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ノアの活躍により人類は救われた。しかし愚かな人類はそのノアを軍事目的で使用することを考えたた。研究の結果、ノアは人体に取り込んだノアを行使することで体外にあるノアを操作できることが分かった。もちろん個人差や経験の差はあるが火を出したり、水を発生させることができる者も珍しくはない。軍がこれを黙って見過ごすわけがなく今やノアを使った戦争にまで発展している。
よってノアの研究は国におけるもっとも重要な研究といえる。今もこの国で最高峰の研究所である少女がノアの研究をしていた。
「う~ん。やっぱり私の支配空間は半径100メートル程度が限界か・・・」
白衣を着て何やらよくわからないことを言っているこの少女はの名は境未空。この研究所で一番大きな研究室の室長である。
「室長!今度は何の実験してるんですか?勝手なことしないでください!」
彼女の研究室の研究員。つまりは未空の部下なわけだが未空に注意をしているようだ。未空はいつものように怒っている研究員に対して少しおどけているようだ。
「え、だって急に思いついたから無性にやりたくなっちゃって。ごめんね」
ごまかすように舌を出して研究員に詫びを入れる未空。
「全く。いつもあなたは・・・。しょうがないですね、もうやらないで下さいよ。研究室がめちゃくちゃじゃないですか。」
説明が遅れたが未空の周りには機材が散乱している。しかしなんだかんだで呆れながらも未空を許す研究員からしてこのようなことを未空はするのは初めてでないのかもしれない。
「ところで、今日は恭也様がおいでになるのではなかったのですか?」
「え?ああ、そうだった!今日はお兄ちゃんが来るんだった。どうしよう・・・」
研究員の言葉に動揺する未空。どうやら未空の言葉からして恭也という者は未空の兄らしい。
「おーい。邪魔するぞってなんだこの散らかりようは」
「お、お兄ちゃん・・・」
噂をすれば何とやらとはよく言ったもので軍服らしきものをきた未空の兄、恭也が未空の研究室に入ってきた。