表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
言葉で伝わらなくても。  作者: モロキ
67/105

告白

藤井さんに訊ねられ、

忘れていた緊張が、にわかに甦る。


俯いて目を伏せて、どうしよう、怖い、

言わずに済まそうか…… 弱気になる。


でも、もう、次はきっとない。

藤井さんが足を止めてくれるのは最後だから、

きちんと言わなくちゃ。

と、

その時違うと思った。


違う。

そうじゃない、

私が伝えたいんだ。

付き合っていた時に、言えなかったことや

伝えられなかったことを

私が言いたいんだ。


私は顔を上げる。

藤井さんはじっと見てる。

視線が絡み合う。

大丈夫、聞いてもらえる。

私は言った。


「藤井さんが好きです。大好きです。」


感情が溢れて、目から涙が零れる。

藤井さんの顔が滲む。

ハンカチなんて要らない、

今は気持ちを伝えたい。


「最初から、惹かれてました。


藤井さんは遊びで、

私も割り切らなきゃって思うのに、

それなのに、心は止められなくて、

どんどん好きになって、

苦しくて辛かったです。


気持ちを知られたら、そばに置いてもらえないって思ってて、

重たい女だって嫌われたらどうしようって、そんなことばかり考えてて、


でも、でも、本当は、

本気になって欲しかった。

だけど、そんなの無理だって思って、

その繰り返しで、………


半年も経って、

やっと、分かったんです。

私はまだ、

藤井さんに何も伝えてないって。

だから、今日、

伝えたいです。」


手で涙を拭う。

大好きな藤井さんの顔、

藤井さんの目を見て、もう一度告げる。


「好きです。


私だけのものになってください。」











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ