*1. 宝くじ当選と決断
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### **片山義則:二回目の人生の始まり**
#### **1. 宝くじ当選と決断**
片山義則は、60歳を目前に控え、独身で静かに孤独な日々を過ごしていた。周囲の人々は定年を迎え、家族や友人の多くは自分の生活に集中しており、義則にとって社会的なつながりはごく限られていた。仕事はB型就労の軽作業で、毎日同じルーティンの繰り返し。生活に大きな変化はなく、将来への希望もほとんど抱いていなかった。
そんな彼の人生に、突如として光が差し込む瞬間が訪れる。それは長年夢見ていた宝くじの当選だった。数字が目に飛び込んだ瞬間、義則の胸は高鳴った。「これで、自分の人生を変えられる――」という思いが、長い間胸の奥でくすぶっていた焦燥を一気に押し流した。
義則は当選金を手に入れると、すぐに使い道を考え始めた。これまで平凡で、時には自己嫌悪に苛まれる日々を送ってきた彼にとって、これほどの自由は初めてのことだった。彼の思考は瞬時に現実的な行動へと移った。長年の夢を叶えるための道具として、義則は次の三つを購入することを決めた。
* **タイムマシン**
過去や未来に自由に移動できる装置。義則はこれによって、これまでの人生で悔やんだ瞬間に戻り、やり直すことができると考えた。
* **全能力×14薬**
知力、体力、社交性など、あらゆる能力を飛躍的に高める薬。これにより、義則は過去の自分の弱点を克服し、「普通の人生」を生きるための力を手に入れられると信じた。
* **若返り薬**
年齢を巻き戻し、肉体的な衰えを取り除く薬。義則は、体の自由と時間を取り戻すことで、人生を根本からやり直す決意を固めた。
これらのアイテムを揃えた義則の心は、これまで感じたことのない高揚感に満ちていた。「過去の自分に戻り、今度こそ普通の人生を送る」と、彼は静かに、しかし確固たる決意を胸に刻む。孤独で平凡だった一回目の人生とは異なり、今度こそ自らの選択で、思い通りの人生を歩むことができるのだという希望が、義則の内側から湧き上がってきた。
義則にとって、この瞬間は単なる物理的な移動や若返りではない。人生そのものを刷新するチャンスであり、長年抱えてきた焦燥や無力感を断ち切る、新しい幕開けでもあった。彼の目の前には、これまで閉ざされていた無限の可能性の扉が開かれ、今まさに、第二の人生が動き出そうとしていた。
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