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おとぎばなし ― 剥奪 ―  作者: ぽすしち
坊主のタクアン

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みてろ


 コウドが聞きなおそうとしたとき、タクアンのひくい経がながれはじめた。



 つぎに、手が文字を綴りはじめると、「   、   、  」発する音にあわせて指をふり、そのまま穴へととびこむ。



 だいじょぶですかい?と寄ろうとしたコウドは、トクジの腕でとめられた。




「 ―― まあ、気色のいいもんじゃねえが、みてろ」




 穴の中から、 が、とか、 ご、という音がして、 つぎに、さらしでまかれたむくろが、ごぞり、と動いて、立ち上がった。



「 っひ 」

 

 ひきつった息がもれたおのれの口をコウドはふさいで見守る。


 


 タクアンは、たちあがった二つの骸にむかいあっていた。



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