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おとぎばなし ― 剥奪 ―  作者: ぽすしち
拾った医者

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どこか遠くへ いなくなる


「でも・・・、そういうときのチサイさまは、・・・」


 そこまではなして、おもいなおしたように口をとじた。


 言っていいものかどうかを迷っている顔にうなずくと、おれの思い過ごしだとおもうのですが、とゆっくり続いた。


「 ―― チサイさまが、 いなくなる ような・・・感じがします」



「いなくなる?だって、手をにぎってやがんだろ?」



「そうなのですが、・・・チサイさまの『気』が、なんだかときおり、遠くへいってしまう感じがするのです。 ―― そんなことって、あるでしょうか?」


 まだ知らない『術』があるのをわかっているシュンカは、トクジならこの世の『術』すべてを心得ていると思ったのか、問うた。




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