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明坂高校生徒会はこんなもんやで!  作者: 綿ダッコ
〜第五十期前期生徒会のあゆみ〜
12/15

第十一話 生徒会の夏休み前は大忙し

 終業式を終えた生徒会は、体育館で後片付けをしていた。

椅子を戻し、ステージを片付け、最後に残るのはいつも生徒会だった。

(田辺)「ようやく夏休みですね」

(真辺)「せやな〜」

(宮浦)「まぁ、七月中はまだ仕事あるけどね」

そんな言葉に、田辺は分かりやすく肩を落とした。

それを見てか、宮浦は言葉を付け足す。

(宮浦)「仕事っていってもそこまで無いけどな」

(真辺)「私は最後の文化祭やから、準備も楽しく思えるけどね」

(松原)「私たちも残り一年半ですか――」

(宮浦)「高校の一年なんかあっという間やもんな」

そんな二人の言葉には、違う理由の焦りが混じっていた。

真辺はそんな焦りを知ってか知らずか、

(真辺)「焦る理由って、人それぞれやけどな」

(宮浦)「――急にどうしたんですか?」

(真辺)「いや、なんとなく」

真辺はそれ以上何も言わず、椅子を元の位置に戻した。

(田中先生)「皆、ありがとう。夏休みもよろしくな」

そんな言葉に体育館の空気が緩む中、宮浦は胸の奥に、妙な違和感を抱えていた。

生徒会メンバーと別れた宮浦は、いつもより足取りが重かった。

「なんで気付かれた――」

宮浦は、高校生活が残り一年半に迫る中で、

未だ松原に想いを伝えられていない。

その焦りを見抜かれた気がして、更に焦りが加速した。

「たまたまよな――」

偶然であったことを願うように宮浦は呟いた。

「もしかして顔に出てたか?」

元々、感情が顔に出やすい宮浦ではあったが、

中学、高校と学年を重ねるごとに、感情の出し入れをできるようになってきている。

「――あの人にバレると、本当にやばい」

胸の奥に残る違和感を振り払うように考えながら、宮浦は家に辿り着く。

ひと通り身の回りを片付けた後、机に腰を下ろし、夏休みの予定表に目を向けていた。

「とりあえず、宿題進めるか――急に予定入るかもしれんし」

びっしりと詰まった予定表を見つめながら、宮浦は余白を探すように、次の日にする予定だった宿題から手を付けていった。

しかし、そんなやる気に水を差すように、台所の方から夕飯ができたと呼ぶ声が飛んできた。

「キリのいいところで行くー」

宮浦はまだ夕飯が出来ていないことに気付いていた。

これは“もうすぐできる”の合図であって、実際にはまだ出来上がっていない。

――そう、お母さんあるあるだ。

宮浦は、変なところで勉強をやめてしまうのが大の苦手であった。

理由は――まあ、読者の想像に任せたい。

(母)「成績悪くなかったやん」

(宮浦)「まぁ、そうなんやけど、もうちょい取りたかった」

(母)「頑張りすぎんでええねんで、生徒会長もしてるんやし――というかその性格誰に似たんやろうな(笑)」

そんな母のテンションとは違い、宮浦は苦笑いをするのみだった。

夕飯を食べ終えた宮浦は、自室に戻り、机の上の課題に視線を向けたが、しばらく動けずにいた。

やがて小さく息を吐き、電気を消す。

「――今日は、もう寝よう」

夕飯前のやる気は出ないようで、そのまま眠りについた。

 

 

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