お見合い?3
えっと、、、状況を整理しよう………
私は絵に描いたような平凡な男と見合いしたはず、
なのに、私の横にいるこの男は、
見上げなければならない背や
端正なお顔はともかく も、
私を凍らせる視線、オレ様な口調、
非常に失礼な物言い、
これを平凡とは言わないよね。
私のこと、
腹黒だって!?
「何で分かったんですか?」
「何が?」
「腹黒なとこ、て真っ黒じゃないし。
グレーくらいだと思うけど。」
「そこは否定しようよ?」と笑った?ようだ。
確信はない。
だって、表情が変わらないから 。
頬がピクッと動いたぐらいだ。
「認めちゃったらダメじゃん。空気読もうよ。
腹黒って誉め言葉よ、オレにとっては、
欲望に忠実な女は大好き、
計算する女も面白い、
結婚は遠慮するけど。
オレがこの話断ったら、
アンタさぁ、すぐ次に行くの?」
ハンドルにもたれて、こちらをチラッと見る。
「この話は、私から断ります!」
宣言した。
絶対、アンタから断らせない!
先に断らせたりしない!!
この男とは合わない!!
いちいちカチンカチンくる。
何様のつもり!?
期待はしてなかったけど、
こんなひどいとも
思ってなかった。
柿木さんだっけ、は
「アンタ、車から降りれないよ。」
と言う。
「ハァ、降りれないわけないじゃん。」
売り言葉に買い言葉。
勢い、私の言葉も荒くなる。
「馬鹿だろ?とんでもない馬鹿、
どうやって帰る気?
ここがどこか、分かってんの?」
思いきり馬鹿にされる。
「どこって……… アッ、
……… 高速のサービスエリア。」
「電車もタクシーもないよなぁ。この車から降りて、どうやって帰るつもり?」
気づかなかった、、、
悔しい! 情けない!
でも、絶対に負けたくない!
「アンタの知ったことじゃないわよ!」と言って、
車から飛び降りて、ドアを力まかせに閉めた。
ガチャンと大きな音が響く。
ザマーミロ、胸が少しすく。
助手席の窓ガラスを少し下げて、
柿木さんだっけ、は
「へえぇ、負け犬の遠吠え?
じゃ、せいぜい頑張って帰ってね。」
手をヒラヒラとふる。
「この、ひとでなし!」
と罵ると、
「オレ、イイコにはイイヒトなの。」
と窓ガラスを上げて、車を出した。
その後、どうやって家に帰り着いたかは後日談にさせてください。
今はまだ思い出すとただ怒りが沸いて、
「怒髪天を突く」の四字熟語が浮かぶから。




