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独りの空  作者:
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過ちと代償

皿を洗いながら、『人』について考える。人は等号を使いたがる。何故なら、自分が間違っていると思いたくないから。そしていつも、正しいというのだ。間違ってない、という考え方はかなりの嫌われ者だ。正しい=間違ってないとも言えないが、少なくとも、正しいと間違ってないは、ほぼ等しいにしてもいいのではないだろうか。                                 それに、人は絶対という言葉を使いたがる。これもおそらく、自分が間違っていると思いたくないからなのだろう。では、絶対なことは何だろうか。私が考えるのは、人は必ず死ぬということ。この広い宇宙のどこかの星では、空は夕方でなくとも赤いかも知れない。雪は黒かも知れない。だけど、人が必ずいつかは死ぬということだけは、私が胸を張って言える、絶対のこと。              「そしてそれは、私達の一族にもあてはまること。前にあいつらが襲ってきたときにも、大勢の者が死んでいった。悲しいけど、私もいつかは死ぬ。何年経っても、人類がどれだけ進歩しようとも、変えられないこと。」                                       一族の多くの者は、自分たちは神に近い存在であり、いつか神から不死の命を与えられるのだと信じている。だけどそれは間違いだ。神が私達に永遠の命を与えてくれるのなら、何故今与えてくれないのか。私達が他の妖怪の一族に狙われても、何故助けてくれないのか。結局は私達竜の一族も、いつかは必ず死ねと神から命じられた存在なのだ。死んで、新たな命の為の礎となれと。そのことに気づいた者は、あの襲撃で多くいただろう。そして、自分達の傲慢さに気づいただろう。神が助けてくれるなどと、何故驕りたかぶったのだろうと。                             「でもそんな過ちも犯しながら、人も竜も変わってきた。なら私も、吹っ切れるかな・・・。」   過去の過ちを、吹っ切れる日は来るのだろうか。

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