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無事なみんな
シュンカたちが着いたとき、コウドがミノワを追って出たところだったらしく、混乱しているこの場をコウアンが一喝でおさめ、これからシュンカが、チサイの薬でおかしな症状がでないか確認する、と、ひとりひとりの『気』のながれをたしかめることになった。
スザクがひろった骸の二人から《解術》の手掛かりを得ていたため、先に詰所に戻っていたドウアンとタクアンがそれを全員に施し、なにごともなく、集めたみなを無事に帰せた。
意外にも、療養所の女たちには、術はかけられていなかった。
「そうか、よかった。 ―― みんなに、なにもなくて」
「 ―― チサイだけ、もうどうしようもなかったがな」
ドウアンが安堵した顔のトクジに言い、シュンカがうつむいた。




