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9章⑦
告別式が終わり、棺に花を入れた。
棺に釘が打たれ、出棺する。
信明も火葬場へついていった。
小さな火葬場で、棺をまさに火葬炉に入れようというときに、誰か知らない年配の女性が泣いた。その瞬間信明も決壊した。声を上げて泣き出した。
「早苗……なんで……」
顔がゆがむほど、涙があふれ出た。
早苗の母親が支えてくれたが、彼女も泣いていた。
泣き声に包まれながら早苗の棺は暗い炉の奥へと消えた。
一時間半後、早苗が骨となって出てきた。
小さな、きれいな骨だった。
だが、信明には直視できなかった。
骨を砕く音がして、信明は嗚咽した。




