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言葉で伝わらなくても。  作者: モロキ
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帰途

改札の前で橘とは別れた。心配だから送って行くと言う橘を振り切って、

「大丈夫。大丈夫。」と笑った私は、今度は上手く誤魔化せていたかな?


携帯が震える。開くと、橘からのお詫びメールだった。今手を振って別れたばっかなのに………

「心配させちゃった。」

彼の気遣いを振り切った。でも、心配してくれる彼の存在は心地よい。

失恋に病んでいる私は、とても面倒くさいやつになっていた。


電車を乗り継いで、最寄り駅まで戻ったら11時を回っていた。幸い駅から自宅までは歩いて10分ほどだ。喉の渇きを感じた私は、近くのコンビニでミネラルウォーターを買って帰宅した。


築5年の5階だてマンションの2階205号室。

セキュリティがしっかりとしていところが決め手だった。コンクリートが打ちっぱなしの無骨な外観も気に入っている。


部屋に入り、照明をつけると、オレンジ色の光が広がり 、ホッとする。1LDKの室内は、ベージュが基調の家具で、いたってシンプルにまとめてある。


昨夜は堂本さんとあいつがマンションに来た。まさか今夜は来ないだろうと思ってはいたが、それもあって、橘の誘いはちょうど都合が良かった。

でも、送られて鉢合わせするのは勘弁してほしかった。


「ほら、面倒くさいやつになってる。」

ペットボトルの口をひねりながら、一人ごちた。



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