表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
明坂高校生徒会はこんなもんやで!  作者: 綿ダッコ
〜夏の過ごし方〜

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/45

第十六話 食事って...大変...

 「ごめんごめん。めっちゃ遅れたな」

ようやく生徒会室に辿り着いた田中先生が、入ってきた。


(真辺)「遅いって(笑)」

(松原)「仕事が多かったんですか?」

(田中先生)「せやねん……終わったと思ったらどんどん仕事増えるからさ……」

(松原)「田中先生も大変ですね」

(田辺)「今日って、オープンキャンパス用の動画撮影でしたっけ?」

(田中先生)「そうそう、生徒会の様子を撮影さして欲しくって」

(宮浦)「生徒会の様子だけですか?」

(田中先生)「うん、生徒会の様子だけでいい。後セリフパートがあんねんけど、それをどうするか決めて欲しい」

(松原)「どんな感じですか?」

(田中先生)「こんなセリフやねんけど……」


そう言い、一枚の紙を差し出した。


(宮浦)「……このセリフなら全員で良いんじゃないですか?」

(真辺)「私もそれでいいと思うけど……どう?」

(田辺)「僕もそれでいいと思います」

(松原)「私もそれがいいと思います」

(田中先生)「じゃあ、全員で言うって認識でいい?」

「「「「はい」」」」

(田中先生)「早速やけど撮影するか」


撮影時間自体は早かった。

女性陣は完璧、宮浦は少し噛んでしまったが、1回のミスで終わった。田辺は3回ほどミスをしていた。


(田辺)「ガチでごめんなさい。めちゃくちゃ噛んじゃった……」

(真辺)「田辺らしくて安心したわ(笑)」

(宮浦)「優斗って動画撮影初めてやろ?」

(田辺)「はい……」

(宮浦)「俺は3回で済んでよかったと思うで?俺も初めての時は5回ぐらいは間違えたから(笑)」

(真辺)「せやせや(笑)そんなこともあったな(笑)」


そんな雑談も終わり、田中先生は他の業務へ、生徒会メンバーは雑務を終わらせた。

時間は12時前になっていた。


(宮浦)「よっしゃー終わったー」

(真辺)「今日の仕事は動画撮影だけって言ってたのに結局、雑務も多かったな」

(松原)「私たちはまだ午後もクラスの準備ありますけどね」

(真辺)「つむぎちゃんらもなん?私もクラスの準備あるわ」

(田辺)「マジっすか!?僕もっす」

(宮浦)「やっぱ、早めに準備するところが多いんか」

(真辺)「早めに準備しやんと後々何起こるかわからんしな」

(松原)「予算が足りないとか結構ありますからね」

(宮浦)「やな」


業務が全て終わった生徒会メンバーは、各教室で昼ご飯を食べることになった。


(宮浦)「あっ、誰も来てない」

(松原)「本当ですね」


まだ他のクラスメイトは来ていないようで、2年3組の教室には静寂が広がっていた。

宮浦と松原は示し合わせたわけでもなく、それぞれの机の前まで移動した。

と言っても、夏休み前の席替え時に席が近くになっていた。


――だから困るような、有難いような……


(気まずーーーッ゙!?いや待て落ち着け俺、ただ同じ教室なだけだろ……ただ同じ教室なだけ……)


大抵は誰かしらがいたり、他クラスに友達が居ることばかりであった。

じゃあ、他クラスの所に行ったらいいって?

他クラスに人が居なかったことは移動時に確認済みである。

だから教室の扉を開く時も半ば願いながら開けていた。

しかし誰も居なかった……


(まぁ1年の時みたいに、ほぼ他人みたいな状況じゃないだけマシか……)


そう自分に言い聞かせて、少し震える手でコンビニの袋から昼ご飯を取り出した。


――沈黙。


(あっかん……気まず過ぎる……)


宮浦は口を開いた。


(宮浦)「……これみんなちゃんと来るんかな(笑)」

(松原)「流石に来るんじゃないですか?最悪、リーダーの穂乃果に手伝ってもらえれば良いですし」


松原は平然と答えたが、内心は宮浦と同じであった。


(気まず過ぎる……何も話さないのは印象悪いだろうし……)


――宮浦とはまた違った理由もある様子だが。


喋りながら自分の袋を開け、恐ろしく早い手刀で宮浦方面から死角になるところに食事を置いていった。


(大食いってバレたくない……)


そう松原つむぎは大食いであったのだ。

松原は1日3食派だが、食べる時は本当によく食べる。

交流会の時はあまり食欲が沸かなかったこともあり、少なめにしていたが、松原は生徒会メンバーにはその時の量が普通と思われていると思い込んでいた。


――そんなこと誰も気にしていないのが実状だが。


そして宮浦が気付く頃には、机の上にはおにぎりが3つ程置かれていた。

しかし隠したところが悪かった。

自分の膝の上に乗せたのだ。いくら死角とはいえ、パッケージがそのゾーンを出ていたら意味がない。


(見えて……ないよ……ね……?)


――見えていた。


しかし、宮浦は宮浦で「松原が大食いだ」とか「なんで膝の上?」とかを考えるのにリソースを割いていなかった。

いや、割けなかったのだ。


――気まずさでそれどころではなかった


(宮浦)「あっそっか、穂乃果おるんか」

(松原)「忘れないであげてくださいよ(笑)」


ツッコまれなかったことに安心した松原は、机に置いたおにぎりのパッケージを開け始めた。

そこからというもの、会話がなかなか弾まず、また会話が無くなってしまった。

そして、宮浦が食べ終えた頃にふと松原の方を向いた。

それに気が付いた松原は、とっさに食べ物を隠した。

幸い、パッケージは宮浦からは見えなかったものの、慌てた様子は見られてしまった。

それを見た宮浦は何を思ったか――

(これ出ていった方がいい系か?)

(邪魔やったか?)

と思い、出ていく言い訳を考えた。


(トイレだと出ていける時間が短すぎる……あっ!そうだ)


(宮浦)「穂乃果が部活終わったか見てくるわ。終わってたら連れてくる」

(松原)「わ……分かりました。ありがとうございます……」


そう言い、宮浦は教室から出た。

「我ながら紳士的な対応してしまった」と自画自賛をした宮浦であったが、正直変な人と思われていないか不安であった。

宮浦が出ていくのを確認した松原は、急いで残りのご飯を食べるのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ