第八話 生徒会長は普通に過ごしたいだけなんや
――テスト初日――
(友人)「颯真、勉強したー?」
(宮浦)「全然出来てない(笑)」
(友人)「そう言って俺よりしてるやろ(笑)」
(宮浦)「ガチで課題以外何も出来てない(笑)」
笑って誤魔化していたが、生徒会長としてのプライドと、一週間の過ごし方への後悔が、胸の中でせめぎ合っていた。
テストは淡々と進んでいった。
気付けば、開始の合図よりも、終了のチャイムの方が早く感じられた。
――返却日――
英語と歴史だけが、頭ひとつ抜けていた。それ以外は、授業は真面目に聞いていたおかげか、七十点台が並んでいる。
(友人)「テストどうやった?」
(宮浦)「なんとか七十点台で耐えた」
(友人)「めちゃくちゃええやん。俺なんか五十点台ばっかやで」
(宮浦)「もうちょい取りたかったねんなぁ」
(友人)「今日、生徒会?」
(宮浦)「せやで。そろそろ行くわ」
(友人)「はいよー」
廊下を歩きながら、返ってきた答案のことが頭をよぎる。
「七十点台。悪くはないんやけどさ――
胸を張れる点数でもないんよな」
(田辺)「先輩、結構聞こえてますよ(笑)」
(宮浦)「うわっ、びっくりした」
(田辺)「歴史と英語も七十点台だったんですか?」
(宮浦)「いや、その二つは九〇点台やで」
(田辺)「最低点なんぼやったんすか?」
(宮浦)「最低点は七〇ピッタやな」
(田辺)「十分すごいじゃないっすか」
(宮浦)「もうちょい欲しかったなって」
(田辺)「そういうところ先輩っぽいですよね(笑)
あんまり無理するとまた体調崩しますよ(笑)」
(宮浦)「大丈夫やって(笑)自主勉はまだ増やしても崩さんから」
階段を登り、生徒会室の扉を開けると、 松原と真辺がすでに待っていた。宮浦は小さく肩を落としつつ、席に向かった。
(真辺)「颯真と田辺はテストどうやった?」
(田辺)「全然だめでした――」
(真辺)「颯真は?」
(宮浦)「英語と歴史はそこそこ取れたけど、他は七十点台でギリギリでした」
宮浦は自分の中で「もう少し取れたはずだ」と思いながらも、顔には出さなかった。
(真辺)「全然高いやん」
(松原)「十分じゃないですか(笑)」
(松原)「私も昔は、同じように焦ってましたから気持ちは分かります(笑)」
宮浦はそんな言葉に少し安心しつつも、どこか自分の中で納得出来ずにいた。




