表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/55

6章⑧

 テストが終わり、再びソフトボール部の練習が始まった。

 初っ端から五キロのロードワークで、千香は走っている最中、信明とラーメン屋で話したことを思い出していた。

 たしかにわたし、はじめから放棄していたな。亮太は振り向いてくれない、無理だから絶対いわないって。わたしにだって亮太に想いを伝えるってことはできるんだから、何もしないまま諦めるのが前提なんておかしいよね。

「千香先輩今日は遅いですね。ぼんやり走ってるように見えますけど、さては恋の悩みですか?」

 長距離走が苦手で、いつも後方で最下位争いをしているおたみさんに追いつかれた。

「な……そんなふうに見えた?」

「ええ。私も恋してるからわかります」

「へえ」

「まあ、叶うことはないんですけどね」

「なんで?」

「彼は二次元の世界にいるからです」

「ああ」(そりゃ無理だわ)

「でも、恋するって素敵だと思いません? なんか生きてる感じがして」

「へえ、おたみさんってそんなこというキャラだっけ?」

「どんなキャラだと思ってたんですか?」

「ぐへへとか、うへへとか」

「ひどっ。それいったら千香先輩はヘタレですよ。ヘ・タ・レ」

「なにそれ? ダメなやつってこと?」

「お先デース」

 おたみさんが千香を抜いていった。

「ちょっと」

 おたみさんに抜かれるなんて。

 千香はペースを上げ100メートルほどで、おたみさんを抜き返した。

「おたみさん、お先。ベーだ」

 抜く際あっかんべーをした。

「ぐっ、逆襲の千香先輩か」

 いまはそりゃヘタレかもだけど、きっといつか返上してやるんだから。

 そのときまで待っててよね。

 千香はさらにピッチを上げ、前を走る部員をまた一人追い抜いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ