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『ナカミ』
「ああ。 ただ、《神官の禁術》とちがって、《からだ》はのっとらない。 一度《魂》をてにいれてもそのままもどし、『とおり道』として『おいて』おくはずなんだが・・・」
あの者たちは、誰かによばれたようなことをいっておったのだろう?とタクアンをみる。
「たしかにそういってたし、それに、さいごに、 ―― 」
『 ナカ ミ ごぼ っごぼっぼ サガセ っごっ っぼご 』
コウドも腕を組んでうなずき、ナカミ、サガセとは、なにの中身だ?とタクアンをみる。
なにか言おうとして口をあけたタクアンが、そこで固まった。
「 ―― だから、ケイテキか・・・?」
目だけをドウアンにむける。
トクジもはっとしたように、ちっくしょお!と立ち上がった。




