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拾った男は
ただ、ケイテキがしばらく動けないとなれば、これでしばらく悪いことも起こらないだろう、とみんなもいくらか気が楽になって、シュンカも気にすることなく、トクジのところへ通えていたのだ。
そこへ、『化かし辻』で拾った男。
どうにも、嫌な感じがしたが、けっきょくそのチサイは『東』からきた医者だということが、天宮のシャムショで、しっかり確認できた。
めをさましたチサイは、医者であるのに情けない、と苦笑いをしてトクジたちに礼をいった。
おのれがもともと、からだは丈夫ではないほうで、みずから医学を学んで治そうとおもいたち、医者になったはいいが、東での町医者ぐらしはひどく忙しく、からだにはきつかった。
それを見直すつもりで、西の町医者を見習いにいったという。




