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言葉で伝わらなくても。  作者: モロキ
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栞ちゃん

制服に着替え、オフィスに入る。

デスクにつき、パソコンを立ち上げ、今日の段取りをする。急な案件の指示がメールで来ている。

それを確認して、うぁ、午前中が勝負だと思っていると、栞ちゃんがコーヒーを持ってきてくれた。

「おはようございます、里菜先輩。コーヒーをどうぞ。」

「おはよう、栞ちゃん。ありがとね。」

今年は二人の新入社員が営業に配属された。

栞ちゃんはそのうちの一人だ。そして、素直でかわいい。少しトロいけど、そのぶん、仕事は丁寧だ。

勿論飲み物は自分で入れるけど、朝一番のコーヒーは彼女の好意に甘えて、有難く頂いている。


岩瀬さんは、事前の打ち合わせで席空きだ。

私も頑張らなくちゃとパソコンの画面に集中した。


お昼は八重と栞ちゃんとで8階の社食へ行く。タニタには及ばないが、かなり健康を意識したメニューが並んでいるので、社員にも評判がいい。

空いた丸テーブルに3人で座って定食を食べていると、入り口がざわめいている。

体内センサーが警戒せよと命じる。



八重が「藤井さんたちだよ。」とだけ教えてくれた。そちらを視界に入れないようにしながら、栞ちゃんの恋バナを聞いていた。

高校生の時の恋を引きずっている彼女は、21才の今まで彼氏がいなかったそうだ。

「一途だね。」と感想を口にする。八重もそう思ったみたいだ。

すると、栞ちゃんは、

「そんなんじゃないですよ。今はもう惰性ですよ。だって、高校を卒業してから一度も会ってないですから。彼以上の人がいたら、いつでもウェルカムですよ。」と言う。

それから、彼女は合コンに行きたいと力説し、私たちを煙に巻いた。





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