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落ちていた場所
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シュンカが、色街のトクジのところで経のてほどきをうけるようになり、一年ほどたったときに、その医者が現れた。
いや、正確にいえば、落ちていたのだ。
道端に。
この街の中には『化かし辻』とよばれる大きな四つ辻がある。
トクジにとってそこは、あまりいい場所ではない。
角になる四か所には一抱えもある大石がおかれ、その下には《術札》が埋められている。
昔から妖物を退治するために、わざと『通り道』として残されている『場所』なのだ。
そこに倒れていたのがチサイだった。




