表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
言葉で伝わらなくても。  作者: モロキ
15/105

朝からの

明くる朝、目覚めは最悪だった。

なんであんな夢を見ちゃうかな、

最初のハグ、最初のキス、なんてリアルなんだろう。彼の息づかいが耳に残る。目覚めた後もしばらくドキドキしていた。


そして、気づいたこともあった。付き合いの最初から意地を張っていた………。


本音を明かさない私が、最初から最後まで、彼から見た私だった。



「あ"~~!!」気合いだ、気合い!

どこぞのオトーサンの真似をして、ベッドから体を起こす。朝シャンプーで、気分転換。ドライヤーで乾かしながら緩めの内巻きウェーブを作る。

化粧も完璧!チークで頬をほんのり色づける。

透明マニキュアも剥げていない。

薄いパープルのカットソーとタイトなスカートを組み合わせ、グレーのジャケットを羽織る。

よしっ!上品系完成。


会社のエレベーターで、岩瀬さんと一緒になる。

挨拶を交わした後、

「昨日はありがとな、助かったよ。」と言われると、役に立てたことが素直にうれしい。

「契約が取れたら、約束果たしてくださいね。」と返す。

データファイルを入れたフォルダを岩瀬さんのパソコンに転送するよう指示され、頷く。

その時、不意に橘の言葉を思い出した。

「岩瀬さんとお前、噂になってるぞ」なんて、信じられない。

それとなく周囲をうかがうと、何人もこちらをチラ見している。そのうちの一人と目が合うと、目をそらされた。

岩瀬さんは知ってるのかな?聞いてみようかな?

だけど、自意識過剰だと思われるのも嫌だな。

どうしよう……… と、モンモンとしていると、岩瀬さんから「どうした?」と聞かれた。挙動不審ぽかったらしい。

「いえ、何でもないです。」と答えて、何気ない風を装った。

「顔、変になってるぞ。」と言われた時、チンと音がしてエレベーターが営業部のある3階に着いた。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ