昇格試験
ガバガバ設定
行き当たりばったりなので設定が変わる可能性大
誤字脱字報告
よろしくお願いします。
3/10編集しました
「すみません、サニース支部のウォーレンに言われて来た『フィリアの騎士』ですが、
集落の件についての連絡は来たでしょうか?」
サニースにてゴブリンの集落を壊滅させた報酬を貰うために、俺はギルドの受付に向かい、
受付嬢にサニースから連絡が来ているか確認をする。
「はい、来ております、申し訳ありませんが、確認の為にギルドカードの提示をお願いします」
「はい」
ちゃんと連絡が来ていたみたいだ、良かった。
ほっとしつつ、俺はカードを受付に渡す。
「有難うございます、……確認できました、それではカードをお返し致します。
それではお手数ですが、2階の第一会議室でお待ち下さい」
「わかりました」
俺は後ろで待っていた3人に説明し、2階の第一会議室に向かった。
「これはどうなんだろうな?」
会議室の椅子に座って早々、俺はぽつりと呟いた。
「なにがー?」
隣に座ったミラが俺の呟きを聞いていたのか、反応する。
「集落がちゃんと壊滅できたのかどうかってこと」
「できたんじゃないの?だって2階に呼ばれたんだし?」
こいつ本当に能天気だな。
「それ以外にもB級の昇格試験もあるだろ、集落が壊滅させてなくてもそっちの話で呼ばれた可能性もあるし」
「えー、でもあれだけやって潰れてないわけないと思うよー」
まぁ、俺もそう思ってはいるんだが、心配性なんだよ。
「ミラさんの言う通りです、ご主人様の魔法はとても凄まじい物でした、あれでは集落が残るなどありえないでしょう」
ミラに続くアリス。
「安心していいぞ、集落はちゃんと無くなっていたと報告があった」
ガチャっと、扉が開くと同時に男の声がした。
俺はすぐに立ち上がり、男の方を見た。
男は50台程なのだが、鍛えられた肉体がよく分かる。
ウォーレンといい、こいつといい、ギルドの年よりは皆こんなやつらなのか?
座ってくれていて構わんよ。と男が着席を進めてくるので、俺は椅子に座りなし、
男が向かい側に座るのを待つ。
「始めまして、私はこのピソール支部のギルド長、グルドだ」
男は立ち上がり、手を差し出してくる。
「始めまして、俺は『フィリアの騎士』のツキヒト・アキヤマです」
俺も立ち上がり、握手をしたあと、椅子に座る。
「それじゃあ早速サニース支部から着たゴブリンの集落とB級昇格試験の話をしようか」
グルドが早速話を進めてきた、俺もこの後色々と確認したいことがあるので、嬉しいことだ。
「まずはゴブリンの集落の件だが、無事壊滅することが出来ていた、残党のゴブリンも居らず、
間違いなく壊滅できただろう。なので、ゴブリンの集落壊滅の報酬、600万リアは全てお前達の物だ。
支払いは、現金か口座のどちらがいい?」
先ほど聞いたが、改めて集落を壊滅できたと聞いて、やっとホッとできた。
この報酬にはかなり期待していたから、貰えないとまたクエストの日々だった。
というか、口座とかあんの?
「口座とは?」
「なんだ、知らないのか、口座は国からの依頼で、商人ギルドがやっており、誰でも1枚だけ発行することが出来るカードだ。
内容は、簡潔に言えばお金を商人ギルドで管理して貰うといえば分かるか?」
ふむ、やっぱりその口座か。でも何故商人ギルドなんだ?
「大丈夫です、それよりも二つ質問があるのですが、1つは何で商人ギルドが管理しているんですか?」
「それは、元々口座の提案を国にしたのが、商人ギルドだからだ。あいつらは、口座のカードを作る為の魔道具も既に作ってあったから、やろうと思えば商人ギルドだけで出来るんだが、国民の金の管理なんて国に黙って勝手にやったら問題になることくらい分かるからな。だから国に提案して、国からの依頼という形でやっているんだ。国からの依頼なら国から金もでるしな」
おぉ、聞いてる途中に湧いた疑問も全部解説してくれたよ、優秀だなこの人。
「なるほど、分かりました、質問の方ですが、全て答えて貰えたのでもうよろしいです」
「そうか、まぁ詳しいことが知りたいなら商人ギルドで聞くといい。それで、口座が無いなら現金でいいか?口座を作って来るっていうのなら、その後でも構わないが」
「言え、現金で構いません」
アイテムボックスもあるし、口座は一々引き出しにいかないと行けないのが面倒なんだよな。
「そうか、じゃあ帰るときに1階の受付で受け取ってくれ。次は、昇格試験の方だが、
Bランクの昇格試験は、ここから北にある森にいる人食い袋の討伐になる。
数は3体倒せば合格だ。当然素材は全部お前達の物だから好きにしてくれてかまわん」
予想はしてたけど討伐か、だけど人食い袋ってなんだ?
「人食い袋は、植物の魔物だ。袋みたいな形をしていて、蔓で捕まえた獲物を身体に入れ、口を閉めてじわじわと溶かして食べるんだ。奴の出す液体には睡眠作用があり、肌にかかるだけでも効果があるので注意だな」
案外えげつない魔物だな。寝てる間に死ぬだけまだましか?
「討伐に行く際には、冒険者ギルドから二人試験官として派遣される。
その二人は戦闘には手は出さないが、最悪の場合はもちろん助けてくれるのでそこは安心しろ。
もちろんそんな状況になった場合は、試験は失格となるがな」
「つまり、その試験官は腕利きだと?」
「あぁ、元冒険者B級以上の冒険者や、現役の冒険者が試験官となる。
お前達がB級に昇格できたら、そういう手伝いの要請が来ることもあるだろう。
もちろん報酬はでるぞ」
「わかりました、それで試験日はいつになるのでしょうか?」
「そちらの都合に合わせるが、今日は今から行くと遅くなるので無理だな。
早くても明日からに加え、出発は朝の7時から2時までの間になり、それ以降は禁止となる。
理由は、森は暗くなると危険度が増すので、余裕を持っての2時までとなっている」
「中々倒せずに夜になった場合は?」
「その場合は自己責任だな。試験官の方もそれを了承して引き受けてるので問題ない」
ふむ、腕利きの試験官が居るから死ぬ可能性は大幅に減ったと考えてもいいだろう。
イレギュラーがあるには違いないが、出来るだけ早く行って、さっさと終わらすのが吉か。
「それで、試験はいつにする?」
「では、明日の9時からでお願いします」
正直後回しでもいいと思ったが、面倒だしさっさと終わらす事にしよう。
「分かった、明日の9時だな。それでは、明日の9時前には受付に来てくれ」
「分りました、それでは行きますね」
それから1階の受付へと向かい無事600万リアを受け取った。
白金貨を見てみたかったので、1枚だけ白金貨で貰い、あとは全て金貨で貰った。
「それで、これからどうするの?」
ギルドを出たあと、フェルと手を繋いで歩いているミラが聞いてくる。
「商人ギルドに行って、口座を作るついでに色々聞く。ミラは口座持ってないのか?」
「持ってないよー、私も一緒に作ろうかなー」
ミラは王女だし、口座なんて必要無かったんだろうな。
なんたって税金で生活してるんだし。
フェルはミラに取られてしまったので、俺はアリスといちゃいちゃしながら商人ギルドに向かった。
商人ギルドは、扉が開け放たれており、なんでも、常に人が出入りするので、雨や風が強い日でもない限り開けっ放しらしい、あと、一秒でも早く仕事をする為とかなんとか。
所謂、時は金なりだな。
ギルド内では、冒険者ギルドよりは狭いが、机と椅子が置いてあり、そこで商人達が情報交換をしたり、商売や契約などの話をするのに使われている。
食事は軽いものと、酒程度で、ガッツリとした物は無いみたいだ。
あそこはあくまで食事する為のスペースでは無いからである。
口座作成の受付はすぐに見つかったので、早速口座を作りに行く。
「すみません、口座を作りたいのですが」
受付の若い女性に声をかける。
「口座ですね。今まで口座を作られたことはありますか?」
女性はニッコリと笑顔で応対する。
「ありません」
「では、身分証明証の提示と、こちらの水晶に手を置いてください」
カウンターの横に置いてあるスタンドに取り付けられた水晶に手を置き、
渡したカード置くと、水晶が光、カードを照らす。
後で知ったことだが、冒険者カード等の身分証明証を持っていない場合は、商人ギルドが5000リアで
作成してくれるらしい。
「はい、確認できました。それでは、口座カードをお作りしますので少々お待ちくださいませ」
それから女性は何か魔道具を使って、口座カードを作り始めた。
「それでは、カードが出来るまでの間、口座についての説明をさせて頂きます」
口座の説明については、奴隷は口座カードを作れない、再発行は1万リア以外は、俺の世界の物とほとんど一緒だったので省略。
「では、こちらがアキヤマ様の口座カードとなります。無くさない様お気をつけ下さい」
「有難うございます」
カードを受け取ると、横のカウンターで一緒に作っていたミラも終わったようだ。
ミラはカードを二人に見せ、キャッキャと話をしていた。
俺はそれを横目に、商人ギルド加入の受付へと向かった。
「すみません、商人ギルドに加入したいのですが」
「はい、ではまず身分証明証の提示を---」
-----------------------------------------------------------------------------
商人ギルドの説明聞き終えた俺は、カードを受付から受け取った。
説明は簡潔に言うと、ランクは無く、犯罪出なければ好きなように商売をしても構わない。
商売する際も、商人ギルドに連絡する必要は無いが、連絡しておいたほうが、何か合った時に協力してくれるとの事。
あとは、商売に関するアドバイスも無料でしてくれるとのこと。
一応、場所代とか商品の納品等のことも聞いておいた。
場所代は無く、街の指定場所以外出なければ好きに商売をしてもいいとのこと。
ただし、シートを引いただけの露天商以外では、国から税金を取られるようだ。
そして、余りにも売れない店を開き続けると、新人などの商売するスペースが無くなる為、
撤退させられる場合もあり、後はモラルに任せるとの事。
納品業者は、個人的な繋がりか、商人ギルドが紹介してくれるみたいだ。
その際の割引き等も業者との話し合いで決めて下さいと。
あと、商人ギルドは商売だけでなく、鍛冶、服飾等といった作成する側の相談やサポートもしており、複合ギルドみたいな物だった。
とりあえず思いついたことを全て聞き終え、アリス達の所に戻ると、アリスしか居なかった。
「ミラ達は?」
「暇との事で、フェルと買い物に行かれました」
「……」
ミラはいいとして、フェルを止めなかったのかアリス。
「本来ならご主人様を待つのが奴隷として当然なのですが、フェルは奴隷としての教育を受けてない上、本日奴隷となったばかりなので、今日くらいは、と、考えたのですが、いけなかったでしょうか?」
アリスが勝手な判断をした事にたいして、俺への反応を不安そうに待っている。
「いや、別にいいよ。どうせ、駄目って行ってもミラが勝手に連れて行くだろうし」
「有難うございます」
「それじゃあ、二人を探しに行こうか」
「はい」
俺達は腕を組むと、ミラ達の向かった商店街へと向かった。
アリスは奴隷としての教育などといったが、主人と腕を組んで行くのは奴隷としてどうかと思ったが、まぁ別にいいか、こっちの気分も良いし。
二人を探す途中、衣料店により、水色のフリルのついた膝上のワンピースとフリルの着いたエプロン、
白のヒモで絞るサイハイソックスを購入、即アリスに着替えさせる。
あの日からアリスは色々と髪型を変えており、本日はサイドテールにしておいた。
サイドテールがもったいないが、今はアリスルックを見たいので、いつものストレートにし、頭に
リボンつきの黒のカチューシャをつけてもらった。
うん、まさにアリスだな。
それから、程なくしてフェルを着せ替え人形にしているミラを発見。
既に何着か購入しているらしく、俺の奴隷なので、金を出すといったが、プレゼントだからと、拒否された。
ちなみに、ミラには集落の報酬のうちから100万、アリスには50万渡しておいた。
二人ともいらないと言ったが、ミラは俺の奴隷ではないから、基本的自分のことは自分で払っている。
一緒に食事する時は全て俺が払っているがな。
アリスは、これから奴隷も増えるだろうから、管理などでお金もかかるから、急に入用になったときなどに使うようにと渡している。
あと、前にお金を渡したときと同じことも言っておいた。
宿に戻ったあと、食事を終えてから、銭湯に向かった。
フェルは獣人なので、獣人専用の風呂にしか入れなかったが、かわいそうだと、ミラが一緒に入り、
アリスも続いて入ったらしい。
獣人専用と書いてあるが、獣人以外も別に入っても構わないらしい。
今回はフェルのような小さい子も入っているからなお更だ。
俺も混じりたかったなぁ~。
宿に戻ると、予想はしていたが、やはりミラがフェルと一緒に寝ると言い出した。
明日は俺とアリスとフェルが一緒に寝るとのことで、了承した。
「それじゃあフェルちゃん、一緒に寝よ!」
「はい、ミラおねーちゃん、えっと、おやすみなさい、ツキヒト様、アリスおねーちゃん」
「あぁ、おやすみ、フェル、ミラ」
「おやすみなさい、ミラさん、フェル」
そう言って、フェルはミラと手を繋いで部屋に入っていった。
それにしても、ツキヒト様か、おにーちゃんとは呼んでくれないのね、まぁ主人だから当然なんだけど。
二人を見届けた後、俺とアリスも部屋に戻った。
翌日、9時前に冒険者ギルドに行き、受付に試験のことを話すと、すぐに試験官が来て、
挨拶を始めた。
「今回の試験官を務める、アレッドだ。B級冒険者をしている」
「同じく、B級冒険者のルーツだ。」
大剣を持った、赤い髪をしたイケメンがアレッドで、
赤い石がついた1.5m程の杖を持った、茶髪がルーツだ。
二人とも、俺より後ろのアリスとミラの方をチラチラと見ている。
「今回、B級昇格試験を受けるツキヒトです、今回はよろしくお願いします」
「パーティーメンバーのミラです、よろしくお願いします!」
「ツキヒト様の奴隷のアリスです、よろしくお願いします」
「えっと、同じく、ツキヒト様の奴隷のフェルです、よろしくおねがいします」
それぞれ挨拶をしていく。
フェルだけは、アリスに耳打ちをされながらだ。
「奴隷!?こんな可愛い娘を!?」
アレッドがアリスを見ながら大きな声を出す。
「うぉっほん!」
受付の女性が、わざと大きな咳をして、アレッドを睨むと、アレッドがしまったという顔をする。
ギルド内では、ナンパは禁止と暗黙の了解になっている上、人の奴隷や恋人に手を出そうとすると、
それはもう、女性達から酷い目に合わされるので、アレッドは、これ以上は追求などしてこない。
「それで、後ろの子達も行くのか?」
戦闘が出来そうに見えないアリス達に、ルーツが難色を示す。
「はい、こう見えても、アリスとミラは無詠唱で魔法が使えるので、問題無いです」
「無詠唱!?」
ルーツが目を見開らかせ、驚愕といった顔をする。
あぁ、無詠唱って確かA級冒険者の一部とかじゃないとできないんだっけ?
「そいつはすごいな。そりゃ飛び級で試験を受けるわけだ」
アレッドも驚いていたが、納得いったという顔をしている。
「私達よりもツキヒト君の方がもっとすごいよ!なんたって、ゴブリンの集落を一人で壊滅させたんだから!」
ミラが胸を張って、自分のことかのように言う。
「あぁ、その話ならギルド長から聞いているよ。正直、それだけすごいならA級になっておかしくないんだろうが、飛び級でA級の試験を受けるのは、王都のギルド本部のギルド長にしか許可できないからな」
そうなのか、つまり俺が王都にいたらA級試験を受けることになっていたわけだ。
「それだけの実力があるなら、人食い袋なんて楽勝だろうが、どんな一流の冒険者でも一瞬の油断が
命取りになるからな。後ろの可愛い女の子達を死なせたく無いなら絶対に油断するなよ」
「分りました」
俺にはやるべきことがあるから、死ぬつもりなんて毛頭ないし、アリス達を死なせるつもりも無い。
魔法が強いといっても、俺はまだ戦闘経験が全然無い素人だからな、慢心はしないようにしよう。
「んじゃ、さっさと行って、さっさと終わらせるとしようか」
アレッドがギルドの扉に向かうと、俺達も続いてギルドに出る。
そのまま、森に向かい、森に入って行く。
「本当に無詠唱で魔法が使えるんだな……」
「それよりもあの威力だ、無詠唱であの威力はA級でもそういないんじゃないか……」
アレッドとルーツがミラとアリスが無詠唱でアイスバレットを放ち、一角兎やデスベアーなどを倒していく。
無詠唱での魔法の起動は、ゴブリンの時よりもかなり早くなっている。
二人とも、アイスバレットを作るのに1秒かかっていない。
寝る前や空いた時間に、魔法の練習をさせているので、どうやら効果はちゃんとでているみたいだ。
俺は二人の倒した魔物をせっせとアイテムボックスに入れている。
「アイテムボックスまで使えるのかよ……」
アレッドがげんなりといった顔をしている。
ルーツはさっきから黙りっぱなしだ。
フェルはデスベアーを見て怯えてから、ずっとミラにしがみ付きっぱなしだ。
探知魔法を使うと、今までに無い反応を見つけた。
ルーツに言うと、ルーツも探知魔法を使い確認した。
「人食い袋だな、数は5匹だ」
なるほど、あれが人食い袋か。
「それじゃあ、やっとツキヒトの魔法が見れるわけだな。
二人があれだけ出来るのなら、ツキヒトはもっと凄いんだろうな」
「期待に答えれる様頑張ります」
あんまり期待されても、森の中じゃ使える魔法が限られるから、あんまり大きな魔法使えないんだけどなー。
しばらく歩くと、人食い袋が見える位置に着いたので、全員しゃがんで、確認をする。
うん、どうみてもウツボカズラだ。
「あれが人食い袋だ。蔓の動きは一見遅く見えるが、本気を出すと、B級冒険者でも避けるのに苦戦する。その上、蔓の先から睡眠の効果がある液体を出してきて、肌にかかるだけでも効果があるので要注意だ。
倒し方は、本体を直接斬るか遠距離魔法で倒すのがセオリーだな。下手に蔓に攻撃すると、そこから液体がでてきてしまうからな。
素材のほうは、あの液体が治療の薬として売れるので、なるべく溢さないように」
アレッドが人食い袋について説明をしてくれる。
なるほど、近接は危ないから止めておこう。
「分りました、それじゃあここから攻撃します」
「えっ?」
俺は人食い袋の場所を全て確認した後、5体全て本体に照準を決め、風の刃で真っ二つに切り裂く。
そして、続けざまに切り口を凍らせる。
くそ、真っ二つにしたから、凍らす場所が10箇所になった上、必要以上に凍らせないようにとしたせいで、凍らすのが遅れ、4箇所から液体が少し漏れてしまった。
「しまったな、横着せずに1匹ずつにでもすればよかった」
「……、も、もう終わったのか?」
アレッドが自分の見たものが信じられないといった顔をしている。
「はい、だけど、2体凍らすのが後れたので、液体を溢してしまいました」
素材の値段が下がるのより、液体を溢してしまったことが悔しい。
「い、いや、普通はもっと零れるもんだぞ……、予想よりもずっと凄いな、お前……」
アレッドに、そうなんですか?と、言いつつ、氷が溶ける前にアイテムボックスに入れに行く。
「さて、これで試験は終わりですか?」
人食い袋を全てアイテムボックスに入れ、アレッド達のところへ戻る。
「あぁ、全く問題なしで合格だ、なぁ?」
「……あぁ」
アレッドがルーツに同意を求める。
どうやら無事試験に合格できたようだ。
「それじゃあ戻るか」
アレッドが立ち上がって森の外に歩き出したので、俺達も続いて行く。
帰る途中、フェルが歩きつかれたようなので、俺が背負うと、すぐに寝てしまった。
「恥を忍んで聞くが、どうやったら無詠唱魔法が使えるようになるんだ?
コツなどあれば教えてほしい」
道中、ルーツが無詠唱のコツを聞いてきた。
高ランクの冒険者ほどプライドが高く、自分より下の物に教えを請うことなどそうそう無いと思っていたが、ルーツはそれでも自分の成長の為に俺に聞いてきたので、思わず感心した。
とりあえず、アリスやミラにやらせたことを教えると、
「なるほど、魔力制御か……駆け出しの頃はやっていたが、すぐに止めってしまったあれが
無詠唱に繋がるとは、それに、イメージだけではなく、使う魔法の過程と理解を深めるか……、
まさに目に鱗だ、今まで自分が如何に魔法という物を理解していなかったと、改めて思い知った。
感謝する、ツキヒト」
ルーツに頭を下げて感謝されるなどといったことも合った。
まぁ、理解なんて科学が発達した世界に居た俺だから分ることだし、
魔法が当然この世界じゃ、何でも魔法だから、で片付いてしまうんだろうな。
それに俺だって、まだ完全に把握してる訳でも無いから何とも言えないな。
それから俺達はギルドに戻ると、受付に試験の結果を伝え、また2階の第一会議室で待つようにと言われた。




