイオリンも弾けるよ!」
おぉ、これで音楽の授業も入れれるな。
「じゃあミラには、図工と音楽をやって貰おう」
「はーい!」
「ご主人様、図工をミラさんにやって貰うとしても、それでもご主人様の受け持つ教科が多いと思いますが」
「確かに多いけど、家庭科はまだしも、算数と理科は間違いなく俺以外無理だろうし、道徳も立場的に俺が教えるべきだしな」
「その、道徳とは何なのですか?」
エメラがおずおずといった感じで聞いてくる。
「人が生きていく上での規範を身に付ける授業だな。基本は宗教ならばその教えを教える物だったりとかするけど、俺がするのは、特にモラル関係だな。善悪の区別、人に優しく、なんで良いのか、駄目なのかといった事を教える事だ」
これには立派な人間に育てるといった意味もあるが、他にも理由がある。
奴隷達にはフィリアの信徒になってもらうので、その信徒が悪さをしたら評判が下がってしまう。
なので良識ある人物になり、善行をし、回りの評判を上げていたらいざフィリアの事を広める時に間違いなくプラスになる。
地域貢献もこの為だ。
「つまり皆を良い子に育てようってことだね!」
「まぁそんな感じ。んで、アリス、エメラ、ガラドの担当はこれでいいか?」
「はい」
「は、はい」
「別にかまわねーぜ」
3人とも異論は無いようだ。
「ガラドは反対するかと思ってた」
「そうか?これでも俺は熟練の冒険者だから、後輩に色々教えるのには慣れてるぜ。
体育ってのは様は身体を動かさしたらいいだけだろ?」
「あぁ。とりえあず楽しく遊ばしたりしながら身体を動かさせて、後は応急処置の方法とかも教えてやってほしい。
それと、全員参加でガラドには自分の身を守る為の武術を教えてやってほしい」
「全員参加って事は私達も?」
「もちろん、俺達を含めての全員だ。ガラドは元Aランク冒険者で実力もこの前見たが、魔法以外では間違いなく俺よりも強い」
俺の言葉に全員がガラドを見ると、ガラドは腕を組み椅子に踏ん反りかえる。
「ふ、まぁ大将も確かにつえーが、正直戦い方は素人に毛が生えた程度だからな」
「やっぱり?」
「あぁ、大将は魔法が強すぎるせいで警戒心とかがかなり薄いしな。
この前の一角タマスの時なんかがいい例だと思うぜ」
それを言われたらぐうの音も出ないな。
確かに調子に乗って碌に考えもしないで魔法を使った結果、見事弾かれて気づかれたし。
「まぁ、そこらへんも教えてくれ」
「あいよ。それにしてもこの鬼人ガラドと言われた俺がガキ共に物を教える事になるとは思ってなかったぜ」
「私も!子供に物を教えるなんて思ってなかった!」
「わ、私もです」
「言いだしっぺの俺もだな」
人生何が起こるか本当に分からないな。
異世界に来ることなるし。
「とりあえず教科担当は決まったから、1週間後に開始予定だからそれぞれ準備をしてくれ。
必要な物とかがあれば金を渡すから各自で買ってくれ。
買った際は領収書……、は無いから買った物と値段をメモって俺に報告してくれ。
あとミラ、ピアノとか楽器ってどの位するんだ?」
「え、ごめん。自分で買ったわけじゃないから分からないよ」
「んじゃ、明日にでも一緒に見に行くか。でも楽器なんて売ってるのか?」
「たしか売ってるはずだぜ。街の中央より少し北に行った所にアメリア以外の大陸から輸入された
物を売ってるでかい商店があるんだが、あそこの周りにも色々と売ってる店があって、
そこに楽器屋もあったはずだぜ」
「はぁ、お前よく知ってるな」
「この街には何度も来た事があるしな。それに俺は冒険者だぜ?アメリア以外にも他の大陸にだって
行った事があるからな、全部とはいえないが、でかい街なら大体は行ったぜ」
「ほお、そいつは凄いな。アリス、地理とかで分からない事があったらガラドに聞いたら?」
「そうですね、ガラド。よろしく頼みます」
「がはは!任せてくれ、アリスの姉御!」
本で得れる知識も限られてるし、やっぱり現地に行った事のある人の話の方が為になるしな。
「とりあえず、明日は朝に俺とアリス、ミラが買い物に行って、昼食を済ませて帰ったら、
エメラとガラドが交代で買い物だな。俺は商人ギルドで色々と話をしに行くから家の事は
アリスとミラに頼む」
『分かりました』
「はーい」
「あいよ」
それにしても、他の大陸の商品を扱っている商店か……、もしかしたらあれがあるかもしれない……。
「次は新しい奴隷だな。これは商売を始めるのに人手が必要なのもあるが、俺達が出て行った後に
エメラとガラドだけじゃちび達の面倒を見るのも大変だからってこともある」
「それってもしかして女の人?」
ミラがジト目でこちらを見てくる。
やばい、ジト目のミラも可愛い。
「とりあえずエメラと同室だった女二人が残ってたら買う予定だな。理由は容姿が良いから、
さらに言えば、容姿がいいと商売にプラスだから」
「まぁそりゃそうだろうな。むさいおっさんより美人が接客する方が野郎は嬉しいだろうしな」
あれ?女性陣の目が若干冷たく感じるぞ。だか他にもちゃんと理由があるからね?
「それに、女性はやっぱり女性の店員の方が話しやすいってのもあるぞ」
「あー、確かにそれはあるかも」
「あ、私も分かります。男の人に話すのはちょっと怖いですし……」
「だろ?業態にもよるが、美形の男ならまだしも、ガラドみたいなのが店員の店なんて
怖すぎるしな」
イケメンは本当に有利だよな。
よく美人の店に集まり男の事を批判する女性がいるが、女性もイケメンのいる店に集まったりするから人の事は言えないぞ。
「で、でも、あの人達はちょっと怖いです……」
エメラは同室だった為、あの二人の事をよく知っているのだろう。
たしかに二人とも気が強かったからな。
「そこは安心しろ、しっかりと俺とアリスが教育するから。
第一、実力ならエメラの方が圧倒的に強いんだからそんなにびびる必要も無いだろう?」
「そんなことありませんよ~……」
「いやいや、俺の教えた魔法を全部覚えたじゃねーか。はっきし言ってお前、魔法に関しては天才だと思うぞ?」
アリスやミラも出来るかもと思って昨日クエストから帰った後に教えてみたが二人とも出来なかったのだ。
俺が教えてから毎日必ず魔力制御や魔法の練習をしてる二人でも出来なかったのに、それを魔法の特訓を始めてたった5日で出来るようになったのだから間違いなく天才だろう。
本当、人は見かけによらないな。
「そうだよエメラちゃん!もっと自信を持って!」
「そうですね。ご主人様と私が教育をしても、あなたがそのままでは舐められます。
もっと自信を持ちなさい」
「は、はいぃぃ」
どうやったら自信が付くんだろうか?
もっと狩りに行かすか?なんて考えていたらガラドが不思議そうに聞いてきた。
「そんなにもエメラは凄いのか?」
「あぁ、この前お前に見せた魔法あるだろ?あれを殆ど一発で覚えたぞ」
「……、それは凄いな」
「だろ?魔力量の問題もあるから威力や回数はまだまだだが、それでも十分強いぞ。
たぶん魔法使いの中なら上位だろうな」
「いやいや、大将と同じ魔法が使えるならAランクでもおかしくねーぞ」
「ちなみに無詠唱」
「……、じゃあ絶対Aランクだな。経験を積めばSランクだな」
凄い好評かじゃないか。
「だってさ、エメラ」
「そ、そんな……私かAランクの魔法使いなんて……」
俺達の話を聞いてエメラが震えている。
「ご主人様、奴隷はいつ買いに行かれるのですか?」
「んー、とりあえずは皆、自分の担当教科の用意に専念して欲しいから、学校が始まって少ししたらかな?」
「分かりました」
「んじゃ質問ある人」
「あ、あの」
皆の顔を見渡すと、エメラが軽く手を上げる。
「ん?」
「教科に必要な物なのですが、予算は幾らまでですか?」
「ない」
「え?」
「予算なんて決めてない。必要と思うなら好きなだけ買え。
金は俺が幾らでも用意してやる」
現在の所持金はこの3日で3千万リアに達したから、教材の資料程度じゃ無くならないし、
仮に足りないとなっても、ちょっと狩りに行けばいいだけだから問題ない。
「その、本当にいいのでしょうか?資料に本も必要になりますけど、買うとなると結構な額になりますけど?」
「問題ない。子供の教育に必要な物なんだし、金が無いといって満足な教材が用意できない方が困る」
「そ、そうですか。分かりました」
「ということで、3人も必要なら気にせず買っていいからな」
「分かりました」
「分かった!」
「あいよ」
それしても、元の世界じゃ考えられない発言だよな。
幾ら教育に必要だと思っても、俺の稼ぎ程度じゃ資料なんて中々揃えられないからな。
他の何かで補うとしても限界もあるだろうし……、異世界様々だな。
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「……、俺のアヴァロンはここにあったのか……」
今、俺は大勢の人がいる中で膝を突き、目の前の光景に思わず涙していた。
「ご、ご主人様!?どうなさいました!?」
「ツキヒト君!?どうしたの!?」
アリスとミラが膝を突き、泣いている俺に驚いて声をかけてくるが今はそれどころじゃない。
だって、目の前に、米、味噌、醤油、昆布等といった日本の食材があるのだから。
「俺、竜人族さん家の子になる……」
今、俺がいるのは、昨日ガラドが話していた他の大陸の商品を扱っている商店にある、竜人族の大陸『ミレリア』の商品を扱っているコーナーだ。
「何を言ってるの、ツキヒト君!」
「ご主人様が竜人族になるなら、私もなります」
「アリスちゃんも何言ってるの!?」
「お前こそ何を言ってるんだミラ!米に味噌、醤油があるんだぞ!これを見て何も思わないのか!」
「え、べ、別に……?」
ミラは並ばれた商品を見るが、特にピンと来ないようだ。
まぁ、日本人ではないミラが見ても何とも思わないのは当然なのだが、興奮状態の俺はそれに気が付かない。
「米!味噌!醤油!日本人ならこれを見て何とも思わないわけがないだろう!」
「い、いや……私、ニホン人じゃないし……、ていうか、ニホンて竜人族と同じ食料を扱ってるの?」
ちなみに、ここで自分の失言に気づいた。
「……使ってる」
「じゃあ、持って来たら良かったんじゃ?」
「それには事情があって持ってこれなかったんです、はい。だから、ここにあって凄く嬉しかったんで、興奮してしまったんです、はい」
「ふぅ~ん」
ちなみに、味噌と醤油を作るには麹菌が必要なのだが、味噌を作るには絶対必要な麹菌は自然界にしかなく、稲穂に付く天然の麹菌が必要なのだが、アメリアでは稲を見たことがなく、諦めていた。
日本でも一般的には味噌を作る際は種麹を買うしかないのだ。
一応カビを生やして作るという方法もあるのだが、すっごく臭いらしいのでやってない。
魚醤も作れなくは無いが、やはり使い慣れた醤油の方が欲しかったのだ。
「すみません、ここにあるの全部下さい」
立ち上がった俺は、若干俺に引いていた店員に言う。
「っえ!?ぜ、全部ですか?」
「はい、全部です」
店に並んでいる商品は種類はあるが、在庫はそんなに無かったので全部買おうと思った。
米は10・20・30kgの俵が合わせて7つ。
味噌は桶で5・10kgが6つ。
醤油は壺で3L・5L・10L入った物が合わせて10個。
他にも昆布等も合わせて全部で50点ほどだ。
「そ、そんなに買うの?」
「買う、っあ、他に欲しい客もいるから駄目か」
俺が買い占めちゃ他の人に迷惑だな。
「あ、いえ。明日は飛空挺が着ますので問題ありませんが、結構な額になりますがよろしいですか?」
おぉ、明日飛空挺が来るのか、是非見てみたいな。
「あー、お幾らになります?」
「少々お待ち下さい」
店の店員全員が計算を始め、10分ほど待たされる。
その間に俺はこの食材を使った今日の晩御飯のメニューを考えていたが、よくよく考えたらしばらく外食だから朝食でしか食べれない事に気づいてしまった。
まぁ、明日の朝は和食で決定だがな。
「お待たせしました。計56点で46万7200リアになります」
あれ?そうえいば米を炊く釜も必要だな。
「すみません、米を炊く釜もあります?」
「はい、あります、1升用、3升用とありまして、1升用は7万リア、3升用は19万リアとなります。
えーと、確か店では米1升が1.4kgで水1800で炊いて、一人150g換算で20人前程度だったかな?
現在の人数は大人5人、子供8人だから、ガラドと俺が良く食べてもアリス達はそんなに食べないし、
子供達はもっと少ないから……、1升用でいいが、店でも米を使いたいが、材率次第だしな……。
よし、面倒くさいから両方買おう。
「両方下さい!」
「両方ですか?」
「両方です」
「わ、分かりました。それでは1升用と3升用の釜を合わせて72万7200リアになります」
「はい」
俺はアイテムボックスから硬貨の入った袋を出し、店員に料金を支払う。
「確かに丁度お預かりいたします。商品の方はお届けでよろしいでしょうか?」
「いや、アイテムボックスがあるので、大丈夫です」
「え?ぜ、全部入るのですか?」
「?はい?」
店員が驚いたように聞いてきたが何かおかしいかっただろうか……。
「ご主人様、アイテムボックスは本来、使用者の魔力量によって入る量が決まるのですが、
この全てが入る程のアイテムボックスを持った人はそういません」
アリスが小声で教えてくれる。
なるほど、そいういうことなのね。
でも俺は最初から何でも入ってたと思うんだけど、もしかして特別性だったりするんだろうか?
購入した食材と釜をアイテムボックスに入れると、他の所も見たかったが、教材を探しに行かないといけないし、昼食を食べたらエメラとガラドと交代しないといけないので、又今度にしよう。
「わー、一杯楽器があるー!」
次に訪れたのは楽器屋だ。
先ほどの商店からさほど離れてない場所にあったので、そのまま直行。
中にはピアノ、ギター、ハープ等、色々な楽器が置いてあった。
「アリスは何か楽器できるの?」
「はい、ピアノとフルート、ハープが出来ます」
「凄いな、アリスの演奏も聴いてみたいから一緒に楽器を買おうか」
「ですが、ご主人様に御聞かせする程の腕前ではありませんよ?」
「そんなことないよ!」
「ミラさん?」
「え、いや、アリスちゃんなら演奏絶対上手だと思って……」
「まぁ、俺よりは絶対上手だろうし、いいじゃん」
「ご主人様がそういうのでしたら……」
アリスとミラはそれぞれ楽器を見に行ったので、俺も適当に楽器を見て回ることにした。
楽器は俺が見た事がある物が多かった、どこの世界も楽器は同じような形になるのだろうか?
1時間程して、アリスとミラが購入する物を決めてきたので購入する。
「私はこのピアノと皆が使う用のリコーダーとあのバイオリン!」
「私はあちらのフルートとハープです」
合計で300万リアを越えてしまった。
ピアノだけで200万するとは……、まぁ別にいいんだけどね。
次にミラは図工で絵を描かせるといっていたので、画材道具1式を全員分購入、
次にアリスの社会の為の資料の本を購入した後に、一番近いミンク亭に向かい、
ガラドお勧めのレタス包みと店員のお勧めをいくつか頼んだ。
味はどれも美味しく、野菜も新鮮な物ばかりで非常に満足した。
値段も高くても700リアで、サイドメニューを除くいて、一番安いメニューでも200リアだったで、
ざっと平均な値段を見たところ、1品350リアくらいだろうか。
宿での食事が安いとこだと500リアだったから、若干高く感じるがその分色々なメニューもあり、
ボリュームあるので妥当だろう。
アリスとミラは二品食べたら満腹になるそうだ。
だがこの値段だと米とかは使いづらいか?
10kg6000リアだから1.4kgで840リア。
炊いたら確か3kg位で一人前150gの計算だと20人前で一人前42リアか。
材率30%で考えたらこれだけで140リアになるな……。
700リアを基準にしたら原価は210リアになるが、あれは高いメニューでボリュームもあるしな……。
いや、他の材料はそんなに高くないしなんとかなるか?
そもそも人件費は奴隷を使うから0にできるし、いや、さすがにそれは駄目か、
ちゃんと対価は払ってやりたいが、う~ん。
なんて考えていたら家に着いたので、ちょっと休憩した後、エメラとガラドと一緒に家を出て二人は商店街に向かい、俺は商人ギルドに向かう。
「んじゃ、教材以外にも必要な物があれば買ってもいいけど無駄遣いはしないようにな。
後、ガラドはエメラをちゃんと護衛しとけよ」
「大丈夫、任せとけって」
「わ、分かりました……」
俺はガラドにお金を渡し、商人ギルドに向かう。
その際エメラが二人きりにしないでという泣きそうな目で見ていたがスルー。
いい加減エメラはガラドに慣れるべきだ。
「すみません、相談したい事があるのですがよろしいでしょうか?」
「はい、商人ギルドの方でしょうか?」
「はい」
商人ギルドに着いた俺は相談窓口と書かれたカウンターに向かい、
受付の女性にギルドカードを見せる。
「確かに、それではどのようなご相談でしょうか?」
「この街で飲食店と道具屋を開きたいのですが、店を開くのは初めてなので色々と教えて欲しいのですが」
「分かりました。それではどのような店にしたいか等か聞かせてください」
「はい、飲食店は---」
「分かりました。それではアキヤマ様の希望に添える相談役の担当を探して参りますので、そのままお待ち下さい」
「分かりました」
俺が一通り答えると、受付はカウンターの奥へと向かい、10分ほどして、一人の男と一緒に戻ってきた。
男はカウンターから出ると俺の傍に来て
「お待たせいたしました。私がアキヤマ様の相談役をさせて頂く、ノルド・エトワンと申します」
「あ、ツキヒト・アキヤマです」
30後半くらいのスーツでビシッと決めた男が自己紹介をし、右手を差し出してきたので、俺は立ち上がり、握手を交わした。
「それでは、あちらの席でお話を伺います」
ノルドは商人達が交渉用に使う席に案内するので、それに着いて行く。
「それでは改めまして、私はノルド・エトワン、年は38歳、最近15になった娘に
冷たくされて悲しい父親です」
ノルドの笑顔でする冗談交じりの挨拶に思わず少し笑ってしまう。
「私はツキヒト・アキヤマ、年は20歳、最近Bランク冒険者になりました」
「おぉ、その若さでBランクとは凄いですね」
「いえ、それほどでもありませんよ」
「はは、ご謙遜を、ですが私も負けていませんよ、この仕事に就いてから100店舗以上の成功させてきましたよ」
「それは凄いですね。ノルドさんに担当をしてもらえるならうちも成功したようなものですね」
「あはは、そう言ってもらえるのは嬉しいですが、先ほどはああいいましたが、成功の一番の理由は相談者様が頑張ったからですよ。ですので、お互い頑張りましょう」
「はい、よろしくお願いします」
良かった優しそうな人で、自信も成果もあるが驕った感じもない。
これなら安心できそうだ。
「それではどのような店舗にしたいか、聞かせてもらえますか」
「はい、飲食店と道具屋を開きたいのですが---」
俺はこのまま夕方に、アリスとミラが迎えに来るまでノルドと話し続け、明日にまた相談して貰うことを決め、銀の杯に向かった。
フェルともっと絡みたいのに機会が少なすぎる。
もふもふしたいよ。




