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勇気


「とにかく、俺は絶対嫌だからな!」


「いいか、よく聞け……」


言い合いが始まろうとしていた所に人の話し声が近づいてくる。

そっちを見ると村の村長と子供達が坂を登ってくるのが分かる。

向こうもこちらに気づいたらしく足早になって近づいてきた。


「すいません、急に。何か声が聞こえてましてけど今は大丈夫ですか?」


「いやいや、大丈夫です。今も弟子が魔物を倒して村を守るのは俺しかいないなんて言い出してた所なんですよ」


「そ、そうなんですか。いや、私達の為にすみません本当にありがとうございます」


こちらに向かって深くお辞儀をする。

おい、お前は何を言っているんだ、やめろ、そんな感激した顔で握手を求めてくんな!野菜の育て方しか教わってねーよ!


「いやぁ……」


なされるがままに握手をする。

どうにかここらで断りをいれないととんでもないことになるぞ、おい。

言え、俺!言うんだ!自分には出来ません、と。

そう心に決め口を開こうとした瞬間、周りの子供達が喋りかけてくる。


「凄い!流石、一番弟子様なんだ!」


「僕達、何もできないから……これ、作ってきたんだ!」


「うまく作れなかったけど……」


そう言って紐に繋がれた綺麗な石を渡される。


「これは……?」


「お守りだよ!」


「おまもりー」


「一生懸命作ったの!」


周りで口々に言う、それを見て村長が口を開く。


「この地方に伝わるお守りです、お弟子様に渡すと言って聞かないものでして」


キラキラした目でこちらを見つめてくる子供達、それを見て微笑む村長。


「そう言えば先ほど何か言いかけてませんでしたか?」


信頼した目でこちらを見ているのが分かる。

この状況でも言うしかない、言うしかないんだ!


「俺に任せてください、村の平和は守りますよ」


言える訳ねーよ!!この状況で!!ちくしょうっ!!

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