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明坂高校生徒会はこんなもんやで!  作者: 綿ダッコ
〜第五十期前期生徒会のあゆみ〜
6/15

第五話 生徒会の危機!?

 飾り付けも終えて、運営の準備も整えた生徒会は、誰よりも早く会場である体育館に集合していた。

――数十分後――

(真辺)「まさか颯真が英語でスピーチするとはな」

(田辺)「『英語は必要ない!』って言うぐらい英語嫌いでしたもんね」

(松原)「そんなこと言ってたんですか(笑)」

(真辺)「春休みに入ってから急変したからな」

(田辺)「会長はエンジンがかかるのが遅い人ですからね。誰かに教えてもらったら、意地でもやる気でそうなもんなんですけどね」

(真辺)「つむぎちゃんが教えてあげたら良かったんちゃう?もう過ぎたことやけど」

(松原)「えっ、教えて欲しそうな風に見えなかったんですけど――」

(田辺)「絶対、教えてもらいたいって思ってますって(笑)」

(松原)「そうですかね?」

(宮浦)「いやー、緊張したわ」

(真辺)「お疲れ〜」

(田辺)「あんな流暢に喋れたんですね」

(宮浦)「だから言うたやん。猛勉強したって」

(宮浦)「まぁ、原稿見やずに言えたら良かったんやけどね」

(松原)「英語を一年生の時より流暢に喋れただけ十分じゃないですか」

 スピーチを終えた宮浦たちは他の生徒と同じようにオーストラリアの高校との交流を楽しんだ。四人で飾り付けした風船や机は節約気味であったのにも関わらず、しっかり形になっており、準備期間の短さを感じさせない華やかさでだった。

(宮浦)「いやー、楽しかったな」

(松原)「そうですね。それぞれの得意分野でフォローしあえて良かったです」

(田辺)「先輩方の意外な側面が見れて面白かったです」

(真辺)「田辺は食事のことになったら目をキラキラさせとったな(笑)」

(田辺)「そらそうじゃないですか(笑)」

 そこへ、生徒会担当の先生(田中先生)が少し複雑そうな顔で近づいてくる。

(田中先生)「皆、お疲れ様。頑張ってくれて企画した先生も喜んでくれとったんやけど、一つクレームが入ってな」

 その場の空気が凍りついたのは言うまでもなく、続けて田中先生はこう言った。

(田中先生)「生徒指導部の先生から『司会進行とか飾り付けとかは先生がやるべきやろ』って言ってて、企画の先生とか俺も生徒会にやらしたてええんちゃうかなって勘違いしててん。正直、言い過ぎちゃうんとは思ってんねんけどな――」

(田辺)「――つまり、出しゃばり過ぎたってことですか?」

(田中先生)「ちょっとちゃうかもしれんけど、本来の仕事ちゃうやろってことや」

 しばらくの沈黙の後、宮浦が切り出した。

(宮浦)「――でも、誰もやる人居なかったですよね」

(田中先生)「それは俺らが頼んでなかったからやけどそれにしても酷いよな。とにかく生徒指導部の先生に対しては俺からも言っとくけど、何か伝えて欲しいことはあるか?」

(松原)「――これって、呼び出されるんですかね」

(田中先生)「分からんが、あの先生のことやから呼び出すかもな。こっちの不手際もあったから、呼び出された時は俺も呼び出されるやろうな」

 

 数日後、田中先生の説得も虚しく、生徒会メンバー四人が呼び出された。放課後の空き教室には、いつもは微かに聞こえてくる部活動の声も聞こえないほど、空気は重く沈んでいた。

(田辺)「案の定、呼び出されましたね」

(真辺)「正直、腹立たしいけどな」

(松原)「でも、田中先生が味方でいたのが唯一の救いですね」

 沈黙が続いた後、教室の扉が静かに開いた。姿を見せたのは、生徒指導部の先生(木本先生)であった。その瞬間、無言の圧を放つ姿に四人は息を呑んだ。

(木本先生)「なんで呼ばれたかわかるな?」

 そんな問いかけに四人は頷くしかなかった。それから小一時間説教を受けていた。

(宮浦)「――一ついいですか」

(木本先生)「なんや」

(宮浦)「例年では学校の備品は学校から発注していたところを自分たちで買い出したことへの説教したい気持ちはよく分かります。ただ、準備期間は短いし、正規の方法で書類を出しました。それやのにこれはおかしいんじゃないですか?」

しばらくの沈黙の後、木本先生は口を開いた。

(木本先生)「――それもそうやな。悪かった」

 説教を受けていた四人は解放され、全員がほっと肩を撫で下ろした。

(田辺)「なんで、あの人は書類とか確認しなかったんでしょうね」

(宮浦)「まぁまぁ、終わったことやし」

(真辺)「颯真が言い返すと思わんかったわ(笑)」

(松原)「――かっこいい(小声)」

(真辺)「何か言った?」

(松原)「何も無いですよ」

 そんな安堵した四人の声が静かな廊下に響いた。日はすでに傾き、夕陽が眩しく校舎を照らしていた。

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