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帝のやり方
そんなことより、これからさきにきかされることを考えると、吐き気がしてきた。
コウアンも声をしずめた。
「 『ウツワ』がどんなものだろうて、帝としての力は、そのときから変わらないのだからな・・・」
帝によばれた瓜二つな子どもたちは『 どちらがわしのウツワになる? 』と白猫にきかれ、きっとお互いをかばいあった末に、『 キフク、おまえがつぎのわしのウツワだ 』と《くちだし》されたのだろう。
「あンの、くっそ猫・・・スザクのときといっしょじゃねえか・・・・」
肉親の『縁』をとりあげ、かたほうは人でなくなり、歳をとらなくなる。