おもちゃの少女――きらきらってね!
むかしむかし、「おもちゃの村」と呼ばれる、
不思議なところがありました。
その村には、おもちゃがたくさん、ころころと転がっていました。
なぜかというと――その村に住むシュガーという女の子が、
人をおもちゃに変えてしまう魔法を持っていたからです。
シュガーの指先から生まれるおもちゃたちは、
目の中できらきら光りながら、ころころ転がりました。
村はいつも、『クリスマスのきらきら』みたいにぎやかでした。
けれど、ある日。
村の最後のひとりまでおもちゃに変えてしまったあと、
きらきらしていた世界から、
笑い声も、あたたかさも、すべて消えてしまいました。
それを見て、シュガーはふと思ったのです。
「ひとりで遊んでも、ちっとも楽しくない……」
――そして次の日、クリスマスの朝。
クリスマスの朝の雪の光が、
空からきらきら降りそそぐなかで、
シュガーは、そっと自分自身をおもちゃに変えました。
それは、
いつか新しいともだちがやってきて、
自分を見つけてくれるように。
ほんとうの“きらきら”が、この村にもどるように――
祈りのような気持ちだったのかもしれません。
それから、長い長い時が流れて――千年後。
ひとりの旅人が、その村を見つけました。
彼は、微笑むように眠る小さな人形を、
壊さないようにそっと抱き上げました。
その瞳は、千年ぶりに光をうけて、
ほんのりと――きらり、と輝いたように見えました。
「その人がね、このお店をつくったんだよ」
パパはそう言って、優しく微笑みながら、
おとぎ話を締めくくった。
◇
「ねえ、あなた」
ママが少し不思議そうに、パパに尋ねた。
「さっき、娘たちに何を話してたの?」
「……」
「だって……せっかくクリスマスにトイザらスまで来たのに、
この子たち、――“何もいらない”って言うのよ」
パパは背を向けたまま、なにも言えません。




