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写し方
引き続きいやな描写あり。ご注意を
うん、とうなずいたセイテツは布をもどし、二人の坊主をみあげた。
「 剥いだ自分の顔を、面のようにほかの人間につけて、その人間を『のっとって』写すんだ。 ヨリシロの顔は、つけた先の顔とまざって、まったくの別人ができあがる。 そんで、この《写しの術》は、顔をつけのっとった先と《まじって》『できあがった者』が、こんどは『本体』になる」
「それなら・・・、顔をはいだあとのからだのほうはどうなるんです? だって、もとの頭はそっちにあるんでしょ?」
セイテツのとなりでコウドが口をまげ、考えたりすんのは、こっちなんじゃねえんですか?と自分の頭をゆびさす。




