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よけいな世話
「いや、あの先生顔もいいし、愛想もいい。 女たちのとこに客としてきたひにゃ、ソッチもいいらしいんで、店の女たちにも評判いい。 毎日、シュンカとながいこといっしょにいるだろう?」
「おれもいっしょだろ。 それに、ながくいっしょにいるのは、あのチサイ先生についていま、医者の勉強をしてるからじゃねえか」
コウドのむっとしたこたえにミノワはわらって手をふった。
「その『勉強』ってのも、あの先生の家にこもってずっと二人きりだろう? どういうもんかなあ。シュンカだってあの坊さんが迎えにくるまで、時間も気にしてねえみてえだし、なによりあの二人がならぶと『しっくりくる』っていう女が多いんだよ。 《似合いの二人》ってことで、シュンカを先生のほうをむくよう、しむけたいって、口にするのもいる」
「そりゃあまた・・・・」
よけいな世話だ。




