81/142
『あれ』をやりに
「・・・・・あれは、ドウアンがいい顔しねえんだが」
やってもいいのか?と不安そうな声をだす。
「ドウアンはおまえと入れ違いで高山にもどった。 ―― やるなら早い方がいいんだろ?」
にっとわらったトクジに、まあな、とこたえ、お茶をのみほしたタクアンが、ようやく立ち上がる。
縁側からはなれるまえに急にふりかえり、あんたもくるかい?とコウドに声をかけてきた。
「あんた、 ―― みたほうがいいかもしれん」
理由はきけず、ただ、コウドはうなずいて、ついてゆくことにした。




