第十二話 夏休みも生徒会はお仕事祭り
終業式から数日経ったある日、生徒会は夏休み前に言われていた通り、仕事のために学校へ集まっていた。
(田辺)「なんか夏休みって感じがしないっすね」
(宮浦)「やることは変わらんしな」
(真辺)「唯一変わってんのは校舎が静かってことちゃう」
そんな雑談をしながら、生徒会は着々と仕事をこなしていた。
外から聞こえてくるのは部活動の声だけであった。
(田辺)「もう十時ですね」
(松原)「時間が経つのは早いですね」
(宮浦)「もうそんな経ってたんや」
(真辺)「あとちょっとやし、昼前には終わりそうやね」
(宮浦)「そうですね。この後から仕事が増えないといいですけど――」
(田辺)「それフラグじゃないですか(笑)」
(真辺)「そんな奇跡起こらんやろ(笑)」
そんな笑い話も程々に残りの仕事を、終わらせていった。
(田辺)「じゃあ僕は部活行ってきます」
(真辺)「私も塾あるから帰るわー」
(宮浦)「お疲れ様でした!」
(松原)「お疲れ様でした」
生徒会室に残った二人は、後片付けや書類の最終確認をしていた。
やがて、全ての仕事を終えた二人は、自身の身支度をし始めた。
身支度もあらかた終えたあと、聞き馴染みのある足音が聞こえてきた。
(田中先生)「ごめん。ちょっといい?」
――生徒会担当の田中先生だ。
宮浦は何かを察知したようにこう尋ねた。
(宮浦)「もしかして、追加の仕事ですか?」
(田中先生)「せやねん。オープンキャンパスで使う動画を撮らせてほしくて」
(松原)「今日ですか?」
(田中先生)「いや、別日でええねんけど――」
(宮浦)「良かった。今日だと思ってました」
(松原)「私もです。少し構えてました」
(田中先生)「とりあえず、他の二人にも伝達よろしく」
(宮浦・松原)「はい」
田中先生が生徒会室を出ていくと、室内には再び静けさが戻った。
二人は特に言葉を交わすこともなく、鞄を持って席を立つ。
ただ、それだけの時間だった。
そして、二人が帰った校舎は、静けさに包まれていた。
人の気配が消えた校舎は、少しだけ広く、少しだけ寂しい。
遠くから、部活動の掛け声が聞こえてくる。
夏の空気に混じったその声は、そんな寂しさを否定するかのように響いていた。
明坂高校生徒会はこんなもんやで!~夏の過ごし方~ (第二章)に続く




