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おとぎばなし ― 剥奪 ―  作者: ぽすしち
逃げ道

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134/142

あとは

残虐な表現あり。ごちゅういを


「 ミノワ、・・・すまねえ・・・  」


 謝りながら、抱えた男の、皮がはがされた顔をみる。



 もう、その目玉はどこもみておらず、むきだしの歯は、血にまみれすぎて赤い。




 ごふ、と小さく咳をだしたミノワの手の先が、コウドの腕を、つかむようになでた。




    これだからウド兄は




 いつも言われていた声が聞こえた気がしたが、抱えていたミノワのからだがぐずぐずといやな音をたてはじめ、その血がうつったコウドの皮膚が、いっきに黒くなっていった。




 追いついた男衆に乱暴にミノワからひきはなされる。



 うつった血をぬぐわれ、黒くなってくさった腕の部分に布をまかれ、ミノワをなげすてていった男がとびこんだ竜巻が、今度はおともなく辻に吸われるようにきえてゆくのをみる。







 あとはただ、屋根の上でミノワのからだがおのれの血で腐ってゆくのを、みていることしかコウドにはできなかった。









あとすこしでおわりです。。。

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