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おとぎばなし ― 剥奪 ―  作者: ぽすしち
拾ったむくろ

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あらためまして


 コウアンはともかく、ドウアンがこんなところまで足を運ぶとは、なにかわけがあるとはおもったが ―― 。


「 ―― おい、そろいもそろって、見に来たんだろ?」

 

 シュンカという、スザクが従者に認めた者を。




 コウアンは、いや我慢できなくてな、と声をあげて笑い、ドウアンは冷めた目でひれ伏したままのシュンカをながめ、確かめにきたんだ、と腕をくんだ。


「セイテツが、えらく自信をもって『会って確かめろ』というから、こうしてきたんだ」



「だって、おまえがなんだか疑るようなことをいうからだろ」



 なにを言ったのかは、トクジにはだいたいわかった。

「まあな、おれはどっちの言い分もわかるが、 ―― とにかくシュンカ、この二人のえらい坊さんに、顔をあげてあいさつしろや」



 いわれたシュンカが、はい、と返事をしてから、改めましてよろしくお願いもうしあげます、と顔をあげた。



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