こどもとかわらぬ
セイテツがこころおきなくわらえたのは、シュンカになだめられている機嫌の悪いスザクのむこうに、にこにこしながらお茶をのんでいるコウアンがいたからだ。
「 ―― ですので、ぜひともお願いしたいと、おれが申し上げました。トクジさまやコウアンさまから言われたわけではありません」
「・・・・・・それでも、きにいらねえ」
スザクのこたえに、コウアンまでも大きな声でわらった。
「おい、スザク、それでは五つの童とかわらぬぞ。みろ、シュンカがまるで母のような顔で困っておるではないか」
「うるせえな。だいたいおめえがここにとどまるってきいたときから、おれは嫌だったんだ」
ほんとうにこどものような態度でいいはなつのに、ようやくセイテツは口をはさむことにした。
「 まあスザク、高山のお二人のおかげで、川の清めもすぐに終わったし、海までゆかずともすんだろう? それに、ゆがんでた場の『気』もなおしてもらったんだし、ジュフクどのはまだ天帝のところにいるなら、ここに泊まってもらってもいいだろう? それに、こんな徳の高い方から、じかにてほどきを受けられる機会なんてないだろう? ―― ああ、おまえが、シュンカに高山に行ってもいいって言えば、べつだけど」




