第四十三話 決めないと...
(松原)「……え?どうしたの……?」
(宮浦)「……いや、何もない」
——目が、合わなかった。
(宮浦)「……で、公約のことなんやけど――」
話し合いを終えた後の生徒会室には、しばらくの沈黙が漂っていた。
(宮浦)「…………本当に勝ってくれて良かった」
(松原)「…………颯真くんも、当選してくれて良かった」
そして、2人はそれぞれ帰路についた。
月曜日、2年3組では修学旅行に関して、各班で話し合いが行われていた。
(クラスメイト1)「3日目の自由散策どうするよ」
明坂高校の修学旅行は、研修要素と旅行要素が半分になるように設定されている。
クラスメイト1,宮浦,森田,松原から構成される1班は、3日目の自由散策の行き先だけが決まっていなかった。
(宮浦)「東京やろ、行こうと思えば言ってたとこ全部行けそうやけどな」
(森田)「それは過信しすぎちゃう?」
(松原)「一つ一つが離れすぎてますしね。どれかは犠牲になると思います」
(クラスメイト1)「……とは言っても、どれを犠牲にするかよな。……こんなこと言っていいんか分からんけど、思い出に残る場所は残しときたいよな」
(森田)「……東京行ったことある人おらん?」
(松原)「……一応、行ったことありますけど」
(森田)「じゃあさ、この中でおすすめの場所選んでや」
松原は、すぐに答えなかった。
(松原)「えっと……」
(思い出に残る場所……でも……各々が行きたい場所の中から選べって……)
(どうしよ……均等に外したいけど……)
(皆バラバラ過ぎて……)
――視線が集中する。
(……早く決めなきゃ)
(でも……)
(宮浦)「俺の言ってたとこ、最後でええで」
――その一言で、息ができた。
(え……良いの……?)
……ずるい。
私、助けて貰ってばっかりだ……
副会長として支えるって言ったばっかりなのに……こんなところで……
……頼ってる




