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『医院』では
セイテツがシュンカをむかえにいったとき、『医院』の中をのぞきこむようにしていた顔見知りの女たちが、邪魔しちゃだめだよ、と袖をひいた。
「 あのなあ、おまえら誤解だぞ。あれは、むつみあってるわけじゃあなくて、」
いいながらも、そうとしか見えないのを、絵師もめにする。
『医院』の奥の病人をみるためのむかいあった椅子で、チサイはシュンカの手をにぎり、じっと顔をみながらなにかしゃべっている。
その、やさしげなまなざしは、どうみても相手をいつくしんでいるものであって、手伝いの者にむける眼ではない。
が、セイテツも、その目をむけられたことがあるのだ。




