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鳥 知らせにくる
お茶をのんだコウアンが、耳をほじる真似でドウアンに声をかけた。
「 ―― わしらはいま、耳がつまってなにもきこえんかったな」
「タクアンが、シュンカのお茶を飲んだときに発した奇声が、耳に残っててな」
傷が治って右目の視界が広くなったといいながら、高山に帰ったわ。とそろってわらった坊主たちは、わしらもそろそろだな、と腰をあげた。
詰所の庭に、どこかでみた小鳥がおりたち、チチ、と鳴いてみせた。
「どうやら、ジュフクさまもお話を終えたようだ」
「さきほどセイテツがスザクとそろってこいと呼ばれたようだから、また、妖物退治かもしれぬな」




