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気がついたこと
「だがな、 ―― おれにいわせりゃ、あんたも、この二人の顔をはぎとったのも、おなじ人殺しだし、剥ぎ取った顔の刃物あとは、どうみても人を斬るのに手慣れたやつのもんだ。 ―― 元軍人として、なにか気がついたことはなかったか?」
『人殺し』というところで、なにかいいかえそうとしたトクジに手をあげてわらってみせたコウドは、うなずいた。
「『軍人』だから気づいたってわけじゃありませんが、 ―― 最後に、カカアスマンと謝ったのは、農業か力仕事をしている男でしょ。立ち姿がひらいてて、すこし背がまがってる。 もう一人の方は、ほそくってまっすぐ立ってて、手をからだのまえであわせてたから、商売人かもしれませんね。着物がぼろぼろでも、こっちのほうが物がよさそうだってのもわかる」




