そういうやり方
「・・・なんつうか・・変わった男なんだなあ」
「そういうやりかたなので、すこし、時間がかかるのかと・・・」
「あ~、そういうことか」
たいした人数はみていないのに、どうしてここにくるのが遅いのか、ようやくわけがわかった。
だが、シュンカはべつに病などではないのに、なぜ手をにぎるのか。
疑問として口にしようとしたら、どうも、ながいはなしをするときには、そうしないとだめなようで。とシュンカがこたえをくれる。
「 ―― 薬草の名前や効能などを教えてくれるときはいいのですが、病気の症状などのはなしになると、おれがその病気にかかってるみたいに、手をにぎってはなしかけてきてくれるんです。コウドさんもそばにいるのですが、おれの顔しかみません」
「・・・そりゃ、スザクにみられた日にゃ、」
チサイの手など、粉砕されかねない。
「いえ、スザクさまには話してあります。コウドさんに、『誤解なきよう、先に話したほうがいい』といわれて」
「ああ・・・さすがだな」
シュンカにかんするあの男の気遣いは、隙が無い。




