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奇特な医者
「 ―― いや。 先にチサイ先生にみてほしいんだ。おれたちと違って、医者として気づくことがあるかもしれねえしな」
「この街の医者なのか?」
奇特な御仁だな、とコウアンが驚き、ドウアンが、本物か?といやな聞き方をする。
「あのなあ、シャムショでも確かめてもらったし、 ―― ちょっと変わってはいるが、まあ、れっきとした本物で、医者だ」
トクジがいうのに、セイテツも、女や街の人に受けもいいし、金がない人のこともちゃんとみてくれるよ、とつけたす。
「その人たちの金はトクジたちが出してるのだろう? それならば、みないわけにゆくまい」
ドウアンの冷めたことばに、これだから、と絵師は顔をしかめるが、おもいだしたように、コウドをむく。
「シュンカはまだ、チサイ先生のとこか?」
「ええ。おれの代わりに先生の手伝いをしてくれるっていうんで、頼みました」




