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言葉で伝わらなくても。  作者: モロキ
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その晩の夢 2

それから先は、

驚いて身体を固める、

恥ずかしくて抵抗する、

余りのことに身を縮める、

切なくて体を捩る、

そんな私を彼が宥める、

その繰り返しだった。


いつもと違うキス、押しつけられた唇の熱さが、私の頬を熱くする、呼吸が上手くできない。

次第に深まるキス。

「ヤッ、」

わずかに開いた口の中に、彼の舌が入り込んだ。

えッ、わッ、何ッ、?

顔を背けて逃げようとする私、彼の手が頬をなでて、宥める。

大丈夫だよと言われているみたい………

少し落ち着き、彼の舌を受け入れる。

それが彼に伝わり、勢いを増す。

舌を吸われ、舐められ、絡められる。

私は彼にしがみつき、夢中になって、彼の舌を追った。

舌が絡み合い、あふれた唾液は口から零れて、顎を伝い、彼に舐め取られる。


「あッ、」

声が出る、恥ずかしくてイヤらしい声……


「可愛い、感じたの?」

彼の囁きに身体が火照る。こんな私、見られたくない! 顔を覆おうとした両手を束ねられ、涙目になって彼を睨む。

恥ずかしくてたまらないのに!と、訴える。

訴えは聞いてもらえない。

彼は私の両手を拘束したまま離さない。


私の頬を何度もなでて、


「可愛い」


もう一度囁き、それから、彼の唇は私の身体に降りていった。





彼の熱を受け止めてから、どれくらい時間が経ったのだろう。


いつの間に服を脱がされたのだろう。


何度も挿入され、揺さぶられ、


「可愛い」と囁かれ、


私は、彼の特別になった。


と思った。







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