おとぎばなし ― 剥奪 ―

拾ったむくろ

あのとき

申し訳ございません。『鬼哭　』でのはなしが出ております。。。

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　顔をむけられたセイテツは、嫌なことをおもいだしたように低くうなる。

「たしかに・・・人の手じゃないもんが水盆からでて、あいつの頭をつかんで引きずり込んだが・・・」

　あれは鬼だったのか？それよりもっと得体のしれないもののような気がしたが。

　　　『　　　この世には二度と出てこられぬ場所へと　　』

　ケイテキがあのとき口にしたそれは、いったい、どこのことだ？

「　あんとき、うしろに天帝がみえたから、なにか力を借りてるんだとおもったんだが、よく考えたらそんなもの、あのクソ猫が貸すわけないもんなあ・・・・そうだ、たしか・・・。ホムラの前にも土釜（つちがま）をやった神官がいるって、テングが言ってたな・・・」

　　『　　少し前に、やはり同じ術をしかけた神官がいたが　　』