お見合い?2
間もなく、
後は若いお二人で、ということになり、
柿木さんだっけ、は車をホテルの駐車場から出し、
高速に乗った。
柿木さんだっけ、は黙ったままだ。
私は助手席に乗って、柿木さんだっけ、を
時たま、横目でチラ見する。
栞ちゃん、お見合いは恐ろしいものだったよ。
おばさんの話を信用してはいけなかっよ。
心の中で報告をする。
それにしても、
ハンドルを握っている、柿木さんだっけ、の
思惑は???
推理するだけのデータがないのがとても残念。
「柿木洋介、見合い相手の名前ぐらい
覚えとけッ」
突然の声。
フルネームどころか、名字さえ
うろ覚えなことに気づくとは、流石です。
でも、あなたは私が望んだ相手ではありません 。
敦子さんに文句いってやる。
サンへーは、中肉中背、中堅大学出身で、
平均的な年収の人だったはず。
穏やかな人と送るはずだった私の夢は
こなごなに砕けた。
敦子さん、あなたを恨みます。
車が、高速のサービスエリアに止まった。
サイドブレーキをかけ、エンジンを止めた
柿木さんが、私の顔を覗きこんで言った。
「アンタ、里菜ちゃんだっけ?
腹黒なの?顔がゆがんでるよ。」
いきなり、爆弾を投げつけてきた。




