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フィリアの信仰  作者: 緑茶おいしい
10/63

始めての戦い

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よろしくお願いします。

3/8編集しました。

「で、できました!」

「おめでとうアリス」

「おめでとう!アリスちゃん!」


あれから俺達は森に入り、探知魔法を使い、一角兎を次々と狩り、

今、丁度5匹目をアリスが倒したところだ。


「発動に時間はかかったけど、無詠唱も出来たし、ちゃんと当たったし、上出来だね」


アリスの放った弾丸状にして回転を加えた氷(アイスバレットと名付けた)は、見事一角兎の胴体に

当たり、倒すことが出来た。


「まさか私が無詠唱で魔法が使えるなんて、思ってもいませんでした!」


初めて無詠唱魔法ができて、興奮しているアリス


「私もだよ!時間はかかるけど初めて無詠唱魔法ができて、すごく嬉しいよ!」


一角兎なら、俺1人で簡単に狩れてしまうので、どうせならと、アリス達の魔法の練習ついでに

倒させることにした。


「それにしてもツキヒト君、他の人に魔力を分けれるなんてすごいね!」


初めての無詠唱魔法に加え、形成と回転を加えることに普段より多くの魔力を使ってしまい、

1発撃つだけで魔力がほとんど無くなったミラの為に、俺の魔力を分けたのだ。


「これも他にできる人いないのか?」

「どうだろう、聞いたこと無いなー、アリスちゃんはある?」

「私も聞いたことが無いですね」


ふむ、本当にいないのか、それとも使える人が黙っているだけか。


「まぁ、魔法なんて結局イメージを具現化してるようなものだし、結果だけじゃなく、過程に加え、何故そうなるのかっていう、理解も深めれば、威力も強くなるさ」


へーっと、感心するミラ


「そういえば、氷を得意とする魔法使いが雪の降る場所に行き、威力を高めたりなどしたと、

聞いたことがあります」

「それじゃあ私も雪が降るところに行けば、もっと強い水魔法使えるのかな?」


アリスの言葉に食いつくミラ


そんなミラに


「ほら、雪が降ったぞ」


といって、俺がミラの頭上に雪を作って降らす。


「わっわ!ゆ、雪!?なんでこんなところで!? 」


いきなり頭上から雪が降って慌てるミラ。


「ほらほら、水魔法を理解するチャンスだぞー」


慌てていたミラが俺が原因だと気づき


「ツキヒト君がやってるの!?すごいけどちょっと止めてよー!」


俺ではなく、アリスに抱きつくミラ

ふむ、俺のところに来たらそのまま降らそうと思ったが、

アリスなら止めておくか

ミラも小ざかしいことを考える


「ふぅ……、ちょっとツキヒト君!いきなり雪を降らせるのやめてくれないかな!

しかも私のとこだけ!」


アリスに抱きついたまま、こちらを向いて怒るミラ


「そうですね、今のはかわいそうだと思います」


初めてちゃんとアリスに怒られた。

アリスも随分とミラと仲良くなったもんだ。

よきかなよきかな


「悪かった悪かった、それよりも少し早いが昼飯にしよう」


アイテムボックスから、レジャーシート代わりの布を出して敷き、

ミミちゃんから借りたランチボックスとコップを取り出す。

コップに水出しの紅茶を入れ、ランチボックスの蓋を開けて準備完了。


「ほら、座って座って、あ、ちゃんと浄化魔法使ってから食べるんだぞ」

「え、あ、うん」


ミラが俺の勢いに流されて座る

アリスは俺の隣に座る


ミラは浄化魔法が使えないので、俺が変わりに使ってやる


「もしかして、ご主人様は今朝はこれを用意していたんですか?」


今朝の俺がいなかった理由に気づき、尋ねてくる


「あぁ、夕方くらいまで狩りをするつもりだったから、用意しとこうと思って」

「ねね!これ食べていいの!?」


ランチボックスの中身を見て、待ちきれない、といった感じのミラ


「あぁ、いいぞ」

「頂きます!はむっ、もぐもぐ、んーおいしー!」


美味しそうにサンドイッチを頬張るミラ


「んじゃ俺も」


俺もサンドイッチを取り、口に入れる

では、私も頂きます、とアリスも俺に続く。


んー、まぁまぁかな。


ちなみに、サンドイッチの具は、ローストチキンにサニーレタス、トマト、新玉ねぎに加え

、前日に予め作っておいたマヨネーズだ。


「これはとてもおいしいですね」


アリスにも好評のようだ。


「どれもおいしいけど、この白いソースが特にいいよ!

何のソースなの!?」

「マヨネーズだな」

「マヨネーズ?」


思ったとおりこの世界にはマヨネーズは無かった。

ソース類は基本手間がかかるので、簡単に出来るマヨネーズだけ作っておいた。


「俺のところで使われてた調味料だな」

「へー!」


ミラが3つ目へと手を伸ばす、アリスも二つ目にいっていた。


「あれ?ツキヒト君の食べてるのってトマト入ってない?」


ッチ、気づかれたか


「そうだな」


何食わぬ顔で手に持っていたサンドイッチを平らげる


「ははーん、トマト嫌いなんだー、ツキヒト君子供みたーい」


口の周りにマヨネーズつけてるやつに言われたくない


「生を好んで食べないだけで、食べれないわけじゃない。出されたらちゃんと食べるから問題ない。

アリス、口の周りを拭いてやれ」

「はい」


ハンカチを取りだし、ミラの口の周りを拭くアリス


「んー!」


アリスに口の周りを拭かれて、顔を赤くするミラ


「そういえば、リューだっけ?彼女達は何のクエストを受けたんだ?」


Cランクの受けるクエストには興味がある。


「リューの受けたクエストなら、リリスさんに聞いたけど、ゴブリンの調査だって」


おお、定番のゴブリン、ついにきたか


「ゴブリンて、小さくて緑で、数が多く繁殖力が高くて、異種族の雌と交配するってやつ?」


とりあえず思いつくゴブリン像を述べる


「うん、あってるよ、丁度2週間前にゴブリンの集落を騎士団と冒険者が潰したんだけど、

大体1ヶ月くらいしたらまたできるから、定期的に集落が出来てないかって、調査するんだよ」

「一ヶ月ってだいぶ早いな」

「そうなんだよねー、倒しても倒しても数日したら沸いて出るから常にクエストが出てるくらいだよ、あっ、ゴブリンのクエストはDランクからBランクが対象だね」

「DやCは分かるけど、Bは随分と高いな?」

「ゴブリン1体だけならEランククラスなんだけど、

Bクラスのクエスト位にはなると数は200匹以上とかいるらしいから、

その位必要になるんだよ」


なるほど、数の暴力か。


「じゃあCランクだと、そこそこの数がいるかもしれないからか」

「そんな感じだねー、ふぅ、ご馳走様でした」


結局4つも平らげたミラは満足そうだ。

ちなみに俺とアリスは2つづつだ。


美味しそうに紅茶を飲むミラを見ながら、そういえばミラのステータス見てなかったなーと思い、

見てみる。


  ステータス


 【 名 前 】 エルミラ・アメリア

 【 年 齢 】 14

 【 職 業 】 王女

 【 レベル 】 5

 【 体 力 】 110

 【 魔 力 】 390

 【 攻撃力 】 70

 【 防御力 】 65

 【 俊敏性 】 78

 【 魔 攻 】 110

 【 魔 防 】 90

 【 スキル 】  剣術lv2 火魔法 水魔法 風魔法 回復魔法 生活魔法

魔力強化lv1 魔力回復力強化lv1 魔力吸収lv1 


「ぶほっ!げほ!ごほ!」


飲んでいた紅茶をおもいっきり吹いてしまった。


「大丈夫ですかご主人様!」


アリスが俺の背中をさすりながら、ハンカチで口元を拭く。


「だ、大丈夫!?」


ミラも心配してくる。


「げほっ、ごほっ、だ、大丈夫」


なんとか、落ち着く俺。

まさかミラが王女とは思ってなかったので、めちゃくちゃ驚いてしまった。


それにしても王女がなんで冒険者を?

もしかして、こんな窮屈なとこにいられるかー!って感じで、飛び出したとか?


でも王女か、うまく取り込めば、信仰復活に使えるか?

いや、いくら王女でも王を相手に宗教を変えろと言っても無駄だろうし、

逆に危険なことになる可能性が高いか……。


まぁ、何かの役に立つかもしれないし、なによりアリスの友人だから

何かあったら守ってやるか。


なんて考えていると


「えっと、ちょっとお花を摘みに行ってくるね」


ちょっと、挙動不審気味にミラが立ち上がる


「あぁ、トイレか」


分かっている癖にあえて口にする俺


「ちょっと!なんでそんなこと言うかな!」


そんな俺に当然怒るミラ


「はいはい、それよりもこれやるから使え」


俺はアイテムボックスからポケットティッシュをいくつか取り出して、

ミラに渡す。


「紙?って、なにこれ!すごく柔らかいんだけど!」

「いいからさっさと行って来い」

「もー!あとでちゃんと教えてよね!」


不満そうにしながら、離れていくミラ


この世界でトイレに行ったときに、チリ紙があったのだが、硬いので一々揉んだりしなくては

いけないので、常備していたポケットティッシュを使っていたのだが、

4パック入り(高級な鼻をかむ用のティッシュ)しかなかったので、何とか数を増やしたかったので、

昨日なんとか増やせないかと、魔法で試したら見事複製に成功したものだ。

成功したときには思わず叫んだね。


どうやらこの世界の魔力は、何にでもなる粘土みたいな物だと判断した。

そもそも魔力を火や水に変える時点で、物質になることが証明されているのだから、

原子レベルで構造を把握すれば、どんな物でも複製が可能だろう。

ちなみに、当然原子レベルで構造を把握なんてできないので、探知魔法の応用の物質の構造を解析する魔法を作り、解析しながら複製をしたが、もの凄く疲れた。


ティッシュはある程度数を作って、アリスにも渡してある。


「ご主人様は、ミラさんのことを随分と気に入っているんですね」


アリスが寂しそうな声で言う。


「ん~、なんかミラって、犬っぽくない?」

「犬、ですか?」

「そう、身体全体で嬉しさを表現したりとか懐き方とか、昔飼ってた犬を思い出してさ

ついつい、からかっちゃうだよな」


だから、特別な感情はないよ、と言う。


「そうですか、たしかにミラさんは愛らしいですからね。

ご主人様の気持ちがなんとなく分かります」


楽しそうに言うアリス。



「ツキヒト君!この紙もっと欲しいんだけど売ってくれないかな!」


戻ってくるなり、ミラが興奮しながら言う。


「んー、別に欲しいならいくらでもやるよ」


アリスに膝枕をして貰っていた俺は、アイテムボックスから10個ティッシュを出して、

ミラに渡す。


「ありがとう!これを売り出せば絶対に売れるよ!」

「んー、まぁ考えとく」


アリスの膝枕が気持ちよくて眠くなってきた。


「……、二人は本当に仲良いね」


「まーねー」

「全部ミラさんのおかげです、ありがとうございます」


俺の頭を撫でながら、ミラに感謝するアリス


「んー、まぁアリスちゃんが幸せそうだから別にいいんだけど……」


納得いかなげに座るミラ


そんな時、少し離れたところで、ガサッっと音がした。


俺は慌てて探知魔法を使う。


「かなり大きいな、形状からいって熊か?」

「熊!?もしかして、デスベアー!?Cランクの魔物だよ!」


俺達はすぐに警戒態勢に入る。

アリスはシートなどをアイテムボックスに閉まっている。


「ミラ、熊の素材は高く売れるのか?」

「え、うん、肝なんかも薬に使えるし1頭で100万リアはするかなって、もしかして倒す気!?」


ミラの声に気づいたのか、こちらに、のそり、のそり、と近寄ってくるデスベアー


見た目が熊な時点で怖い

もし、あれが叫びながら突進してきたらみっともなく逃げ出しそうだ

なのでそうなる前に倒そう


「は、早く逃げようよ!デスベアーの皮は魔法に耐性があって効きにくいし、剣も通りにくくて

打撃も効かないから、初心者殺しで有名……な……」


俺は一角兎で使ったときよりも大きい、アイスバレットをデスベアーの頭に撃つ。

アイスバレットは、デスベアーの頭を貫通して木にめり込み、止る。


うん、今度は威力調整できたな。


「……、初心者殺しがこんなあっさり……」


ミラは1人で呆けていると


「ご主人様なら当然です」


いつも通りのアリス


「これで150万リアは行ったかなー、解体はどうする?」

「え、あ、デスベアーの解体はしたことないから、ギルドでお願いしたほうがいいかな」


ふむ、せっかくの素材を駄目にするのも嫌だし、素直にギルドにお願いするか

アイテムボックにデスベアーを仕舞う。


「ツキヒト君のすることに一々驚いていたら、キリがない気がしてきたよ……」


肩を落とし、諦めたように言うミラ


「まだ時間もあるし、もうちょっと狩りしてから帰ろうか」

「わかりました」

「はーい」


もう一度探知魔法を使って、魔物の場所を確認しようとした瞬間

矢に刺さるミラの姿がだぶって見えた。


「っ!」


咄嗟にミラを中心に魔力で作った障壁を作る、出来ると同時に矢が障壁に当たって跳ね落ちる。

未来視が自動で発動したおかげでなんとか防ぐことができた。


「な、なに!?」


自分に矢が飛んできた事とそれを防いだ障壁に驚くミラ


「アリス、障壁を張れ!」

「はい!」


アリスが俺を中心に、3人を守るように、ドーム状の障壁を張る。

俺は即座に矢が飛んできた方角に目を向け、矢を放った敵、ゴブリンを見つけ、アイスバレットを撃つ。

それとほぼ同時に探知魔法を使い、索敵する。


「今のもしかしてゴブリン!?」


軽くパニックになっているミラ


索敵の結果50を超える敵がいることが判明する。


「やばいな、数は50以上、12時の方向に30以上、2時と10時の方向に10ずつか、

ゴブリンの癖に賢いじゃねーか」

「ゴブリンは、ゴブリンリーダーって言われるリーダーがいたら、ちゃんと統率を取ることができるんだよ!」


なるほど、どうする?逃げるか?

などと考えていると、3つの大きめの反応がこちらに向かってくるのが分かる。


「形状は……人か!たぶん襲われて逃げてるところだ!アリス、障壁は俺が代わるから

ちゃんと着いて来い!ミラも!」

「分かりました!」

「わ、わかった!」


俺が自分を基点に障壁を張るとアリスが代わるように障壁を消す。


そのままこちらに向かってくる3つの反応に向かって走る。

走っている途中に矢が飛んでくるが、そのたびに魔法で倒していく。


「いた!」


前方に1人足を怪我をしているのか、肩を支えられながら逃げてくる男と、それを支える男、

右肩に矢が刺さっている男が必死にゴブリンから逃げている。


よく見ると、リューと同じパーティーの男達だった。


「に、逃げろ!ゴブリン達が来てるぞ!」


肩を支えていた男が、俺達に気づき逃げるよう、言ってくる。


この状況で助けを求めるではなく、逃げろという男に感心する。


俺は男達にも障壁を張ると、強い風を放ち、追いかけていたゴブリンや、木に登って矢を

放っているゴブリンを吹き飛ばす。


「アリス、回復をしてやれ」

「はい」


探知魔法を発動させ、もう一度索敵する。

先ほどの風魔法で近寄っていた敵はいなくなったが、前方に多くの反応と、その中に、人間と思われる反応もあった。


「た、助かった」


肩を支えられていた男は、どうやら毒に侵されていたようで、顔色が悪かったが、

アリスが解毒をし、傷を治すと顔色が良くなった。


「状況は?」


俺はリーダーと思わしき男に聞く


「え、あぁ、数は200以上でゴブリンの集落が出来ていた、俺達はギルドに戻って報告を

しようと思ったんだが、見つかってしまい、リューとエルが・・・・・・頼む、あんたはすごい魔法使いだってのは、今の魔法で分かった!だから、一緒にあいつらを助けるのを手伝ってくれ!」


リーダーが俺に懇願するように言う。


「リュー……、私からもお願い、ツキヒト君!」


ミラもリューが捕まったと聞いて俺に懇願する。


ゴブリンに捕まった女性は悲惨だ。

だから一刻も早く救う必要があるだろう。


「もちろんそのつもりだ、アリス、回復は済んだか?」

「はい、終わりました」


最後の肩に矢が刺さっていた男を治すと、立ち上がるアリス


「リュー達を助けるのは俺がやる、お前達はアリス達を守ってやっててくれ」


アリスは障壁が張れるが、まだ魔力量に不安がある。


「わかった!任せてくれ!」


男達がそれぞれを武器を手に取り、立ち上がる


「ミラ、お前は魔法で遠距離の敵を狙え、アリスは障壁だ」

「お任せください」

「任せて!」

「じゃあ行くぞ!」


俺達は、ゴブリンの集落に向かって走り出す。


さき程のミラに矢が刺さる光景を見てから、心臓が驚くほど早く動く。

この世界に来て、初めて明確に感じた死。


心は恐怖が溢れると同時に、不思議な高揚感も溢れる。


この世界に来て始めての戦いが始まる、負ければ全てを失うかもしれない。

それでも俺の心は、やっとこの時を待っていた!と叫んでいる。


「この!」


走っている最中、矢を撃ってくるゴブリンに、ミラが一角兎を狩っていた時よりも

明らかに早く魔法を発動させ、ゴブリンを仕留める。


「む、無詠唱、それにあの威力……、すげぇ……」


男の1人がミラの無詠唱に驚いてる。


「っ!見つけた!」


魔力で強化した視力にて、集落の入り口を見つけ、その奥の広場に女性達が、

服を剥ぎ取られ、今、まさに犯されそうな場面を見つける。


咄嗟に広場の上空辺りに魔法で爆発を起こす。


何事かと、ゴブリン達が上空を向く。


その瞬間、俺は短距離転移魔法の瞬間移動を使って、リューの傍に現れる。

それと同時に、近くのゴブリンを風魔法で両断する。


転移魔法のゲートは、黒いゲートが出来てしまうので、実戦の最中では使用しずらいので、

短距離移動用の転移魔法も覚えておいた。

しかし、目に見える範囲にしか移動できないのが欠点だ。


「っあ」


リューが俺に気づく。

そんなリューを無視して、リューに触れると、また瞬間移動で、もう1人の女性の傍に移動し、

触れると同時にアリス達のところへ移動する。


あっという間のことに、アリス以外、驚きで声もでない。


「アリス、ゲートを開くからそいつらを連れて行け」


俺はゲートを森の外へ設定して開く


「ご主人様はどうなされるのですか!」

「あいつらを倒す」

「そんな!私も残ります!」


俺の胸に抱きつき、懇願するアリス


「さっきの感じで分かったが、あいつら如きなら俺は絶対に負けない。

言うことを聞かないと、命令するぞ」

「っ、分かりました。皆さん、その黒い穴に入ってください」

「こ、これにか?」


不安なのか、中々ゲートに入らない男達


先ほどから障壁に矢が当たっては落ち、

近づく敵は俺が風魔法で倒している。


「わ、私が最初に行くよ!」


ミラがゲートに向かって歩き、リューを支えながら足を踏み入れる。

そんなミラを見て、男達も入っていく。


「ほら、アリスも」

「……はい、どうかご無事で」


俺にキスをして、ゲートに入る。

アリスが完全に消えるのを待って、ゲートを消す。


「……ふぅ、やっと試せる」


アリス達を逃がしたのは、別に、正義感などではなく、

俺が今から試す魔法の邪魔になるかもしれないからだ。


今まで試したくても、周りの被害を考えて試せなかった魔法がいくつもあり、

今は合法的に使える状況だ。


だから俺は、今は絶好の機会だと考えていた。


「よし、やるか」


探知魔法を使い、ゴブリンの位置を調べる。

どうやら、全部のゴブリンが1人になった俺に向かってくるようだ。


俺は意識を集中させ、氷魔法を地面に広範囲で発動させる。

瞬く間に地面が凍りだし、地面にいたゴブリン達の足を凍らせる。


そして次に、魔力をさらに集め、風を起こす。

風はうねりをあげ、だんだんと竜巻へと変わる。


竜巻は徐々に巨大になり、あっという間に集落を潰し、周りの木々をなぎ倒し、吹き飛ばす。


竜巻を消した時には、周りはひどい有様になっていた。


「……ふぅ、……気持ちいいいいいいいいいいいいいい!」


初めての大魔法を使い、出来たときの達成感と威力に興奮する。


「あー!やっぱ魔法はこうでなくちゃな!」


一応探知魔法を使って索敵するが、当然自分以外の動物の反応は無い。


正直まだいくつか試したいが、魔力が今のでほとんど使ってしまったので、おとなしく戻ることにした。


「ご主人様!」


ゲートをくぐると同時に、アリスが抱きついてきた。


「おっと、ちゃんと全部倒してきたよ」


抱きついてきたアリスを抱きとめる。


「さすがです、ご主人様……」


俺の胸に顔を寄せながら、涙声で言う。

そんなアリスの頭を撫でてやる。


「さ、さっきの竜巻、ツキヒト君がやったの?」


ミラが恐る恐る聞いてくる。


「ん、あぁ、火だと火事になって大変だからな」

「……、ツキヒト君、本当になんでこんな低ランクの冒険者なんてやってるの……」


もう諦めたように言うミラ


「あんた!本当にありがとう!おかげでうちのメンバーは全員無事だった!本当にありがとう!」


リーダーが俺に頭を下げる


「あんた達がいなかったら俺達死んでたよ!本当にありがとう」

「まじで助かったよ!ありがとう!」


口々に感謝の言葉を述べる男達。


「あんた、ギルドでは悪かったね……、助けてくれて本当に感謝してるよ……」


身体に布をまとったリューが言う

もう1人の女性も、何度もありがとうと言っている。


「ミラが世話になったみたいだし、別に気にしてないさ。それよりも無事でよかった」


そういうと、リューが泣き出し、ミラが抱きしめる。


それから、俺達はギルドに戻り、今回の事の顛末を報告し、

俺の異世界での、始めての戦いは終わった。

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