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コウドのいまの仕事
申し訳ございません。コウドについては『蟲 』をひろい読みしてください。。。
コウドは色街の『男衆』をたばねるトクジの下につく男だ。
もとは西の軍人で、ホムラという元神官だった男の指示で、ある里にゆき、そこで会った夫婦に諭されて、目がさめた。
おのれが、いかに人の道からはずれたところにいたのか。
いまさら悔やんでも、西の軍人だったことは消せないし、手をかけた者たちは生き返らない。
悔やむ、というよりは、情けなく、腹が立つことが多い。
だからせめて、それらをかえりみて、死者には毎日経をあげ、生きているものは助けたいと思っている。
そんな気持ちをくんでくれたのか、トクジがこの仕事をいいつけてくれたのだ。
「コウドさん、もういいですよ」
柔らかい声で指示をだすシュンカにうなずき、おさえていた男の手と首をはなした。




